最近ミドルクラスの電動スケボーが相次いで国内投入されていることをご存知ですか?
選択肢が増えるとそれぞれの個性が際立つようになり、自分に合った1台を探しやすくなりますね。
しかしこれは、何を重視するかによって最適な答えが変わってくるということでもあります。
別記事でもお伝えしましたが、既に数値的なスペックだけを見て電動スケボーを選ぶのはもはや危険です。
そんな中ちょっと特殊な売り出し方で注目を集めているのが「Maxfind MAX4」という最新モデル。
2019年モデルとして高いスペックを持つのはもちろん、なんと予備バッテリーが付属するんです。
知れば知るほどお買い得なので、少なくとも2019年現在の電動スケボーにおいて有力な選択肢であることは間違いありません。
そんな気になる電動スケボー「Maxfind MAX4」を入手しましたので、早速レビューしてみたいと思います。
電動スケボーMaxfind MAX4のスペックや基本情報
MAX4はMaxfindというブランドの最新型電動スケボーです。
実はMaxfindというブランド自体は数年前からAmazon等でも目にすることができましたが、正直に言ってこれまではスペック的にイマイチという印象が強かったんですよね(MAX Cなど)。
しかし、今回のMAX4は過去のモデルとは明らかに別物で、しっかりと最新の電動スケボーにふさわしい性能を実現しています。
まずはそのスペックをチェックしてみましょう。
- 最高速:38km/h
- 航続可能距離:~20km×2(予備バッテリー有)
- 重量約:7.6kg
- ウィール直径:90mm
- サイズ:970mm×270mm×130mm
- トレッド:270mm
- 登坂能力:30%(16.7度)
- 耐荷重:100kg
- 防塵防水:IP65
搭載されるデュアルハブモーターは定格出力750W×2で、最高出力は1000W×2にも及びます。
最高速度は公式ページでは24Mph(38km/h)とありますが、同梱されるメーカーの取説には42km/hとあります。
実際に体重や風向きなどの条件次第では国内販売店が記載する42km/hでの走行も可能ですが、結構条件は絞られる印象。
とはいえ、最高速度40km/hオーバー、航続可能距離20kmオーバーは2019年現在も十分高性能と言えます。
詳しくは後ほどライバルモデルと比較。
防塵防水性能は取説にはIP65とあります。
これは「粉塵が中に入らない」こと、及び「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」ことを満たす保護等級であることを表します。
要するに「塵や水によって動作や安全性が影響を受ける可能性はほとんどない」ということ。
実際に雨上がりの濡れた路面を走行しましたが、動作に問題がないどころか汚れもほとんどつきませんでした。
背面のカーボン調の処理が一役買っているのでしょうか。見た目もシンプルでクールです。
梱包とセット内容もチェック。
これまで購入してきた電動スケボーの中でも一番しっかりとした梱包かもしれません。
この時点で管理人の中のブランドイメージはかなり良くなりました。
予備バッテリーが目立ちますが、これを除けば付属品は最小限ですね。
とはいえ、取説、リモコン、充電器、Tツール、トルクスレンチなど、必要なものは全て揃っています。
リモコンはBackfire G2sなどで採用されていたシンプルなタイプですが、モニターがあっても走行中はほとんど見ないので、個人的には全然問題なし。
むしろシンプルゆえに操作ミスをしにくいんですよね、コレ。
最近の派手派手なリモコンのような変な突起もなく、ポケットにも収まるサイズ感が良い感じです。
上のボタンが電源ボタン、下のボタンがスピードモードの変更ボタン。
スピードモードはハイ、ミディアム、ローの3種類から選べます。
慣れてくればハイスピードモードしか使わなくなりますが、初心者にとっては安心の機能ですね。
電源ONの状態で更に電源ボタンを押すと、ボード側のおおよそのバッテリー残量を確認できます。
側面には前進後退の切り替えレバーもあります。
最大のトピックは、やはり予備バッテリーが付属すること。
これにより従来の電動スケボーより長時間遊ぶことが可能です。
詳細は後述しますが、これだけでもかなりお買い得な1台だと思います。
電動スケボーMaxfind MAX4とBackfire G2tを比較【2019モデル】
今回は比較対象として同じくデュアルハブモーター仕様で2019年モデルの「Backfire G2t」をチョイス。
奥がMAX4、手前がG2tです。
MAX4の方が丸みを帯びていてスマートな印象を受けます。
先端の三角形は進行方向を表します。
細かいところですが、「maxfind」の文字は進行方向から始まってほしかった(笑
改めてスペックを比較してみましょう。
外観 | ||
名称 | Maxfind MAX4 | Backfire G2t |
