繊細なアクセルワークを身に付けるための5つの練習方法!

加速 アクセルワーク

車の性能を語るときに、「走る、曲がる、止まる」という三大要素が語られることがよくあります。

もちろん車の性能においてこれらの底上げをすることは様々な面で非常に効果的ですが、これらの性能を限界まで引き出すためには一定以上のドライビングスキルが必要不可欠です。

 

動作に置き換えれば、「アクセルワーク、ステアリング、ブレーキング」がそれぞれ対応するドライビングスキルとなります。

今回は、その中でも“アクセルワーク”に照準を絞ってお話ししてみたいと思います。

 

繊細なアクセルワークを身に付けよう!

さて、先ほど「走る、曲がる、止まる」を「アクセルワーク、ステアリング、ブレーキング」と置き換えさせていただきましたが、少し訂正させてください。

アクセルワークに限っては「走る」という性能への影響を語るだけでは不十分で、実は「曲がる」への影響も果てしなく大きいと言えます。

まぁ「走る」の定義がいまいちハッキリしないせいでもあるのですが・・・。

ここでは「走る」という性能は「加速性能」と捉えて話を進めていきたいと思います。

 

とにかく、アクセルワークを上達させれば、「走る、曲がる、止まる」のうち、「走る」と「曲がる」の2つの要素に好影響をもたらすことが可能になるというわけです。

 

ここではまず、「走る」という要素、つまり加速性能を引き出すためのアクセルワークについてお話ししたいと思います。

「曲がる」ためのアクセルワークについてはこちらの記事をご覧ください↓

 

「走る」ためのアクセルワークとは

車の性能を引き出すためには、ただ一言。

「繊細なアクセルワークをする。」

これに尽きます。

 

ここでお話しするのはロスのない加速について。

繊細なアクセルワークを身に付ければ、ロスの少ないスムーズな加速が可能です。

 

ビッグパワーの車においては、急にアクセルを踏み込むとタイヤが空転してロスが生じてしまいます。

このロスを減らして最大限の加速を得るためには、タイヤのグリップの限界を超えない範囲で最大限のトラクションをかける必要があります。

つまり、タイヤが滑りすぎないようにアクセルを踏み込む量を調整すれば良いわけです。

まぁ実際は多少のホイールスピンは気にする必要なく、むしろグリップを使い切れているサインでもあるのですが。

 

ただし、4輪駆動車の場合は常に高いトラクションを得ることができるので、ほとんど気にする必要はありません。

問題は前輪駆動車と後輪駆動車です。

それぞれの加速の特徴を見てみましょう。

 

前輪駆動車の加速

駆動方式に関わらず、アクセルを踏み込むとリア荷重が生じてフロントの接地が弱まります。

前輪駆動車にとってはこれは致命的で、フロント荷重が抜けてトラクションが得られなくなるばかりか、最悪前輪のグリップが不足して空転を起こす可能性があります。

 

前輪駆動車の場合は、厳密には次のような動きによってロスの多い加速になりやすいと言えます。

「加速→リア荷重発生→トラクション低下→フロント荷重が戻る→トラクションが戻る→再加速→リア荷重発生・・・」

 

ただし、見てもらってお分かりの通り、あまり難しく考えなくても自然とフロント荷重が戻るので、そのままでも再加速することが可能です。

とりあえず、「急にアクセルを踏み込めばフロント荷重が抜けて前輪が空転しやすくなる」ということだけ覚えておけば良いでしょう。

 

後輪駆動車の加速

後輪駆動車の加速の際はもう少し神経質になる必要があります。

後輪駆動車の場合はリア荷重によってトラクションが更にかかるため、前輪駆動車と比べて空転を生じにくく、ロスを生じにくいという点がメリットと言えます。

ある程度のビッグパワーでもタイヤを”キキッ”と鳴らしながら力強く加速してくれるでしょう。

 

しかし、必要以上にアクセルを急激に踏み込んだ場合は、後輪駆動車でもタイヤが空転を始める場合があります。

空転が発生しても自然と収まる前輪駆動車と異なり、後輪駆動車の場合はここから先が少し厄介です。

なぜなら、アクセルを踏み込み続けたままだとグリップが回復することが望めないからです。

素早く空転を解消しようと思ったら、一度グリップできるラインまでアクセルを戻さないといけないというわけですね。

すると当然フロント荷重が生まれるため、再びアクセルを踏み込めばまた簡単にタイヤが空転してしまいます。

この悪循環に陥ると、再加速の際にも更にシビアなアクセルワークが求められることになるのです。

 

