ゼブラゾーンは走行可?違反になる?右折車線に入る際の注意点とは

右折車線手前のゼブラゾーン 安全運転

例えば右折車線の手前などでよく目にする、白い縞模様のエリア。

これはゼブラゾーンといって、車両の走行を誘導するためにあります。

別名「導流帯」。

このゼブラゾーン、入ってもいいのか、走っても問題ないのか、不安に感じたことはありませんか?

また、ゼブラゾーン周辺を走行する際に注意したいこととは?

ゼブラゾーンに関するあれこれをまとめてみたので、是非参考にしてみてください。

 

結論!ゼブラゾーンを通っても違反にはならない!

道路交通法においては、ゼブラゾーンに入ること、走行することは禁止されていません。

よって罰則もありません。

 

しかし、みだらにゼブラゾーンを走るのは良くないと考えられています。

実際、ゼブラゾーンを走行中に事故を起こした場合、過失割合が加算される可能性もあります(詳しくは後述)。

ゼブラゾーン(導流帯)は「車両の安全活円滑な走行を誘導するために設けられた場所」と定められており、その趣旨からして車両が走行することが想定された場所ではなく、少なくとも公にゼブラゾーン内の走行が推奨されることはありません。

 

「立ち入り禁止部分」、「停止禁止部分」との違いに要注意!

ただし気をつけたいのが「立ち入り禁止部分」と「停止禁止部分」の2つ。

オレンジ色で囲まれた縞々のエリアはゼブラゾーンではなく「立ち入り禁止部分」。

その名の通り、ここに入ることは禁止されており、走行すると違反となります。

また、ゼブラゾーンと似ていても中央辺りで白線が途切れている標示があります。

これは「停止禁止部分」と呼ばれ、消防署の前などに設けられています。

中に入ることや通過することはできますが、文字通り停止が禁止されており、赤信号や渋滞など、いかな理由であってもエリア内に停止することが禁じられています。

 

ゼブラゾーンって何のためにあるの?目的は?

ゼブラゾーンはその位置を走行させないためのものではありません。

既に2回も触れましたが、ゼブラゾーンは車両の走行を誘導するためにあるもので、別名「導流帯」。

つまり、よく見る右折車線の前にあるゼブラゾーンであれば、「直進車が誤って右折車線に入ってしまうことを防ぐことが目的」と言えます。

誤って右折車線に入ってしまった車が直進車線に戻ろうとした場合、その危険性は説明するまでもありませんよね。

直進車線に戻ろうとするのが危険となれば、誤って右折車線に入った車はもう右に曲がるしかありません。強制右プレイ。

ゼブラゾーンがある交差点では、このおかげでこういった被害(?)が未然に防がれているわけです。

 

右折車線の手前にゼブラゾーンがあったら注意が必要

しかし、右折車線の前にゼブラゾーンがあると「右折車線に入ろうとする車同士が接触するリスク」が生じます。

非常に怖いのは、ゼブラゾーンを通る人と避ける人がいるという現状。

特に「ゼブラゾーンを通るのは違法(絶対にいけない)」と認識している人は危険をはらんでおり、後続車がゼブラゾーンを走って右折車線に入ろうとする可能性を考えていないパターンもあり得ます。

典型的な「だろう運転」になりがち。

もちろん、「ゼブラゾーンは通行可」とわかっていてもゼブラゾーンを避ける人もいるでしょう。

そういった人は先述のパターンとは比べ物にならないほど安全ですが、しかしそれでも一つ注意しないといけないことがあります。

それはゼブラゾーン走る派の後続車に追い越しをかけられてしまう可能性(この場合追い越しなのか追い抜きなのかよくわかりませんが)

前走車がゼブラゾーンを避けたタイミングで後続車がスピードを上げてゼブラゾーンに進入すると、前走者が右折レーンに入る隙間がなくなったり、接触事故のリスクが生じたりします。

 

そこで重要になるのがウインカーのタイミング。

ゼブラゾーンを避ける人も、ゼブラゾーンを走る人も、早めにウインカーを出して意思表示することで、これらの思い込みによる接触のリスクを大幅に軽減することが可能です。

 

右折車線手前のゼブラゾーンは走るべき?避けるべき?

現時点ではゼブラゾーンを走る人と走らない人、2種類のドライバーが存在します。

先述の通り、右折車線手前においてはちょっとしたリスクを抱えた状態です。

ゼブラゾーンを通ること自体は違法ではありません。

しかし、「ゼブラゾーンを走るべき」とは、もともとの趣旨を考えると言えません。

もともと走行が想定された場所ではないということは、やはり頭に入れておくべきでしょう。

本来であればゼブラゾーンはみだりに通過しないのが良いとされており、どんなにゼブラゾーンを走行した方が安全でも、その場で警察官に指導されることがあれば是正せざるを得ません。

 