最高速度 | 42km/h | ターボモード使用時45km/h (通常40km/h) |
航続可能距離 | ~20km×2 (予備バッテリー有) | ~25km |
重量 | 約7.6kg | 約6.5kg |
ウィールサイズ | 90mm | 83mm or 96mm |
デッキサイズ | 970×270×130(mm) | 940×275×110(mm) |
トラック幅 | 270mm | 275mm |
充電時間(0%→100%充電時) | 約2時間(×2) | 約2.5時間 |
登坂性能 | 30%(16.7度) | 25%(14度) |
最大荷重 | 100kg | 120kg |
価格 |
最高速度はいずれも実測値。
ご覧の通り、MAX4のスペックは2019年モデルとして十分高性能と言えるものであることがわかります。
手前がMAX4で奥がG2t。
デッキのサイズや高さは数値的にはMAX4が一回り上ですが、実機で見るとほとんど違いがわかりません。
MAX4は90mmのウィールを装着。
G2tの96mmウィールよりわずかに小径ですが、実際の乗り心地はMAX4の方が良いように感じられます。
これは恐らくウィールの硬さが原因でしょう。
MAX4の90mmウィールの方がソフト(78A相当の高耐久ウィール)な分、路面のショックを吸収しやすく乗り心地が良く感じれられるのだと思います。
G2tには83mmウィールと96mmウィールの2種類が同梱されるので2通りの乗り味を楽しめるというメリットがありますが、「ウィールの交換なんて面倒くさい!バランスの良いウィールが一つあれば十分!」ということであれば、これはなかなかおすすめできます。
ハブモータータイプの電動スケボーは基本的に純正ウィール以外装着できないため、ウィールが良いというのは実はかなり高評価できるポイントです。
その他の乗り味について、G2tのものと比較しながら触れていきたいと思います。
操作性
MAX4に乗って、まず真っ先に感じたのが操作性が良いということ。
Backfire G2tと比べてもほとんど差が感じられません。
特に20~30km/h付近のクルージングが快適そのもの。
ホイールベースが長いせいか直進安定性が高く最高速付近で走ってもあまり怖くありませんが、中~低速走行は更に良いですね。
余裕があって、カービングも楽しみやすい味付けです。
実際に電動スケボーで40km/hを出し続けるようなシチュエーションは稀なので、この味付けはかなり好印象。
正直操作性の高さはうれしい誤算で、良い意味で裏切られました。
もちろんキングピンナットの締め具合を調節することで乗り味を変えることも可能です。
ここで注意したいのが、「40km/hなんて要らないから安い最高速度30km/hの電動スケボーでいいや」などとは考えてはいけないということです。
最高速度30km/hの電動スケボーで出す30km/hと、最高速度40km/hオーバーの電動スケボーで出す30km/hは全くの別物です。
MAX4なら30km/hでもかなりの余力があり、操作性は抜群。
それでいて更に高価な電動スケボーと同等かそれ以上のクルージングの快適さ。
低スペックな電動スケボーではこうはいきません。
加減速
引用元:電動スケボー Maxfind MAX4(Yahoo!ショッピング)
予想外だったのは加速の良さです。
坂道もグイグイ登っていきますし、ハブモータータイプであることを考えるとかなり優秀。
ハブモーターはベルト駆動よりも静かでプッシュもできるというメリットがありますが、反面トルク面では劣るのが一般的です。
しかしMAX4のパワフルさはかなりのもので、少なくともBackfire G2tの先代、G2sやその世代の電動スケボー(例えばTeamgee H9やKoowheel 2G、WowGo 2Sなど)とは比べ物にならないほどトルクフル。
これまで国内販売されるハブモータータイプの電動スケボーにおいては、加速力を求めるならG2t一択と思っていましたが、状況が変わってきましたね。
やはり数値的なスペックよりもこういった扱いやすさの方がどんどん進化しています。
この辺りは実際に試乗したり乗り比べてみないとわからないところですが、MAX4は十分におすすめできるレベルです。
もちろん急加速や急減速といった挙動もないので操作しやすいですし、操作と動作のラグもありません。
安心して加減速できるのでスピードの調整はかなりやりやすく、操作性の良さも相まって意のままに操れる感覚を味わえます。
ソフトなウィールはグリップも高いため、減速も安心感がありますね。
純粋な加速力はターボモードを持つG2tに軍配が上がりますが、減速面ではMAX4の方が安心できるので、これは好みで選んでOKだと思います。
いずれにせよ世界的にはこういった安全性を重視したトルクフルな味付けがトレンドで、このMAX4もその流れにしっかりと乗っています。
予備バッテリー同梱の電動スケボーMaxfind MAX4は長時間遊べてお買い得!
