バッテリーあがり。
長くバイクに乗っていれば一度は経験することになるであろうメジャーな症状ですね。
しかしその影響は大きく、今やほとんどのバイクはバッテリーがあがるとエンジンをかけることができません。
こうなると途端にバイクがお荷物に感じられるから不思議です。
できることならすぐにでも元に戻して、また快適なバイクライフを満喫したいですよね。
実は管理人もVTRを2ヶ月くらい放置したらバッテリーがあがってしまい、最近ネットでバッテリーを購入して交換したところです。
ついでに写真を撮ったので、せっかくならということで記事にまとめてみたいと思います。
また、今回はバッテリー交換とセットで行われる時計の合わせ方や、エンジン始動後の注意点などもまとめてみました。
バッテリーあがりに困っていたら是非参考にしてみてください。
バッテリーがあがった際のメジャーな対処方法は2つ
バッテリーがあがった場合、再びエンジンを始動させるには主に2つの方法があります。
一つは他車とブースターケーブルでつなぎ、ジャンピングスタートで無理やり始動させる方法。
これは自動車のバッテリーあがりの際にもっとも多く使われる対処法ですね。
この方法のメリットは、ブースターケーブルと接続可能な他車さえあれば、すぐさまエンジンがかけられるという点。
そのまま自走でバイク屋などに持ち込み、バッテリー交換を依頼することも可能です。
デメリットはケーブルと他車がないとダメな点。
↑一応こんなものもあって、これなら他車を用意しなくても単独で復旧可能ですが、それこそ新品のバッテリーを買った方が早いですね。
自動車のバッテリーがあがっても使えるので、予め用意しておけば、いざというときに便利ではありますが。
もう一つは自分でバッテリーを交換してしまう方法。
メリットは低コストかつ単体で復旧できる点。
デメリットはバッテリーが届くまでに日数がかかる点と、廃バッテリーを自分で処理する必要がある点。
例えばバイクが唯一の足ということであれば、悠長にバッテリーが届くのを待つのは難しいかもしれません。
しかし、それ以外の場合は自分でバッテリーを交換した方が低コストで済みます。
下手するとカー用品店などでブースターケーブルを買うより、ネットで互換品の激安バッテリーを買った方が出費も少なくて済みます。
特に一部のスクーターを除いてバイクのバッテリー交換は比較的簡単に行えますので、是非自分でチャレンジしてみたいところですね。
※廃バッテリーの処分方法については後述します。
自分でバッテリー交換をするなら激安の互換品がおすすめ
引用元:バイクパーツセンター YTZ-7Sユアサ互換 シールド型 液入充電済 バイク用高性能バッテリー CTZ-7S(楽天市場)
結論から言うと、Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングなどの通販サイトで買える互換品が割安でおすすめです。
車種(バッテリーの型式)にもよりますが、純正品の1/4程度の価格で購入できることも少なくありません。
今回VTR250用に購入したのはこちら↓
左が純正バッテリーで右が今回購入した互換品。
大枠の形状や端子の位置などは共通です。
同等品を他車種でも使ったことがありますが、純正品との違いは全くと言って良いほど感じられませんし、よほど放置しなければ2~3年は余裕で持ちます。
むしろ純正品でも冬に放置すればバッテリーがあがるリスクがあることを考えると、この価格なら仮に毎年新品に買い替えたとしても純正品より低コストで済む可能性が大いにあります。
VTR250のバッテリー交換方法
具体的な交換手順を説明します。
今回はVTR250(2017)を例に挙げますが、他車でも基本的な流れや注意点は変わりません。
VTR以外でも説明書を見れば誰でもバッテリーにたどり着けるはず。
VTRの場合、必要な工具はプラスドライバー1本だけです。簡単。
事前に確認しておくこと
そもそも、「エンジンがかからない理由がバッテリーあがりかどうか」は、わかる範囲でチェックしておきたいところ。
次を参考に判断してみてください。
- ライト類が点かない→バッテリー切れ
- ライト類が点くが、セルを押すと「ジジジ・・・(ギギギ・・・)」といった異音がしてかからない→バッテリー切れ
- ライト類が点くが、セルを回してもうんともすんとも言わない→キルスイッチを要チェック
- ライト類が点き、セルを回すと正常な音がするがかからない→プラグがかぶっているかも?
