速く走るためのライン取り!意識したいたった3つのポイントとは?

より直線的なライン取り コーナリング

車やバイクを速く走らせたい人がまず最初に知っておくべき基本中の基本、それがライン取りです。

ライン取りとは、コーナーにおける“速く走るために通るべき道筋”のこと。

この速く走るための道筋を選ぶことを「ライン取り」と言います。

 

ライン取りが正しければ速く走ることができますし、それだけでなく車やドライバーにかかる負担を減らすこともできます。

そういった意味では街乗りでも役に立つ知識の一つと言えるでしょう。

今回はこのライン取りのほんの触りの部分をお話ししたいと思います。

 

スポンサーリンク

コーナリングの基礎にして極意!ライン取りとは?

ライン取りとは、車やバイク等を速く走らせるための最も基本的な考え方の一つです。

ラインとは「走行ライン」のこと。

幅のある道のどこを走るのか、その走る位置を一本の線(ライン)に見立ててこう呼びます。

 

例えば学校のグラウンドを一周するとき、少しでもタイムを上げようと思ったらコースの内側ギリギリを走りますよね?

このコースの内側ギリギリが、人がグラウンドを速く走るための最も適したラインなのです。

サーキットを走るときも同じで、そのコーナーや車によって適したラインがある程度決まっています。

 

スポンサーリンク

ライン取りはたった3つのポイントを抑えるだけで改善する!

単純に速く走るためのラインを考えた場合、意識したいポイントは大きく分けると次の3つです。

  1. 道幅を使い切ること
  2. 目線を先に送ること
  3. 次のコーナーに備えること

どういうことか、順番に詳しく見ていきましょう。

 

1.道幅を使い切ることを意識する

そもそも、道幅がなければライン取りをすることはできません。

 

道幅の影響図1.道幅の影響

突然ですが、左の絵と右の絵だとどちらがより高い速度で曲がることができそうですか?

 

答えは簡単ですよね。

右の絵のように道幅が広ければ、左の絵ほどの減速が要らないことは直感的にわかるはずです。

 

例えば横幅1m程度の道を大人が走っているとしましょう。

この場合、コーナーがあっても壁に沿って走るほかありませんね。

道幅が狭い場合は十分にスピードを落とさないと壁にぶつかってしまいますから、左の絵のような道幅で曲がるためには減速が不可避ということになります。

 

ここで重要なのは、道幅が広くても「道幅を使い切らなかったら同じ」だということです。

道幅を使い切れば減速せずに済むのに、道幅を使わないがために減速しなければいけない。

これではせっかく時間をかけて加速したスピードを無駄に捨てることになり、もったいないですね。

同じように、コーナーを抜ける際のラインが描く“R”(半径)が小さくなればなるほど、曲がり切るためにコーナー手前で十分に減速する必要が出てきます。

逆を言えば、直線的なラインを意識することで高い速度を維持したままコーナーを旋回することが可能になるということです。

 

より直線的なライン取り図2.より直線的なライン取り

 

またまた問題です。

図の青のライン、赤のライン、緑のライン、どれが一番高い速度で走ることができるでしょうか。

 

青のラインは最短距離を走ることができますが、先の説明の通り、その分十分に減速しなければなりません。

赤のラインは青のラインと比べれば減速の必要は減りましたが、緑のラインと比べるとまだ”R”が小さいですね。

この中で一番速く走れるラインは、最も直線に近い緑のラインです。

ただし、極論を言えば道幅が100mにも及ぶような大きなコーナーにおいては、インベタ(青いライン)でも減速をせずに走り切れる可能性はあります。この場合は最短距離を通る青いラインが一番速く走れるラインとなります。

 

この緑のライン取りは直線的に走るための最も初歩的なテクニックで、「アウトインアウト」と呼ばれます。

「アウトインアウト」については別の記事で詳しくお話しします↓

 

道幅を有効活用し、より直線的なラインを高い速度で走り抜けよう!

