もうすでにご存じの方も多いと思いますが、自動車メーカーのマツダが往年名車「NAロードスター」のレストアサービスの受け付けを2017年中に開始することを発表しました。
そこで、今回はNAロードスターの特徴や歴史、レストアサービスについてわかっていることをまとめてみたいと思います。
NAロードスターのレストアサービス
NAロードスターが発売されたのは1989年のこと。
もう28年も前ということですね。
そんな車が、なんとまだ23,000台も現役なのだそうです(2017年8月現在)。
同世代の車にはS13シルビアやR32スカイライン、SW20型MR-2などがあり、この頃は83年発売のハチロクもまだまだ現役だった時代です。
そんな時代の車が現代に2万台以上残っているなんて!
NAロードスターとは?
さて、NAロードスターはロードスターの初代に当たります。
このNA系は「ユーノスロードスター」という名称で販売されており、ロードスターと呼ぶよりユーノスと言った方が通じるという人もいます。
1989年9月1日に発売を開始し、翌年末までの16か月の内に10万台(!)を超える台数を販売しています。
最初の半年は5MTの設定しかなかったにも関わらず、です。
当時は今ほど車の購買意欲が冷え込んではいなかったという事情もありますが、大当たりと言われた最新のNDロードスターですらデビュー1ヶ月で5,000台ほどということを思い出せば、この数字のすごさがわかるのではないでしょうか。
1997年に生産が終了するまでの総生産台数は約43万台に上りました。
生産終了から20年経っても、20台に1台以上が現存しているなんて、やっぱりすごいですね。
初期のエンジンは1,600ccで120ps/6,500rpm、14.0kgf・m/5,500rpmを発生し、車重は950kg。
1993年のマイナーチェンジで1,800ccのエンジンに変更され、130ps/6,500rpm、16.0kgf・m/4,500rpmへと、文字通りパワーアップしていますが、ボディの補強などによって車重も990kgへと40kgも増加してしまいました。
いずれにせよスペック上は控えめではありますが、最大の長所はその乗り味と操縦性。
NAロードスターの開発コンセプトが「人馬一体」だったことは有名ですね。
そのコンセプト通り、ドライバーの意のままに操れる操縦性に多くの人が魅了されてきました。
当時はターボ車が一世を風靡しており、国内メーカーが自主規制280psのフラッグシップモデルを続々とラインナップする中、控えめなスペックで生き残ってきたロードスターには他にはない説得力があります。
FRの醍醐味を思う存分味わえるのがNAロードスターの最大の特徴であり、またその愛らしい独特な外観も、長く愛され続けている理由と言えるでしょう。
マツダのレストアサービス
レストアとは、簡単に言えば製造時期から年数が経過した車をリフレッシュさせることです。
とは言え、そのレベルは通常の修理とはワケが違い、新車時の状態に修復・復元することを目指します。
これを日本の自動車メーカーが公式にやってしまうと発表したわけですから驚きです。
< マツダのレストアサービスの志 >
マツダは、NAロードスターのレストアサービスやパーツの供給を通じて、
こよなくクルマを愛してやまない人たちと共にクルマ文化の育成に挑戦いたします。そして、それらの取り組みを通じて、
お客様との間に特別な絆を守り続けるブランドになることを目指します。また、純正パーツの供給を続けることで、
ロードスターを愛するすべての人と真摯に向き合い、
「共に走り、共に歓ぶ」ことのできるパートナーであり続けます。ーMAZDA HPより抜粋ー
年内にサービスの受付を開始し、2018年初頭より随時サービスを開始するとのことです。
まだ具体的なサービスの内容や肝心の価格、またどの地域で対応してもらえるのかなどが不明ですが、マツダに期待して続報を待ちましょう!
改めて言うのも変ですが、NAロードスターって「リトラクタブルヘッドライト」(格納式前照灯)搭載車なんですよね。
”リトラ”は現在では安全基準の問題から、新規開発・販売は困難とされていますが、このレストアサービスによって長く”リトラ”が生き続けることになります。
こうしたクラシックな風合いがきれいなまま後世に残るというのはなんだかうれしくありませんか?
まとめ
正直、日本の自動車メーカーがこういった事業に手を出したのは意外でした。
やっと日本にも真の意味で”車を大切にする文化”が生まれつつあるのではないでしょうか。
今回のマツダの決断によって、過去にNAロードスターを手放した元オーナーや、年式だけがネックと感じていた人たちが、NAロードスターを入手しようと動き出す可能性もありますよね。
実際にサービスが開始されれば中古相場が激しく変動することも予想されますので、興味がある方は早めにチェックしておくことをおすすめします。
ではまた♪