今や車を手放す手段は実に多様化しており、「ディーラーの下取りでは高値がつきにくい」という事実もすでに常識になりつつあります。
とはいえ、だからといってみんながみんな手間のかかる一括査定を利用するかというと・・・
正直に言えば、いくつもの業者とのやり取りって面倒くさいですよね。
しかし、査定の回数がたった一回で、しかも複数の買い取り業者に金額を提示させる方法があるとしたらどうでしょうか。
それが今回紹介する査定付きのオークション代行サービス「楽天カーオークション」です。
実はこれ、その仕組みから、うまく使えばかなりの高額で愛車を売却できるサービスと言えます。
今回はメリットばかりでなく、損せず利用するために知っておきたいデメリットや注意点についてもまとめてみました。
愛車を少しでも高く手放すためにも、ぜひ最後までチェックしてみてください。
楽天カーオークションとは?車売却の流れ
楽天Carオークションとは、専門の検査員があなたの車を査定してオークションに出品してくれるサービスです。
オークションは全国の1,000を超える買取業者が入札可能なので、たった1回の査定にもかかわらず、一括査定を超える多数の買い取り業者の目に触れられる可能性があります。
しかも一括査定で個別に業者とやり取りする場合と違い、オークション形式なので価格競争が起こる可能性も大。
楽天カーオークションを利用した車売却の大まかな流れは次の通り。
- 申し込み
- 検査日時の調整
- 検査~最低希望落札価格の設定
- オークションに掲載
- 全国の中古車販売店の入札
- 売却手続き
まずは検査への申し込み。
申し込みはWEBから可能です。
記事の最後にもリンクを貼っておくので、ぜひチェックしてみてください。
申し込みや検査は無料で、一括査定と異なり複数の業者から電話がかかってくるといったことはありません。
車両検査日を決めるための電話があるのみ。
車の検査は大体1時間前後。
オークション出品用の写真撮影も全部やってくれるのでその分時間はかかりますが、1回で済みますし、面倒な価格交渉も必要ないので気楽です。
検査が終わったら最低希望落札価格を設定します。
この最低希望落札価格をいくらにするかが、愛車を高く売るためには非常に重要になってきます。
最低希望落札価格の決め方、考え方については後ほど詳しく解説します。
最低希望落札価格を伝えたら、あとはオークションが開催されるのを待つだけ!(毎週火曜日の午後に順次行われる)
オークション開催まではもちろん、売却決定後も車両引き渡し日までは自由に愛車に乗ることができます。
なお、オークションの様子はスマホやPCからリアルタイムで閲覧することが可能です。
最低希望落札価格を超える入札があれば、あとは送られてくる書類に記入するなどして、売却の手続きを進めるだけ。
車両も引き取りに来てくれるので手間がかかりません。
楽天カーオークションで車を売るメリット
- 一括査定と異なり、やり取りは1社のみ
- 面倒な価格交渉が不要でも高く売れる可能性
- マイナー車種なども高値が付く可能性がある
検査、出品、交渉まで代行してくれる楽天Carオークションは、多数の業者に買取を検討してもらえるにもかかわらず、とにかく楽。
一括査定における複数社との電話やり取りや、査定時のしつこいやり取りが苦手という人にはメリットだらけです。
また、オークションなら不人気車種やマイナー車種でも高値が付く可能性があります。
メリット1.一括査定と異なり、やり取りは1社のみ
今や車を高く売る方法として絶大な支持を集める一括査定サービスですが、これには大きなデメリットがあります。
それは、とにかく面倒くさいということ。
査定を依頼した複数社から嵐のように電話がかかり、それら一社一社と個別に日程を調整し、個別に査定を受け、個別に価格交渉までしなければなりません。
時間がかかるばかりか、どの買取業者がどの番号で、どんな段取りをしたのか等をメモしておかないと、すぐに把握しきれなくなってしまいます。
一方楽天カーオークションなら、あなたが直接やり取りをするのは楽天カーオークションただ1社のみ。
一括査定と異なり、何社もの買取業者と個別にやり取りをする必要がなく、査定(検査)回数も1回で済みます。
一応、オークション掲載用の写真撮影などもあるため、1回の検査自体は1時間ほどとやや長くなることもありますが、そのまま価格交渉に入るわけでもないのでトータルでは大きな差はありません。
むしろ一括査定については、たまーに粘ってなかなか帰ってくれない業者もいると聞くので、そういった場合と比べたら断然手短に済みます。
一括査定サービスと比べて手間が少なく、特に時間がない人にとっては日程調整が最小限で済む点は大きなメリットとなるはず。
メリット2.面倒な価格交渉が不要でも高く売れる可能性