 

2.目線を先に送ることを意識する

思い描いたラインをトレースするのに欠かせないのがドライバーの目線です。

目線をコーナーの先に送ることで、アクセルを踏み込んだらコースアウトするかどうかが直感的にわかりやすくなります。

 

また、人間は目線を送った先に自然と体を向ける動作を取る能力を持っています。

例えばスノーボードで回転ジャンプ(グランドトリックなど)をするときは、回転方向に目線を送るだけで身体の向きも自然と回ることが実感できます(場合によっては回転させすぎないためにあえて目線を進行方向と逆側に留めることも)

車やバイクの運転でも同じで、常に目線を先に送ると頭が勝手にその方向を目指そうとしてくれるのです。

さらにコーナー先の情報も豊富に得ることができるわけで、結果的にイメージ通りのラインをトレースしやすくなります。

 

またあまりにも手前ばかりを見ていると、文字通り目先のことに対する処理に頭が追い付かなくなってしまうこともあります。

少しスピードを出せばわかりますが、足元を見るより遠くを見た方が動きがゆっくりに感じられますよね。

余談ですが、スポーツカーのシートって低いですよね。

これにはドライバーという重量物を低い位置に置くことで重心を下げるという目的があるのですが、他にも「ドライバーの目線を低くすることで車のすぐ近くの地面を見えにくくするという効果」も期待できます。

遠くに視線を送るのは本当に大切なことなんです。

 

運転中は常に先に先に目線を送り、ラインの修正を含め早めの対処を心がけよう!

 

3.次のコーナーを意識する

たった一つのコーナーだけ速く抜けることができても、サーキットで優れたラップタイムを記録することはできません。

1つ目のコーナーを速く抜けることばかりに集中し、2つ目のコーナーで停車寸前まで減速しなければならない、そんなライン取りは正しくありません。

1つ目のコーナリング速度を重視するあまり、2つ目のコーナーで先の赤いラインしか選択できない状況はあまり良くないということです。

より直線的なライン取り

ではどうすれば良いかといえば答えは簡単で、次のコーナーに備えれば良いのです。

 

この辺りはこちらの記事で詳しくお話ししています↓

 

より理解を深めるためには以下の2つの記事に先に目を通しておくことを強くおすすめします。

 

スポンサーリンク

正しい走行ラインは一つとは限らない?

後出しになりますが、ここまで話したことはあくまで一般論として捉えてください。

なぜかと言うと、実は性能や駆動方式などによる“その車の特性”によって、最適な走行ラインが異なる場合があるからです。

 

極端な例になりますが、F1並みの旋回性能がありながら加速性能、最高速の優れない車があったとします。

このとき、この車はコーナーをインベタ(コーナーの内側をキープした状態)で走っても減速せずに十分に曲がり切れるでしょうから、あえて直線的なライン取りを意識する必要はありません。

つまり、最短距離を走れる“インベタライン”が最も速く走ることができる走行ラインとなるわけです。

 

また、旋回性能が悪いが加速性能が良い車の場合、あえてコーナリング中のスピードを捨て、コーナーを立ち上がった後の直線で勝負するために加速重視の走行ラインを選択する場合もあります(具体的には十分に減速してコーナー前半で車の向きを変え、コーナー出口に向かって早めに加速を始めます)

コーナーの後に長いストレートが待つ場合も同様で、立ち上がり重視の鋭角なV字ラインを選択し、スリップストリームも併用すれば、前走者をオーバーテイクすることも可能になります。

 

とはいえ、実際のレースとなると他車と異なるライン上はデブリ(埃などのゴミ)が蓄積している可能性が高く、比較的滑りやすいことが多いです。

こうなると加減速や安全性にも影響がありますから、その車にとって理論上最適なラインでなくても、その差がわずかであれば周りのライン取りに合わせた方が良いケースも多々あります(基本的に同じカテゴリのレースであればそこまで極端なラインの差は生まれません)

