小さいのに速すぎ!?電動スケボーBackfire Miniは良くも悪くも超過激

電動スケボー Backfire Mini 03_R レビュー

電動スケボーメーカーとして日本国内でも抜群の知名度を誇るのが、Backfire(バックファイヤー)というブランドです。

一時期と比べると国内ショップの取り扱いは減りましたが、今でも様々なバリエーションの電動スケボーを展開しており、ニューモデルに注目している人も多いのでは。

そんな中、2019年末に発売されて注目を集めたのが、今回紹介するコンパクトモデルの「Backfire Mini」。

普通のスケボーのように見えて、実は高性能。持ち運びも楽々。

なんて言ったら気になりますよね。

国内では2020年春過ぎころから楽天市場のショップで取り扱いが始まったようです。

 

管理人も期待を込めて、昨年末にクラウドファンディングにて先行入手しましたが、結論から言うと総合評価は100点中70点いくかどうかといったところ。

いきなりぶっちゃけちゃいますが、「期待したほどではなかった」というのが真っ先に感じた正直な感想です。

悪くないし、ライバルの少なさからまだ手放す気にはならないんだけど、人におすすめできるかというと・・・?

いったいどんな点が気になったのか。

というわけで、今回は世界でも有数の高性能ミニ電動スケボー「Backfire Mini」のメリット・デメリットを紹介してみたいと思います。

 

小型電動スケボー「Backfire Mini」の特徴

電動スケボー Backfire Mini 01_R

基本スペックは次の通り。

  • 最高速:42km/h
  • 航続可能距離:~18km
  • 重量:約6kg
  • ウィール直径:85mm
  • デッキサイズ:790mm×225mm

まず最大の特徴はそのサイズ。

とにかくコンパクトな電動スケボーです。

全長はわずか790mmで、ペニーボードの32インチモデルのようなサイズ感です。

コンパクトゆえに約6kgと、電動スケボーとしてはかなり軽量。

左右にモーターがある「デュアルドライブ仕様」ということを考えると、なおさら優秀な数値です。

手に持つのも車に積載するのも、他の電動スケボーとはお手軽さが違います。

 

見た目もシンプルでパッと見はただのクルーザー。

しかし、実は中身は超高性能で、最高速度はカタログ値で42km/h。

満充電で最大18kmも走行することが可能です。

走行可能距離については昨今の一般的な電動スケボーと比べると決して優秀な数値ではありませんが、サイズを考えれば十分及第点と言えるのでは。

加えてBackfire G2tなどにもみられた「ターボモード」を実装し、ボタンを押すと加速時に20%の追加電力が得られる仕組み。

ハッキリ言って超速いです。速すぎ。

 

この超スピードを受け止めるウィールは85mmと、昨今のトレンドと比べるとかなり小径に見えます。

その分見た目はスマートですが・・・。

 

これらの特徴を踏まえ、お次はBackfire Miniのメリット・デメリットについてお話しします。

 

小型電動スケボー Backfire Miniのデメリット

まずは気になるデメリットから。

Backfire Miniを購入検討する場合、デメリットは前提としてかならず先に把握しておく必要があると考えます。

 

なお、ここに記載するデメリットは一般的なミドルサイズの電動スケボーと比較した場合に劣ると感じるポイントです。

小型電動スケボーという枠の中ではもっとひどいボードは山ほどあります。念のため。

 

デメリット1.乗り心地が悪い

電動スケボー Backfire Mini 01_R

とにかく気になるのがこれ。

Backfire Miniはかなり振動の強い電動スケボーと言えます。

その理由は次の通り。

  • ハブモーター仕様かつ小径ウィールだから
  • デッキが硬いから
  • スタンスが狭いから

 

まずウィール内部にモーターを配置する「ハブモーター仕様」であること。

加えて電動スケボーとしては小型の85mmウィールを採用しているため、どうしてもウィールの肉厚が薄くなります。

ウィールの肉厚が薄くなれば、当然路面から伝わる衝撃をウィールで吸収することが難しくなります。

電動スケボー Backfire Mini ウィール_R

↑ハブモーター使用の電動スケボーはウィールの中にモーターが位置するため、ウィールのクッション性は少ない。Backfire Miniはウィールサイズが小さいのでなおさら。

 