しかし、そのうえで敢えて言いますが、個人的にはゼブラゾーンを走った方が交通の流れがスムーズになるのではないかと感じるシーンも多々あるように感じます。

例えばゼブラゾーンの先の右折車線が詰まっている場合。

ゼブラゾーンを避けた右折車は直進車線で停止することになりかねません。

これは後続の直進車にとっては邪魔ですし、スピードが出る大きな道であればなおさら危険です。

右折車線が詰まっていなくても、ゼブラゾーンを避ける際に大きく減速すれば、後続の直進車にブレーキを踏ませてしまうかもしれません。

また、中にはゼブラゾーンを避けるためにハンドルを左に切る必要がある交差点も存在します。

「直進車が誤って右折車線に入ってしまうことを防ぐ」という、ゼブラゾーンの真価が発揮されているケースです。

しかし、シンプルな話ですが右折をするために左にハンドルを切るなんてムダですよね。

車の動きが大きくなる分リスクも増えます。

極端なケースで言えば、片側二車線の道で、右車線が右折車線に切り替わり、左車線のみが直進車線となる場合、その手前で右車線にゼブラゾーンが設けられることがあります。

この場合、右車線を走っていて右折したい車も、ゼブラゾーンを避けて一度左車線に入った方が良いのでしょうか。

個人的には右車線を走ったままの方が(ゼブラゾーンを走った方が)安全な気がしますが・・・。

 

要注意!ゼブラゾーンを走行中に事故を起こすと過失割合が加算される可能性も!

ただし、ゼブラゾーンを走ってむやみに前走車と横並びになったり、追い越してしまうことは絶対に避けなければなりません。

万が一前走車がウインカーをつけずに右折してきたら危険ですし、実際に「右折車線に入るためのウインカー」を出さない車は頻繁に目にします(これもNGなのですが)

 

また、事故が起こった際はそもそもが後続車なので元々の過失も大きくなりがちなことに加え、ゼブラゾーンを通行していた場合は過失割合が10~20%上乗せされる可能性もあります。

これは、これまで説明してきたように「ゼブラゾーンにみだりに進入すべきではないという考え方が一般的だから」と言われています。

とはいえ、先述の通り早めにウインカーを出したり、むやみに車間を詰めなければ、ゼブラゾーンを走ったからといってそうそう事故のリスクは上がらないでしょう。

いえ、正確にはリスクが上がらないというより「自分でリスクをコントロール下におくことができる」と言った方が正しいかも・・・。

 

ゼブラゾーンを避けると安全も危険も後続車次第になりがち!

逆に、自車がゼブラゾーンを避け、後続車がゼブラゾーンを走って車間を詰めてきた場合、これは結構困ったことになります。

強引に進路変更を開始するのが危険となれば自分ではどうしようもなく、ただただ後続車が譲ってくれることを期待するしかありません。

「安全と事故のリスクの大部分を後続車にゆだねるかたち」と言えます。

これも早めにウインカーをつけていれば起きにくい話ではありますが、やはり右折車線手前においては、ゼブラゾーンを走った方が自分でリスクをコントロールできるように思えてなりません。

他人任せの安全って怖いですよね。

 

ただし、ここまでの「ゼブラゾーンを走った方が安全」とする考えは、「確実に対向車が進入してこないゼブラゾーンに限った話」であることを補足させていただきます。

次に出てくるようなゼブラゾーンの存在を知れば、「絶対にゼブラゾーンは走らない方が良い」という意見があることも納得していただけるはずです。

 

一番気を付けたいゼブラゾーン

ゼブラゾーン01

もっとも気を付けたいのは画像のようなゼブラゾーンです。

右折車線に入るためにこのようなゼブラゾーンを走行するのは危険です。

なぜなら、対向車線にも同じ考えの車がいるかもしれないから。

このゼブラゾーンには正面衝突の危険が潜んでいるわけです。

こういったことを考えると、先述のような簡単な話ではないことがわかりますね。

 

ゼブラゾーンがあるのは右折車線の手前だけじゃない

ここまでは右折車線の手前にあるゼブラゾーンを前提としていましたが、中には直線の中央辺りにゼブラゾーンが設けられた道もあります(そのまま右折車線の手前まで続くケースも多い)

これらはわざと車線を狭くすることで路駐を防ぐ効果が期待できるそうです。

道交法においてゼブラゾーンに入ることや走行することが違反にならないとはいえ、直線を走行する際はわざわざゼブラゾーンに入る必要はないはずですから、これは避けたいところ。

もしかするとゼブラゾーンに道路を横断中の歩行者がいるかもしれませんし、やむなく停車された故障車があるかもしれません。

反対車線の車が追い越しをかけてきたら正面衝突の危険もあります。

 

しかし、こういった直線におけるゼブラゾーンでは、是非有効活用してもらいたいシーンもあります。

それは、右折で反対車線側の店舗や駐車場などに入る場合。

こういった場合はゼブラゾーンに入る形で目いっぱい右側に寄り、後続の直進車の流れを妨げないように配慮したいところ。

右左折の際は内側に寄る。

これはゼブラゾーンの有無に関わらず、公道走行時は徹底したいポイントです。

 

まとめ│ゼブラゾーンがあったら周りの動きに注意すべし!

今回はどちらかといえばゼブラゾーンを走ることに肯定的な考えを書かせてもらいましたが、先述の通りゼブラゾーンはもともと走行が想定された場所ではないため、「ゼブラゾーンを走るべき」とは、口が裂けても言えません。

「どちらが安全か」はケースバイケースですし、そもそもゼブラゾーンを走ること、走らないことのどちらが正しいかを議論することはあまり重要ではないとも思います。

一番重要なことは、どちらの立場であっても周囲の車にしっかりと右折車線に入るという意思表示をすること。

加えて「ゼブラゾーンの周りでは周囲の車が予想外の動きをするかもしれない」と頭に入れておくこと。

「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」ですね。

これができれば、右折車線に入るタイミングが異なっても接触のリスクは大幅に軽減できます。

ゼブラゾーンを見かけた際は前後の車に注意しつつ、早めのウインカーを心がけてみてください。