国内仕様のMAX4を語る上で欠かせないのが予備バッテリーの存在。
バッテリー一つで約20kmもの走行が可能ですが、バッテリー交換をすることでこの倍の距離を走ることができます。
ノンストップで時速20kmのクルージングをしても、バッテリー交換を挟んで計2時間近くも走り続けられる計算です。
この価格帯でここまで走れる電動スケボーは今のところ存在しません。
価格といえば、MAX4の国内販売価格は89,800円(2019年9月現在│Yahoo!ショッピング)。
これは先に比較したBackfire G2tと同価格です(2019年9月現在)。
しかしMAX4には予備バッテリーがついているため、何台も買うのでなければMAX4の方が圧倒的にお買い得です。
一般的にバッテリー自体が単体で10,000円を超える高価なパーツですからね。
予備バッテリーは「バッテリー残量」という縛りから解放してくれる超重要アイテムです。
これまでリモコンに表示されるアバウトなバッテリー残量に怯えながら遊んでいた人も、奥の手を隠し持っている感じが心に余裕を生みます。
この安心感は次世代の大容量バッテリーのモデルが登場しても、そうそう覆せるものではないでしょう。
ちなみに予備バッテリーの重さは実測で1,270g。
あくまで“予備”なので常に持ち運ばなければならないということはありませんが、このくらいならバックパック等に入れてもずっしりと感じるようなことはなく、負担になりにくいですね。
引用元:電動スケボー Maxfind MAX4(Yahoo!ショッピング)
更に、MAX4には回生ブレーキシステムが搭載されています。
これは下り坂を走行した際やブレーキをかけた際にバッテリーを充電するシステムで、近年のF1のハイブリッドエンジンにも似た仕組みが採用されています。
ハブモーター仕様なので普通のスケボーのようにプッシュして進むことも可能ですし、上手く走れば更に長距離、長時間の走行が可能です。
まさに環境に優しい次世代の乗り物って感じ。
バッテリーというものはどうしても経年劣化が起こりますが、予備バッテリーの存在は「1つの電動スケボーを長く使いたい」という場合も大きなメリットとなるはずです。
バッテリーの交換方法
引用元:電動スケボー Maxfind MAX4(Yahoo!ショッピング)
そもそもMAX4は簡単にバッテリー交換ができるというギミック自体がたまらないですよね。
交換作業は工具不要で超簡単。
まず赤丸部分のネジを外してカバーを取ります。
(関係ありませんがカーボン調のデッキデザインがかっこいいですね。)
続いて画像のようにカバーをスライドさせます。
青いのがバッテリーです。
バッテリーは指で簡単に持ち上がります。
バッテリーを交換する際は配線作業を行う必要があります。
といっても難しいことは何もなく、画像の赤丸の2ヶ所のコネクタを差し替えるだけ。
最後に再びカバーを取り付けてネジを締めればOKです。
作業自体は3分もかかりません。超簡単。
電動スケボーMaxfind MAX4のレビューまとめ!予備バッテリーだけがウリじゃない!
正直に言います。
いやー、なめてましたね。
Maxfind MAX4、これまでの同ブランドの製品とは明らかに性能と品質が異なります。
めちゃくちゃハイスペックかというとそうではないのですが、数値的にも乗り味的にも高い水準を満たしており、予備バッテリーの存在を考慮すればコスパにも優れます。
これは今後も目が離せないブランドが一つ増えたなと思わずにはいられません。
世はまさに電動スケボー戦国時代。
多様なメーカーから多様な電動スケボーがリリースされる中、様々なモデルが国内の代理店にピックアップされはじめています。
以前は「国内ならBackfireを選んでおけばまず間違いないよ!」と自信を持って言えましたが、個性的なモデルが増えてきた今、答えは一つではなくなりつつあります(もちろん現在もBackfire G2tは管理人のイチオシですが)。
そんな乱世に一石を投じるMaxfind MAX4。
ありそうでなかった「予備バッテリー同梱」というサービスはかなりお買い得です。
スペック的にも乗り心地的にも数年は大きな不満を感じることはないでしょうし、バッテリーが2つあれば経年劣化による容量低下も怖くありません。
ハブモータータイプでありながらトルクフルな点も魅力的で、何年も愛用するには最適な選択肢になり得ます。
この機会を逃す手はありませんね!
今回比較した電動スケボーはこちら