かといってデッキが柔軟かというとそんなことはなく、むしろ硬い部類に入ります。

コンパクトに設計されたデッキはバッテリー一体型で、剛性確保のためにカーボンファイバーが採用されています。

デッキの柔軟性も期待できません。

また、ロングタイプと比べてスタンスも直立に近くなるため、路面からの衝撃に耐えにくくなります(スタンスが広い方が安定し、踏ん張りやすい)

一応クッション性のあるデッキテープのおかげで乗れないほどひどくはありませんが、一般的な電動スケボーと比べると乗り心地はかなり悪い方に分類されます。

長時間走るのはちょっと辛いですね・・・。

 

デメリット2.音がうるさい

走行時の音も気になります。

この音とは、ロードノイズとモーター音のこと。

残念ながらいずれも静かとは言えません。

 

まず、ウィールが硬いためロードノイズはかなり大きめです。

普通のスケボーと比べれば静かですが、電動スケボーはアベレージスピードが高いですからね。

加えてパワフルなモーターはハブモーターでありながらそこそこのモーター音を発するため、見た目とは裏腹に走行中の存在感はかなりのもの(それでもベルトドライブのBoosted Miniなどと比べれば数十倍マシですが)

プッシュしてウィールを転がすだけでもモーター音が発生するので、横を通れば電動だとすぐにバレてしまいます。

 

うーん、せっかく見た目がスマートなのに残念。

もう少し静かならもっともっと気楽に使えたのになぁ・・・。

 

デメリット3.上級者向け

お手軽そうに見えるその見た目とは裏腹に、実はあまり初心者向けの電動スケボーとは言えません。

先の乗り心地もそうですが、そもそもBackfire Miniはデッキが小さく、ロングタイプの一般的な電動スケボーと比べると直進安定性に劣ります。

加えて必然的にスタンスも狭くなるので、ハイスピードで走ろうとするとそれなりの腕が求められるわけです。

なのにそんじょそこらのミドルクラスよりハイスペックなわけですから、その性能を使い切れる人はかなり限られてくるのではないでしょうか。

 

特に気を付けたいのは前後方向の荷重。

スタンスを広げすぎてテールに荷重がかかりすぎると、不意にフロントが浮いてしまうリスクがあります。

電動スケボーは高速走行も容易なので、やはり初心者にとっては扱いの難しいボードと言えるかもしれません。

 

実際、管理人も40kmオーバーを記録したのは数える程度で、今では「まったり乗る用」と割り切って乗っています。

ハイスピードで走らないとなれば、乗り心地が悪いのも多少は大目に見れるようになりますからね(笑

しかし、これは複数の電動スケボーを持っているからこその割り切り方。

少なくともBackfire Miniだけを、しかも最初に購入した場合は結構な挫折感を味わうことになりそうです。

 

念を押しますが、他のコンパクトな電動スケボーと比べれば数倍マシですけどね。

 

小型電動スケボー Backfire Miniのメリット

上記のデメリットだけを見るととても魅力的な電動スケボーには見えませんよね(笑

でも管理人は購入から半年以上、手放すことができずにいます。

なぜか。

もちろんライバル(他の良質な小型電動スケボー)の少なさもありますが、下記のメリットも要チェックです。

 

メリット1.コンパクトゆえにお手軽に乗れる

電動スケボー Backfire Mini & MAXFIND MAX4 PRO &_R

写真手前がBackfire Mini、真ん中がMAXFINDのMAX4 PRO、奥がWINboardのSpark XRです。

比較するとよくわかりますが、かなりコンパクトですよね。

Backfire Miniの最大の魅力はこのサイズが生み出すお手軽さ。

軽量なので持ち運びも楽々です。

玄関から外に運び出すのも車に積むのも面倒くさくないので、思い立ったら即走りに行くことができます。

実際、Backfire Miniより優れたスペック、優れた乗り心地、優れた走破性を持つ電動スケボーは数多く存在しますが、このメリットがあるからなかなか手放す気になれないんですよね・・・。

 

メリット2.ロングボードタイプにはないスマートさがある

電動スケボー Backfire Mini 02_R

パッと見が普通のスケボーのようなシンプルさで、単純にかっこいいですよね。

Backfire Miniはデッキ上部からバッテリーを取り外して交換できるのですが、管理人はバッテリーを取り外す予定はないので、一体型のデッキテープを貼っています。

この一体型のデッキテープはクラウドファンディング(Indiegogo)におけるサービスの一つでしたが、普通のスケボーと同じようにデッキテープを調達してきて自分で貼ることも可能です。

 