通常、一括査定や下取りなどで車を手放す場合、高く売るためにはある程度の価格交渉が必要です。
しかし、オークションを利用した売却の場合、入札者(車買取業者)同士が入札額で競い合ってくれるため、売り手が価格交渉をする必要がありません。
買取業者はどこも「買い取った車を売って利益を出す」ことを目的としています。
そのため、他社より高い金額を出してでも、まずは車を買い取らなければ利益が出せません。
必然的にある程度の競争が起こるため、「価格交渉が不要」で、「一定水準以上の額で売却可能」となるわけです。
また、一括査定などのサービスは基本的に無料ですが、先の通り査定ばかりでは買取業者の生業は成立しません。
査定員の目的は、あくまで車を買い取ること。
このため、売り手側の希望額未満であるにも関わらず、あの手この手で交渉を迫ってきます。
よく聞くのは「今日売ってくだされば〇〇万円まで出せます」というもの。
こういうしつこさとは無縁なのもオークションの良いところ。
一番高く評価してくれたところに売却する。シンプルかつ間違いのない売却方法と言えるのではないでしょうか。
メリット3.マイナー車種なども高値が付く可能性がある
買取業者はその車が何であれ、再び中古車として売って利益を出さなければなりません。
となれば、「本当にこの車を高く買い取って利益が出るだろうか、損はしないだろうか」と考えるのは自然なこと。
人気車種や年式が新しい車は誰が見ても売れることがわかっていますが、マイナー車種となると買い手も悩み、リスクを避けるためにも高値は付けてくれません。
しかし、オークションにおいてはこの点が少し特殊です。
オークションに入札するのは国内外最大1,000社の中古車販売店や輸出業者。
これらの業者は通知がほしい車両を予め登録し、出品があった場合にすぐオークション参加ができるようにしています。
このため、それぞれ得意不得意がある中から、「うちの店ならこれは売れる!」と思った車を狙って入札することができます。
当然、売れるかどうかわからない買取業者よりも、売れると確信して入札してくる買取業者の方が高値を付けてくれる可能性は高いですよね。
また輸出業者が買い取りに参加するという点も一括査定との大きな違いと言えそうです。
国内ではすでに需要がなくても、海外では高い人気(評価)を誇るというケースがあったりしますからね。
というわけで、マイナー車種においてはオークションの方が高く売れる可能性があります。
このように一括査定最大のデメリットを解決しながら、かつ多数の買取業者の目に触れることができる楽天カーオークションは、楽だけど十分に高額売却が狙えるとサービスと言えます。
万が一「下取りで値がつかず、オークションを利用しても売れない」という場合は、諦めずに「ガリバーフリマ」をチェックしてみることをおすすめします。
ガリバーフリマは車をフリマ感覚で売れるサービスで、従来の個人売買よりも圧倒的に安心した取り引きが可能な点が特徴です。
出品したら必ず売らなければならない等の縛りもありませんし、「値段がつかなかった車が数万円で売れた」というケースが多いようで、最終手段として試してみる価値はあります。
楽天カーオークションで車を売るデメリット
楽天Carオークションにはデメリットもあります。
事前に知っておくだけでかなり変わってくるので、利用する際は必ずチェックしておいてください。
- 価格交渉が得意な人には不向き
- 最低希望落札価格を超える入札があった場合は即売却
- 売るかどうか迷っている人には不向き
- オークションに出品できない車両がある
デメリット1.価格交渉が得意な人には不向き
価格交渉が必要ないというメリットは、価格交渉が得意な人にとってはデメリットとなり得ます。
交渉に自信があれば、買取業者と直接交渉可能なサービスを利用した方が、さらに上を狙える可能性がありますからね。
特に一括査定サービスを利用すれば、ある程度相場を把握しながら交渉することもできます。
とはいえ、1対1の交渉で高値を引き出すのは容易ではありません。
目標金額がある場合は一括査定を利用するのも良い方法だと思いますが、あまり希望額を吊り上げすぎると、買取業者も「うちでは無理です」と言って普通に帰りますからね(笑
あとは手間や時間とのトレードオフと言えそうです。
極限まで高値を狙うなら一括査定などで直接交渉すべきですが、「相場以上であれば良し」とするならオークションでも十分に狙えます。
デメリット2.最低希望落札価格を超える入札があった場合は即売却
一括査定などと比べ、査定額を把握してから売り手が売却を検討することはできません。
初めから希望額を提示し、それを超えていたら即売却となります。
ここで売却をキャンセルすると、10万円のキャンセル料がかかるので要注意!