 

スポンサーリンク

適切なライン取りがもたらす速さ以外の恩恵

ライン取りが適切であれば、先述の通り速く走ることができるだけでなく、車やドライバーへの負担を減らすことができます。

 

例として、先ほどと同じく極めて高い旋回性能を持つ車について考えてみましょう。

直線的なラインでなくても高い速度で旋回できる場合、最短距離を走れるライン取り(インベタ:コーナーの内側をキープした走行)をした方がコーナーを速く抜けることができますね。

しかしいくら曲がり切れたとしても、同じ速度であれば“R”が小さい方がより急旋回となり、車に働く遠心力(いわゆる“G”)は大きくなります。

車に働く遠心力が大きくなれば、当然それだけ車やタイヤへの負担は大きくなってしまうのです。

そのため旋回能力に余裕があっても、車やタイヤをいたわりたい場面ではより直線的なラインを取ることがあります。

“G”が大きくなるとドライバーへの負担も増しますから、同乗者をいたわった運転をしたい際にも、コーナーRが大きくように意識するのは効果的と言えます。

 

スポンサーリンク

絶対にやめよう!街中で見かける誤ったライン取り(フェイントモーション,あおりハンドル)

街中を走っていると、曲がる直前に反対方向にハンドルを切っている車を見かけることがありませんか?

最近ではこれを“あおりハンドル”と呼ぶこともあるそうです。

曲がる方向と敢えて逆にハンドルを切るので、“フェイント”あるいは“フェイントモーション”と呼ぶ人もいますね。

多くは内輪差を嫌ってのことと思われますが、中には「素早く曲がるため」と考える人もいるようで、これが怖い。

実はこの逆方向にハンドルを切る曲がり方、車を曲がりやすくするどころか、むしろ車を曲がりにくくする行為なのです。

 

なぜなら一度反対方向に車を向けると、実際に曲がる際の”R”が小さくなってしまうからです。

無意味な逆ハンドル図3.逆ハンドルを切ると曲がりにくくなる

青いラインが逆ハンドルを切った際のライン。

“R”が小さくなってしまっていることがわかりますね。

逆ハンドルは、“無意味”どころか完全に“逆効果”です(「逆ハンドルで外輪に荷重をかけることに意味がある」という意見も聞こえてきそうですが、公道においてはそこまで急激な動きはなおさら危険です)

 

当然スポーツ走行でも同じことが言えます。

ドリフトの「キッカケ作り」のためにコーナー手前で逆ハンドルを切ることはありますが、速度を維持して曲がろうとした場合は逆効果となることを覚えておきましょう。

 

更に言えば、この逆ハンドルはとても危険です。

中には隣の車線にはみ出るほど反対側に膨らんでいる車もいますが、接触事故を起こす前に“無駄”、あるいは“逆効果”であることに気付いてほしいものです・・・。

 

スポンサーリンク

まとめ│速く走るためにライン取りで意識したいこと

おさらいになりますが、速く走るためのライン取りで意識したいこと、それは次の3つでした。

  1. 道幅を使い切ること
  2. 目線を先に送ること
  3. 次のコーナーに備えること

 

「速度を維持するために道幅を使い切って、より直線的に走る」

これが一つのコーナーを速く走るためのライン取りの考え方です。

加えて次のコーナーまでのアプローチを考慮することができれば、サーキット全体を速く走るためのライン取りが完成します。

 

ただし、今回お話ししたのはあくまで一般論。

車の性能や特性や走らせ方によって最適なラインは変化しますので、一つの考え方にとらわれすぎないことが大切です。

可能であれば、上手い人(速い車)の後ろについて走ってみましょう。

適切なライン取りを効率よく身体で覚えることができるはずです。

 

ライン取りを適切に意識することができれば、速く走ることができるだけでなく、車やタイヤをいたわることができます。

同時に同乗者への負担も減りますから、運転がうまくなりたい人は是非実践してみてください。

コメント