このコンパクトな電動スケボーを乗りこなすことができれば、端から見た姿はとてもカッコいいでしょうね。

 

メリット3.テールがある

電動スケボー Backfire Mini 05_R

Backfire Miniの特徴の一つとしてあげたいのが、電動スケボーとしては珍しい「テール」があるという点。

これによりチックタックやテールマニュアルはもちろん、その気になればスペースウォークやスピンといったトリックにもチャレンジできます。

管理人にはできませんが、腕次第ではオーリーで上げることも可能かもしれません。

チックタックがしやすいということは、イコール方向転換が容易ということでもあり、これもまた気軽に乗り回せる一因となります。

Uターンも楽々♪

このテールの存在、上級者になればなるほどその恩恵を強く感じられるのではないでしょうか。

 

メリット4.普通にハイスペック

Backfire Miniの最高速度はそんじょそこらのミドルクラス電動スケボーを凌駕します。

加速も鋭く、とにかく速い。

それでいてデッキが小さいとくれば、当然乗り味はかなりエキサイティングです。

乗り心地が悪いと言ってしまえばそれまでなのですが、仮に極めてギャップの少ないフィールドを走ることができるのであれば、Backfire Miniは最高のおもちゃになるはずです。

 

もちろん、エキサイティングな乗り味とはいえ、加減速はマイルド。

操作性や加減速の特性について心配する必要はまったくありません。

この辺りは安心のBackfireブランド、といったところですね。

 

注意)小型でも一定以上のスペックは必要

小型電動スケボーを求める人の中には「スペックなんていらないよ」という人もいるかもしれませんね。

しかし、当サイトではこれまで何度も触れてきましたが、いくら安くても性能の低い電動スケボーを買うことはおすすめできません。

まず、低スペックな電動スケボーの場合、20km/h程度でもかなりの恐怖を感じることがあります。

フルスロットルで出す20km/hと、余力を残した20km/hでは違いがあるのは当然。

Backfire Miniも乗り心地が良くないとはいえ、慣れれば20km/h程度のクルージングなんてどうってことありません。

再三ですが、先述のBackfire Miniのデメリットは、あくまで一般的なミドルサイズの電動スケボーと比較した場合に感じたもの、という点に注意。

 

また、こういった低スペックモデルに多いのがシングルドライブという駆動方式を採用していること。

その名の通り左右どちらか片方のウィールしか駆動しない駆動方式で、左右両輪が駆動するデュアルドライブと比べると様々な点で劣ります。

例えば左右のターンで感覚が異なったり、加速もブレーキも一輪で担うので不安定になりやすかったり。

この点、Backfire Miniは小型電動スケボーでありながら左右両輪が駆動するデュアルドライブを採用しています。

電動スケボー Backfire Mini デュアルハブモーター_R

↑この左右のウィールそれぞれの内部にモーターが内蔵されている。

このため、他の小型電動スケボーとは比較にならないほどの操作性と安定性を誇るわけです。

 

小型電動スケボー Backfire Miniのレビュー・総評

Backfire Miniは「コンパクトだけど高性能な電動スケボーが欲しい!」というニーズに応えられる数少ない電動スケボー。

気になっていた人も多いと思います。

 

その評価ですが、悪くはありません。

が、冒頭に申し上げた通り、点数で言うと100点満点中良くて70点といったところです。

購入前の期待が大きかった分、やや満足できなかった、というのが正直な感想。

振動が気になるのが最大のネックで、使い方や場所を選ぶ1台と言えそうです。

これが日本でなく、電動スケボーが堂々と公道を走れる国であったら、チョイノリ用として活躍しそうではありますが・・・。

 

というわけで、Backfire Miniのレビューでした。

ちょっと辛口のレビューとなりましたが、コンパクトさとチョイノリへの適性は他の追随を許さないので、なんだかんだで管理人もまだ手放せないでいる1台です(笑

場所を選ぶとはいえ、やっぱりお手軽に乗れるのは良い。

少なくとも、他の小型電動スケボーを買うくらいならBackfire Miniを選んだ方が失敗は少ないと思います。

ただ、小型電動スケボーというジャンルの完成度そのものに進化の余地アリといったところでしょうか。

Backfire Mini専用の小径ラバーウィールでも出れば一気に化けそうな気もするのですが・・・。

 

やはり現状はこちらの記事↓で紹介するようなミドルサイズ以上の電動スケボーがおすすめですね。