街中を走っていて、つい「オイオイ」と声に出したくなるような危険な運転をしている車を見かけることってありませんか?
初心者、ペーパードライバーならまだわかるのですが、全然そうは見えないおじさんおばさんが、さも当然のような顔をして下手な運転をしているのを見ると悲しくなってしまいます。
あなたは大丈夫ですか?
「下手な運転」はすぐに直さないと危険!!
下手な運転にもいろいろありますが、その多くは「危険な運転」であったり、他車にとって「迷惑な運転」であったり、下手な運転は自分だけの問題では済まないことが多いのです。
運転が下手と言われる人の多くは、実は何が下手な運転に該当するのかわかっていません。
そのため自分は運転が下手だと言う自覚症状すらない人も多いのです。
今回は管理人が普段感じる「危険な運転」と「迷惑な運転」を片っ端から挙げてみたいと思います。
自分の運転が該当しないかチェックしてみてください。
1.車間が極端に狭い
車間距離は安全運転においても最も重要な要素の一つです。
車間距離を取っているだけで避けられる事故は、実はものすごく多いんです。
仮に前走車が急に減速したことがきっかけでぶつかってしまった場合、それでも追突した方が悪いことになるのは、「そもそも十分な車間距離を取っていれば止まれたはずだ」という理屈によるものです(当然意図的な急ブレーキなどの妨害行為があればこの限りではありません)。
それに車間距離を詰めるという行為は、不要なトラブルを生む原因にもなりかねません。
後続車にその気がなくても、前走車が「あおられた」と感じた時点でトラブルの引き金になってしまっています。
どんな人がどんな車に乗っているか全くわからない時代ですから、変な”いちゃもん”をつけられないためにも注意したいところです。
前走車の立場になれば、単純にぴったりとくっつかれるのが不快なのは確かですしね。
2.ウインカーが遅い
前走車が一見何もないところでブレーキを踏み、極端に減速したと思ったら曲がり出すのと同時にウインカーを点灯させる・・・。
こんな経験ありませんか?
ウインカー(方向指示器)を出すタイミングは道交法(厳密には道路交通法施行令 昭和三十五年政令第二百七十号)で決まっています。
右左折の場合は
その行為をしようとする地点(交差点においてその行為をする場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から三十メートル手前の地点に達したとき。
進路変更(車線変更)をする場合は
その行為をしようとする時の三秒前のとき。
これらが「合図を行う時期」とされています。
本来の合図としての目的を理解していれば、動き出してから点滅させるウインカーにほとんど意味がないことは誰でもわかりますよね。
後続車は状況が呑み込めずに反応が遅れてしまうかもしれませんし、先にウインカーを出していれば緩やかな減速で済んだところが、反応が遅れたことによる急減速によって更に後方の後続車にも不要な迷惑がかかる恐れがあります。
運転中の意思表示は早め早めを心掛けましょう。
3.右左折時に”内側に寄らない”または”膨らむ”(あおりハンドル)
知らない人が多いのか、またはその方が曲がりやすいと勘違いしているのか、交差点を曲がろうとする際に端に寄らない車はかなり多いですよね。
中には隣の車線まではみ出すほど大きく膨らんでいる車も見かけます。
いったい何を考えているのでしょうか・・・。
次のように、道交法では端に寄らなければならないことが明記されています。
第三十四条 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
2 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
膨らんで曲がる行為は周りに迷惑をかける行為です。
例えば、右折しようとする車が左に膨らんで曲がろうとした場合、右に寄っていれば直進や左折ができた後続車は無駄に足止めを食らうことになります。
これは左折の際も同じことが言えますし、左折に関しては右側に膨らんで曲がろうとした場合、内側に空いたスペースに自転車やバイクが入り込む危険性まであります。
もちろんすでにそこにいる自転車やバイクに幅寄せをするのはNGですが、これも早めのウインカーでほとんど防げるはずです。