特に「さっきまで走れていたのに急にエンジンがかからなくなった」という場合は「かぶり」を疑うといいかも。
時間をおいてもう一度試してみる価値はあります。
インジェクション車の場合は転倒などによって角度センサーが働き、再始動しなくなるケースもあり得ます。
この場合はキーとキルスイッチ(ハンドル周りにある赤いスイッチ)を一度オフにしてから再始動を試みてください。
そうでなくても、少なくともキルスイッチがオンになっているかどうかはチェックしておきたいですね。
また、明らかに超長期間放置された車両の場合、例えば「ガソリン劣化してが使い物にならない」など、予期せぬ不具合が併発してる可能性もあります。
この場合もバッテリー交換で自走できるかトライする価値はありますが、早めに専門家に視てもらうことをおすすめします。
また、バッテリーがあがってエンジンがかからなくなっても、トリップメーターや時計などのメモリが生きていることはよくあります。
この場合、バッテリー交換をするとこれらの数値が完全にリセットされてしまいますので、もしガソリン残量やオイル交換時期などをトリップメーターで管理していた場合は事前にメモしておくことをおすすめします。
これらが確認できたら、いよいよ具体的な交換作業に入りましょう。
作業といっても、ものすごく簡単なのでご心配なく。
作業1.シートの取り外し
VTR250のバッテリーはシートの下に固定されています。
他のバイクもだいたい同じ。
シートを取り外すにはヘルメットホルダーの鍵を開錠した状態で写真の位置(メットホルダーの裏)のレバーを引っ張ります。
すると「ガコン」という音と共にシートのロックが解除されるので、あとは写真のように持ち上げるだけ。
シートを取り外すともうバッテリーが見えます。
作業2.旧バッテリーの取り外し
バッテリーはゴムバンドで固定されています。
両端がフックに引っかかっているだけなので、工具なしで取り外すことが可能。
次に「プラスドライバー」を使って端子を取り外します。
外すときは必ずマイナスから!
端子が外れたら、あとはバッテリー本体を持ち上げるだけで取り外せます。
周りの樹脂パーツを破損しないように、できるだけ真っ直ぐに持ち上げましょう。
作業3.新バッテリーの取り付け
あとは同じ形状の新バッテリーをはめ込み、先ほどの逆の順序で端子を取り付けます。
つなぐときはプラスから!
バッテリーと配線は専用のボルトとナットで接続します。
新しいバッテリーに新品が付属しているはずなので、それを使いましょう。
交換後の古いバッテリーの処分方法
実はバッテリーには人体や環境に有害な材料が用いられており、一般的なゴミと同じように気軽に処分することはできません。
基本的には専門の業者に回収してもらう必要があります。
これが自分でバッテリー交換する際の最大のデメリットと言えるかもしれませんね。
専門の業者とは、例えばホームセンターやガソリンスタンド、カー用品店などの回収サービス、不用品回収業者や廃棄物回収業者などが挙げられます。
カー用品店などでも、聞いてみると案外すんなりOKをもらえたりします。
「そのお店で買ったわけでもないのにちょっと心苦しい」、「料金を請求されるのが怖い」という人は、まずは行きつけのガソリンスタンドに聞いてみるのが良いかもしれません。
案外無料で引き受けてくれるガソリンスタンドは多いので、行きつけのスタンドがダメだった場合、片っ端から問い合わせてみるのも手です。
ガソリンスタンドなら回収を依頼する際に給油というサービスを利用することができるので、多少は申し訳ないという気持ちも減るかも?
VTR250の時計の合わせ方
交換のために一度バッテリーを外すと時計がリセットされます。
VTR250の時間設定の方法は次の通り。
- キーを回して電源を入れる(エンジンはかけなくてもOK)
- メーター下の2つのボタンを同時押し
- 時計が点滅
- 左のボタンで「時」、右のボタンで「分」を変更
- キーを戻して(電源オフにして)決定
他車種の場合は取説をご参照ください。
放置によるバッテリーあがりから復旧したら要チェック!