とはいえ、自分で設定した最低希望落札価格超えた額なわけですから、即売却となったときも満足度は高いはず。
問題は「最低希望落札価格をいくらに設定するか」です。
検査(査定)が終わったら、すぐに最低希望落札価格(いくらなら売るか)を聞かれます。
実際に売りが確定した際は成約手数料として22,000円(税込)がかかりますので、それを加味した金額を設定したいですね。
しかし、いくらがいいかなんて、いきなり聞かれてもそう簡単には答えられませんよね・・・。
一応検査員が適正価格に関するアドバイスをくれますが、正直これを信用しすぎるのはよくないと思います。
というのも、楽天カーオークション目線で考えると、あまり最低希望落札価格が高すぎるとオークションで売買不成立となり、手数料を得ることができなくなるから。
あまり低すぎる金額では、たとえ売れても得をしたのか損をしたのか判断が難しくなります。
そうならないために必要なのは、しっかりと愛車の相場を把握しておくこと。
買い替えであればディーラーの下取り査定額でもいいですし、少なくとも1社に査定を依頼して、その査定額以上の値を最低希望落札価格として設定する・・・。
これなら売りが確定しても、「下取りに出すより高く売れて良かった」と思えますし、実際に少ない労力でそれだけ得をしています。
全ての入札が最低希望落札価格を下回れば、もちろん愛車を手放す必要はありません。
この場合は無料でキャンセルすることが可能です。
こうなったら、改めて最初に査定をお願いしたところに引き取ってもらうもよし、一括査定に申し込むもよし。
もちろん、入札があれば最低希望落札価格未満であっても売ることは可能です。
その際、楽天カーオークションの担当者が入札業者に連絡し、最低希望落札価格に近付くように再度価格交渉もしてくれます。
最低希望落札価格まであともう少しだったのに・・・という場合は、価格交渉をしてもらってから決めた方が良いですね。
デメリット3.売るかどうか迷っている人には不向き
先述の通り、最低希望落札価格を超える入札があった場合は原則車を手放すことになります。
キャンセルには10万円がかかるので、「試しに利用してみたら予想外の高値がついて車を手放さなくてはいけなくなってしまった・・・」なんていうことにもなりかねません。
かといって、あまりにも相場とかけ離れた最低希望落札価格を設定しようとすると、売却の意思なしと見抜かれ、出品してもらえない可能性もあります。
つまり、「売る気はないけどとりあえず相場を知りたい」という使い方はできません。
デメリット4.オークションに出品できない車両がある
楽天カーオークションは、一部出品車両に制限を設けています。
公式WEBサイトに掲載されている内容は次の通り。
オークションに出品できない可能性のある車両について
初年度登録より10年以上経過している軽自動(4輪駆動車、ジムニー、タント、キャラ、コペン、ビート、AZ-1、カプチーノ、エヴリィワゴンなど一部車種を除く)
引用元:車両検査申込みからご売却までの流れ:楽天Car オークション
初年度登録より15年以上経過しているコンパクトカー
不動車、改造の程度が著しい自動車等、出品することが不適当であると当社が判断する自動車
楽天カーオークションにおける最低希望落札価格の決め方
楽天Carオークションをうまく利用するためには、最低希望落札価格を適切に設定することが最重要となります。
最悪なのはあまりにも低く設定してしまい下取り並みの金額で手放してしまうことですが、実は高く設定すれば良いというわけではありません。
大切なのは、やはりある程度相場を把握しておくこと。
一般的にディーラーでの下取りは安い傾向にありますので、できればもう1社、ガリバーでもどこでも良いので査定を依頼しておくと信頼性が上がります。
これが難しければ、インターネットの相場診断サービスなどを利用するのもアリ。
おすすめはグーネットの買取相場検索。
相場が把握できたら、いよいよ具体的に最低希望落札価格はいくらに設定すれば良いのかを考えてみましょう。
これについては様々な考え方があると思いますが、個人的には以下の理由から「把握した相場の上限付近」に設定してしまって良いと考えます(具体的な査定額ではなくネットの相場診断等を材料とする場合は、上限よりやや低いところが現実的)。
