近年管理人は公道を走っていて強く感じることがあります。
それはフォグランプの乱用です。
中にはヘッドライト代わりのようにフォグランプの明かりだけを頼りに走行している車もいます。
一体何の目的でそうしているのかわかりませんが、フォグランプはヘッドライトよりも暗いことが一般的ですし、にもかかわらず中には対向車がまぶしいと感じるようなものまであります。
フォグランプの使い方や整備が間違っていると、周りに迷惑をかけたり恥ずかしい思いをしてしまうかも?
フォグランプに関する知識、あなたは大丈夫ですか?
フォグランプについて知ろう!
近年の車に装着されるフォグランプは、もはやドレスアップを目的としたパーツの一つと言えるかもしれません。
しかし、そうだとしてもフォグランプが本来どのような用途で使われるものなのかくらいは知っておいた方がいいでしょう。
またフォグランプの使用には知られざる(?)ルールもあります。
フォグランプの本来の役目
フォグランプのフォグはfog、つまり「霧(きり)」を意味します。
フォグランプとは霧灯とも呼ばれ、本来は濃霧などで視界が悪くなった際に使われるものです。
本来のフォグランプの明かりは霧や路面上の水などによる乱反射が少なく、視認性を確保すると同時に他の車からも見やすくさせる効果があります。
フォグランプの色について
霧の中を運転していると、赤色や黄色の灯りばかりが目につきませんか?
実はこれらの色の光は比較的乱反射をしにくく、霧の中でも遠くまで届くのです。
また路面などに反射した光が戻ってきやすい(つまり路面などがよく見える)こともあり、元来のフォグランプは黄系統の色が多かったのです。
しかし最近流行の白色(しかもLEDやHID)のフォグランプは乱反射が激しく、本来の役目を果たすには不十分な代物で、「なんちゃってフォグランプ」と言わざるを得ません。
もちろん、霧は路面よりやや高い位置に発生するのが一般的ですので、低い位置にあるフォグランプを付けるとヘッドライトのみで走行するより多少視認性が向上する可能性はありますが、実際は微々たる変化と言えるでしょう。
ちなみに法律ではフォグランプの色は白色と黄色が認められています。
白いこと自体は問題ではありません。
霧の中の白色フォグランプ
先に述べた通り、白色フォグランプでは本来の役目を果たすことは難しいと言えます。
ところで、霧の中でヘッドライトを上向きにしたら逆に何も見えなくなった、という経験はありませんか?
これはより多くの乱反射した光が目に届くためです。
このとき脳がまぶしいと判断し、自律神経により瞳孔が絞られることで、周囲の暗い部分を視認することも困難になります。
このことからもわかるように、白色で明るく、光軸もあっていないようなフォグランプは、本来の役目を果たさないどころか逆効果にもなりかねません。
フォグランプのみの走行は危険
冒頭にも述べましたが、ヘッドライト代わりのようにフォグランプの明かりだけを頼りに走行している車を見かけることがあります。
しかしこれは非常に危険です。
保安基準に適合したフォグランプであれば、ヘッドライトほどの視認性を確保することはできません。
逆に相手からの被視認性を高めたいのであればポジションランプだけで十分です。(ちなみにポジションランプを点けずにフォグランプのみを点灯させるのは違法)
ポジションランプだけじゃ心もとない暗さと感じたら躊躇せずヘッドライトを点けましょう。
明るい内にヘッドライトを点けてはいけない決まりはありませんし、安全上も問題ありません。
フォグランプの使い時
さて、乱用されることが多いフォグランプですが、実際はどのような時に使えば良いのでしょうか。
ここまで読んで、「白色フォグランプが霧の中であまり効果を得られないのであれば、すでに実用性はないのでは?」と感じた方もいらっしゃると思います。
ハッキリ言ってその通りです。
自身の視認性を向上させるには晴天時はヘッドライトで十分ですし、霧の中で使っても乱反射してしまい大きな効果は得られません。
雨の中で使えば濡れた路面に反射して白線などが見えなくなり、対向車の視界にも影響を及ぼすため大変危険です。
そもそもフォグランプがない車も多いのですから、フォグランプは”必要”ではないのです。
とはいえ、雨や霧などによって視界が悪いときに無灯火のまま走る車よりは安全かもしれませんね。
また路面が濡れておらず、街灯が少ない真っ暗な道を低速で走行する場合は役に立つ可能性があります。
フォグランプを使うことで車に近い位置の路面を照らすことができるためです。
ただし、光軸に問題がないことが大前提と言えるでしょう。
まとめ
さて、今回は白色フォグランプを滅多打ちする内容となってしまいましたが、もちろんドレスアップとして取り付けること自体は理解できます。
フォグランプがあるのとないのとでは見た目の印象が大きく変わる車種もありますしね。
しかしドレスアップとして認められるのは、あくまで周りに迷惑をかけない範囲での話。
対向車から見てまぶしく感じるような白色フォグランプは「百害あって一利なし」ですし、そもそもこのような光(幻惑光)を出すフォグランプは保安基準に適合しません。
注意したいポイントを再確認してみましょう。
- フォグランプの本来の役目を考えると、晴天時に使用する必要はない。
- ヘッドライトの代わりに使用するのは危険。
- 白色フォグランプは本来の役目を果たせない可能性がある。
- 路面が濡れているときに白色フォグランプを使うと白線などが見えにくくなることがある。
- 光軸のずれたフォグランプや光が拡散しやすいHIDタイプは他車の迷惑になり得る。
- 本来の役目を知っている人に白い目で見られる可能性がある。
最近は純正で青白いフォグランプが装着されている車も増えてきましたが、フォグランプの本来の役目を知っている人は恥ずかしくて点灯させることができないのではないでしょうか。
あまり意識せずにフォグランプを使っている人は、これを期に使い方に問題がないか、他車に迷惑をかけていないか、今一度見つめ直していただけると幸いです。
終わり。