しばらく放置したことが原因でバッテリーがあがった場合、劣化したいるのはバッテリーだけではないかもしれません。
少なくとも「ガソリン」と「空気圧」の二つは要チェック。
エンジンがかかったら、早めにガソリンの給油を検討したいところ。
ガソリンは時間が経つと劣化し、本来の性能を発揮できなくなるどころか、最悪バイクの不調の原因となりかねません。
フレッシュなガソリンを補充すれば多少は希釈されるはずなので、早めに給油しておきたいですね。
その後も次の給油まではトルクの抜けに注意しつつ、おとなしめに運転しましょう。
なお、一般的には「タンク内のガソリンは半年程度はもつ」と言われています。
それ以上経っている場合はバイク屋などの専門家に相談した方が良いかもしれませんね。
(ちなみに管理人は1年以上放置したスクーター&ガソリンで走ったことがありますが、その際は何のトラブルも起きませんでした。この辺りは個体差や感じ方の個人差があると思われますので自己責任でお願いします。)
ガソリンスタンドに入ったら同時にチェックしておきたいのがタイヤの空気圧。
バッテリーがあがるほど放置されていたのであれば、当然タイヤの空気圧も下がっているはず。
特にバイクは空気圧で乗り味が大きく変わる乗り物なので要注意です。
本当なら走る前にチェックしたいところですが、目で見てベコベコでなければ、慎重に運転すれば近所のガソリンスタンドくらいまでは走れると思います。この辺りも自己責任で。
また、バイクに乗ること自体が久しぶりであれば、当然無理な運転はしないように。
まずはバイク、乗り手ともに「慣らし」を意識してみましょう。
なぜバッテリーはあがるの?バッテリーあがりを防止する方法は?
そもそもバッテリーをあがらせないように日ごろから注意しておけば、不意のバッテリーあがりであわてるリスクは激減します。
バッテリーがあがるのは、バイクに乗らない間、すなわちライトの点灯などに電気を使わない間も、自然放電によって少しずつバッテリー残量が減るためです。
こうならないために、バイクや自動車のバッテリーはエンジンがかかっている間に充電されるようにできています。
ところが、バッテリー残量自体が極端に少なくなると、充電するためのエンジンを始動すること自体ができなくなってしまうわけです。
ところで、実はあがってしまったバッテリーも充電し直せば再び使用できる可能性があります。
とはいえ、過放電が続くとバッテリーは急速に劣化が進み、満充電状態でも対して電気を作れなくなってしまいます。
「またすぐにダメになるバッテリーでは意味がない」と言ったら言い過ぎですが、先述のように安い互換品があることを考えると新品に交換した方が無難でしょう。
バッテリーあがりの防止方法は主に2つ
一つは定期的に車を動かすこと。
先述の通り、エンジンを動かせばバッテリーは充電されますから、定期的にこれを繰り返せばバッテリー残量を一定以上にキープできます。
もう一つはバッテリーを外してしまうこと。
バッテリーをバイクと切り離せば、自然放電の量が減り、より長持ちします。
冬場などに長期間乗らないことが確定している場合に有効な方法です。
外す際はマイナス側の端子だけ外しておけばOK。
ただし、これらの対策にも限界はあります。
そもそもバッテリーは経年劣化をする消耗品。
いずれは必ず交換しなければならないので、例えばエンジンのかかりが悪くなってきたり、ライト類が力強さを失ってきたりといった不調が感じられるようであれば、いっそ早めに新しいバッテリーに交換してしまうのが賢いのかもしれませんね。
まとめ│バッテリー交換は超簡単!エンジンがかかればワクワクすること間違いなし!
バッテリーがあがってしまった場合、復旧させたときに、なぜか新鮮な気持ちでバイクに乗ることができます。
動かないとお荷物に感じてしまうバイクですが、動くとなるとまたいろいろと走り回りたくなってしまうんですよね。
また、仮にすでにバイクの売却を考えている場合であっても、バッテリーを交換することは強くおすすめします。
というのも、査定においてはバッテリーが上がった状態だと不動車扱いとなり、大幅に減額されるリスクがあるからです。
今回のように3,000円未満で互換品を手に入れれば、その査定額の差で十分元を取ることが可能です(もちろん不動の原因がバッテリーあがりなら、ですよ)。
バッテリー交換自体は、バイクに詳しくなくてもたった10分かそこらで簡単に行えるはずですので、是非気軽にチャレンジしてみてください。