まず、最低希望落札価格が低すぎると価格が上がり切る前にオークションが終了してしまうリスクがぬぐえません。
これだけは避けたいですね。
逆に相場に対して高すぎる場合も問題です。
最低希望落札価格が高すぎると、入札をしてもなかなか「ウリキリ状態」にならず、入札側から「売る気がない(=入札するだけムダ)」と判断される可能性があるから。
実はオークション中は「ウリキリメーター」というものが表示され、入札額が最低希望落札価格に到達したか否かをリアルタイムで確認できるようになっています。
ウリキリ状態となれば、その後は入札をすればそのまま落札できる可能性があるため、買い取り業者の入札が活発になることが期待できます。
このウリキリ状態こそが本来オークションで車を高く売るためのポイントで、ノウハウのある出品者は入札の状況を見ながらリアルタイムでウリキリ状態への切り替えを行うこともあるそうです(楽天カーオークションでは最低希望落札価格を事前に決めないといけませんが、ウリキリ状態のコントロールには熟練のノウハウが必要でしょうから、必ずしもデメリットとは言えませんね)。
適切な相場価格付近に設定すれば、買い取り業者が「売る気なし」と判断する前にウリキリ状態となり、さらなる高値が期待できるわけです。
ここで「売れないなら売れないで良いからワンチャン高く設定したい」と考えるかもしれませんが、あまりにも強気な金額を伝えると、今度は楽天カーオークション側から売却の意思なしと判断される可能性があります。
「出品できません」と言われるかどうかはわかりませんが、やんわりと「今回は見送っては?」と言われることはあるようです。
この際も相場の把握に用いた何らかのデータで妥当性が示せられれば、一見強気の金額に見えても問題ありませんが、先述の通り最低希望落札価格は高くすれば良いというわけではないということは覚えておきたいですね。
まとめ│楽天カーオークションはこんな人におすすめ!
ここまでのメリットやデメリットを総合し、楽天Carオークションの利用をおすすめしたいのは次のような人!
- 高く売りたいけど一括査定は面倒だという人
- 下取り価格、査定価格が低すぎてショックを受けた人
- 一括査定の限界以上の額に挑戦したい人
1.高く売りたいけど一括査定は面倒だという人
1社だけに査定を依頼する場合と比べ、複数の中古車販売店が参加可能なオークションは、高値が付く可能性がかなり高い売却方法と言えます。
個別に価格交渉が可能な一括査定ならさらに高値を狙えるかもしれませんが、その分手間がかかり、交渉術も必要になるのがネック。
その点、オークションならある程度の高値を交渉なしに引き出すことが可能です。
というわけで、交渉が面倒な人や時間がない人にこそおすすめできます。
もちろん、複数の業者から電話がかかってくるといったこともないので、コミュニケーションが苦手という人にも向いているかもしれませんね。
2.下取り価格、査定価格が低すぎてショックを受けた人
こんな低い価格で手放して良いのか。
本当にこの程度の価値しかないのか。
そんな悩みがあれば、その額を最低希望落札価格とし、オークションを利用するのがおすすめです。
もし最低希望落札価格を超える入札がなかった場合は諦めがつきますし、逆にもっと高く売れる可能性もあります。
こう考えると、やらないと損ですよね。
3.一括査定の限界以上の額に挑戦したい人
一括査定を一通り受ければ、愛車の相場はバッチリ把握できるはずです。
この状態でオークションに出品すれば、ワンチャンさらに上乗せした額で手放すことができるかもしれません。
ただし、一括査定では「今日譲ってくれるなら・・・」という うたい文句が定番なので、万が一を考えて査定員とその辺りの交渉をしておくことは必要かもしれません。
逆にオークション→一括査定の順に進むのもアリ。
いずれにせよある程度の交渉術を持つ人にのみおすすめできる方法なので、この辺りの順番は好みで決めてOKです。
おすすめの一括査定は中古車情報で有名なカーセンサーの一括査定↓
愛車をオークション形式で高く売るなら!