また、後輪駆動車において後輪が空転すれば、当然車の挙動は不安定になります

これは、「少しでもステアリングを切ればスリップ待ったなし」といった状態です。

 

コーナリング中もそうであるように、後輪駆動車においてラフなアクセルワークはご法度と言えるでしょう。

こうならないためには、とにかく繊細なアクセルワークを心がけるほかありません。

 

アクセルワークの練習方法

繊細なアクセルワークとは、言い換えればアクセルを微調整するという技術です。

この技術を身に付けるための練習方法をいくつかご紹介します。

 

1.ゆっくり加速してみよう

まずは少しずつ加速する感覚を身に付けましょう。

信号で発車する際、のろのろと車が動き出すようにアクセルを踏む量を調整してみましょう。

もちろん、周りの交通に影響がないように注意してくださいね。

意外かもしれませんが、これだけでもかなり繊細なアクセルワークが身に付くはずです。

 

2.ハーフアクセルで定速走行してみよう

次に覚えたいのがハーフアクセルによる定速走行です。

例えば高速道路を走った時、上手な人はアクセルワークだけで車速をコントロールし、緊急時以外ブレーキを使うことはありません。

・・・というかコレが普通で、高速道路でブレーキを踏むのは運転が下手な証拠です。

身に覚えがある人は気を付けてくださいね。

 

さて、車速のコントロールと言っても、アクセルをグッと踏み込んで100km/hまで加速し、アクセルを”離して”惰性で進む。

これを繰り返すような運転はNGです。

常に100km/hで走れるようなアクセルワークを意識してください。

恐らく、これについては半数以上の方が自然とできていると思います。

 

このハーフアクセルの上位に、”パーシャルスロットル”というテクニックが存在します。

上位と言うか、やってることは同じなのですが。

これについてはコーナリングにおける繊細なアクセルワークの重要性として、こちらの記事で少しだけ詳しく紹介しています↓

 

3.アクセルワークで車間を維持しよう

次に意識したいのは前走車との車間です。

前走車との車間が変化しないようにアクセルワークのみで走行してみましょう。

これは街中でも十分にできる練習ですが、十分な車間を確保する点に注意してください。

 

このとき、極力前後の荷重移動が起こらないようにコントロールしてみてください。

アクセルを戻すときもゆっくりと戻すことを心がけます。

そうすることで、より繊細なアクセルワークが身に付くはずです。

 

4.かかとを浮かせて走ってみよう

ついでに、慣れてきたら一度右足のかかとをフロアから離して運転してみましょう。

この状態で街中をスムーズに走れるようになる必要はありませんが、アクセルワークによるスピードコントロールを体感しやすくなります。

ただしいつもと感覚が大きく異なるはずなので、交通量が少ない道であまりスピードを出しすぎないように注意しながら試してみてください。

 

繰り返しますが、普段からかかとを浮かせろっていうわけじゃありませんよ。

あくまで体験してみようってことです。

恐らくかかとをつけて運転することの重要性が体感できるはずです。

 

やりにくい操作をしたあとに慣れた操作方法(かかとをつけた運転)に戻ると一気に技術が上達することもあり、そういった効果を狙うこともできます。

 

5.砂利道や雪道を走ってみる

これは無理やり感覚を身体に覚えこませる方法になるので、上記の練習で繊細なアクセルワークを意識できるようになってから試すようにしましょう。

滑りやすい路面においては、ラフなアクセルワークはロスに直結します。

舗装路より更に繊細なアクセルワークが求められるため、必然的に技術が向上していきます。

 

 まとめ│繊細なアクセルワークは街中でも練習できる

今回はアクセルワークの中でも加速性能に影響するポイントだけをまとめてみました。

 

普段の街中の運転でもアクセルワークを意識して走ることはできます。

今回紹介した練習方法を是非普段の運転に取り入れてみてください。

ただし安全には十分に配慮するように!

 

さて、先述の通りアクセルワークを気をつけなければいけないのはコーナリング中も同様です。

また、アクセルワークを上達させると燃費を向上させることも可能です。

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とりあえず今回はここまで。