雨の日の運転っていろいろと気を使いますよね。
普段と同じ感覚で運転してしまったせいでヒヤっとした経験がある人も少なくないんじゃないかと思います。
今回はそんな雨の日の運転で注意したいことや、更には路面がウェットの状態でスポーツ走行をする際の注意点まで考えてみたいと思います。
雨の日の運転は危険がいっぱい!
雨の日の道にはどんな危険が潜んでいるのでしょうか。
雨の日の運転はどんなことに気を付けたらいいのでしょうか。
また具体的にどのように気を付けたら良いのでしょうか。
一つずつ順番に見ていきましょう。
視界不良
公道においては、雨が降った時に最も厄介な問題は視界が悪くなるということです。
ワイパーを使っていても、どうしても晴れの日と比べると周囲の様子が見えにくく感じますよね。
他の車や歩行者が見えにくいため、近づくまで発見できずにそのままぶつかってしまうということもあり得る話です。
一時停止の白線や標識なども見えにくくなりますし、場合によっては車線を仕切る線も反射で見えなくなることがあります。
このように自分から周りが見えないだけでも危険がいっぱいあります。
視界が悪ければ安全第一を考え、十分に車速を落として走るのが上手なドライビングと言えるでしょう。
逆に他の車や歩行者からもこちらを視認しにくくなっている点にも気を付けなければいけません。
相手からぶつけられないためにも、少しでも視界不良を感じたらスモールランプを点灯させるなどして早めに気付いてもらえるように努力することも考えましょう。
他にも対向車の跳ねた水がフロントガラスに大量にかかって驚いたという経験をお持ちの方も多いと思います。
周りに大きな車がいる際はそういった事態に慌てないよう、あらかじめ心構えができていると良いですね。
これらの雨の日の視界不良は、フロントガラスに撥水コートをすることである程度改善が見られます。
逆に親水コートを好むドライバーもいますが、撥水の方がややお手軽でしょうか。
いずれにせよ雨の日にも前方が確認しやすいという点は非常に重要です。
また雨の日はどうしてもガラスが曇りやすくなります。
エアコンやデフロスターなどを使い、曇り出したら早めに解消することを心掛けましょう。
タイヤが滑りやすくなる
雨が降ると路面の摩擦係数が低下し、タイヤが滑りやすくなくなります。
そのため、晴れているときと同じ感覚で勢いよくブレーキをかけたり思い切りハンドルを切って曲がろうとするとスリップしてしまう可能性があり、大変危険です。
同じ理由で急加速をすると駆動輪が空転してしまうこともあります。
また、一番気を付けたいのが制動距離の変化です。
タイヤが滑りやすいということは、当然ブレーキの効きも悪くなります。
特に公道ではつい晴れの日と同じスピードで巡航しがちですから、スピードを控えること、早めに減速を開始することを心掛ける必要があります。
更に車間を大きく取ることも徹底しましょう。
またマンホールや道路のつなぎ目などの金属、白線の上などは、雨が降ると路面以上に急激に摩擦係数が低下します。
自転車やバイクの場合は転倒の原因にもなり大変危険です。
もちろん車でも挙動が乱れたりそのままコントロールを失う原因にもなりやすいので、雨の日はなるべくこれらの上を走らないように注意しましょう。
ハイドロプレーニング現象
図1.ハイドロプレーニング現象のイメージ(タイヤと路面が接していない)
ハイドロプレーニング現象とは、溜まった水の上を走行した際にタイヤと路面の間に水の層ができ、路面に対して何の入力もできなくなる現象です。
アクアプレーニング現象とも呼ばれることがあります。
特に大きな水たまりの上に差し掛かった場合や、高速道路などで高い速度で走行している際に起こりやすい現象です。
この最中はハンドル操作もブレーキ操作も何も効かなくなります。
しかし、いずれ車速が落ちれば再びタイヤと路面が接触するときがやってきます。
そのときにハンドルが切られていたりすると、グリップが回復した途端に車の挙動が乱れ、一気にスピンしてしまう危険性があります。
このようにハイドロプレーニング現象は大変危険ですので、普段から雨が降ったら水たまりを避けたり、スピードを抑えて走ることを意識しましょう。
万が一この現象に見舞われたら、自然と車速が落ちてタイヤと路面が接するのを待つほかありません。
まずは落ち着いて、急な動作をしないように心がけましょう。
また、意外なことに雪道や凍結路に強い「スタッドレスタイヤ」は濡れた路面の走行が得意ではなく、ノーマルタイヤよりもハイドロプレーニング現象を起こしやすいと言われています。
冬季は特に注意したいですね。
スポーツ走行をする上での注意点
スポーツ走行をする上では、路面の摩擦係数が低い分、より繊細な操作が必要と言えます。
特にコーナリングにおいてはドライのときより車が踏ん張れなくなるため、オーバーステアもアンダーステアもより顕著に生じやすくなります。
とはいえ、路面の摩擦が少なければ自然と加速も鈍り、トップスピードも落ちるため、トップドライバーの中には「雨が降っても大きくは変わらない」と言う人もいます。
確かにタイヤ(のグリップ)の限界を探りながら走るという意味では、どこを走ろうが、どんな条件で走ろうがあまり違いはないのかもしれません。
雨の日は自分だけでなく、当然他車のペースも落ちますので、ワンランク下のタイヤに履き替えただけだと考えれば気持ちも少し楽になるかもしれませんね。
とはいえ、雨の危険性はグリップへの影響だけではありません。
前走車の水しぶきで視界も悪くなりますし、水の溜まり具合によっては路面の摩擦係数に差がある場合もあるかもしれません。
またレコードライン上は多くの車が走るため水捌けが良いのですが、レコードラインを一歩外れると途端に滑りやすくなるため、特に雨の降り始めや止んだ直後などは注意が必要です。
まとめ
さて、今回は雨の日に注意したい点と、その対策を簡単にまとめてみました。
改めて雨の日の注意点をおさらいしましょう。
- 自他共に視界が悪くなるため、不意のアクシデントに備えて低速で慎重に走ること。
- 撥水スプレーなどで視界の改善を試みたりライトをつけるなどして、内外からの視認性を上げること。
- 路面が滑りやすくブレーキの効きが甘くなるため、普段より早めの減速を心がけること。
- ハイドロプレーニング現象を起こさないように高速走行や水たまりの上を走ることを避け、もし発生した場合は慌ててハンドルを切ったりせずにタイヤがグリップするのを待つこと。
- 路面が滑りやすいため普段以上に急な操作はせず、アクセル、ブレーキ、ステアリングの操作は慎重に行うこと。
普段から注意深く運転している人にとっては当たり前と感じることばかりかもしれませんね。
特に、滑らないための繊細な操作は、スポーツ走行をする上では路面がドライでも意識したいポイントと言えます。
雨が降ったり路面が濡れていたらいつも以上に慎重に運転することを心がけ、事故を起こさないように気を付けましょう。
終わり。