また、管理人の家の近所では細い道から左折で出ようとする車が右端まで寄っている光景をよく目にするのですが、反対から車が入ってくることなんて欠片も想像していないように思えます。
少し考えればわかりそうなものですが・・・。
乗用車の内輪差なんてたかが知れていますから(もちろん注意は必要ですが)、曲がる際に膨らんだところで曲がりやすさはほとんど変わりません。
曲がり切れないと思うならば十分に減速すれば良いだけです。
それどころか、中には交差点の直前になって逆ハンドルを切る車もいますが、あれは自らコーナーRを小さくタイトにする行為に他ならず、逆に曲がりにくくなるため本当に愚策としか言いようがありません。
↑青があおりハンドルをした場合の動き。
Rが小さくなってより曲がりにくくなっていることがわかります。
※実際はあおりハンドルによる左右の荷重移動によって内側に切りこみやすくなったように感じる可能性もありますが、その場合はハッキリ言ってスピードの出し過ぎです。
そんなことをするよりも、素直に「スローインファストアウト」(公道においては“素早い加速”ではなく“再加速が必要なほどの十分な減速”の意)をこころがけましょう。
この「右左折時に寄らない(膨らむ)運転」に「ウインカーが遅い運転」が加わった車の動きを予測するのは困難極まりなく、後続車は要らぬ気を使うことになります。
4.ミラーを見ない
これが最強(最恐?)かもしれません。
どんなにあおられていてもマイペースに走っている車を見たことはありませんか?
もちろんあおる方が悪いのですが、正直に言えば後ろ(周り)を見ていない車にも近づきたくはありません。
それこそ合法的に追い抜きにきた車と接触する可能性だってありますし、意識せずに幅寄せしてバイクと接触、なんてことにもなりかねません。
運転中は前方以外にも常に一定の注意を払う必要があります。
たまにネット上でも「バイクにすり抜けされてびっくりした。バイクは運転マナーが悪い!」なんて言う人を見かけますが、そういう人は普段後方には欠片も意識を向けていないのでしょうか。
すり抜けの良し悪しについて語るのはココでは避けますが、「バイクが接近するのに気付いていなかったせいでびっくりした」ということであれば自分も反省した方が良いかもしれません。
これ以外にもミラーから得られる情報はかなり多いです。
高速道路で「気付いたら後ろにパトカーがいた」なんて言う人もミラーを見ていれば止められずに済んだでしょうし(もちろんそういう問題ではありませんが)。
あまり気にしたことがなかったと言う人がいれば、一度意識してみてはいかがでしょうか。
5.カーブを曲がりきれずにブレーキを踏む
これは要するにオーバースピードということですね。
コーナー中ほどの強い遠心力がかかっている状態でブレーキを踏むと、車の挙動は急激に乱れることになります。
今の車はよほどのことがない限りそれで横転とはならないでしょうが、ブレーキを踏んでも曲がり切れない可能性は十分にあり得ますし、特に(今の市販車で最もオーソドックスな)FF車でコーナリング中にブレーキを踏むとタックインという現象が生じる恐れもあります。
この点でも、やはりカーブに進入する前にしっかりと減速するスローインファストアウトを心掛けたいところです。
結果的にその方が速く、安全で、スムースにカーブを抜けることができますよ♪
6.次の信号が赤なのに加速を続ける
これは一言で表せば”無駄”です。
逆に後続車に無駄なブレーキを踏ませるほど手前から急減速するのは考えものですが、どうせ止まるのですから加速する意味はないでしょう。
車は停車状態から動き出す際に大きく燃料を消費しますので、ちょうど青になるタイミングで交差点に到達することができれば、かなりのエコ運転にもなります。
発進が面倒なMTのスポーツカーやトラックがじりじりと交差点に近付く様子もよく見かけますね(笑
いつもせかせかするのではなく、心にゆとりを持って運転したいところです。
7.よくブレーキを踏む
ブレーキで減速すること自体は悪いことではありませんが、そのブレーキが必要になった理由をよく考えてみましょう。
ここまでの内容と一部重複しますが、例えばむやみに車間を詰めていたり、次の信号が赤なのに加速をしたり、 道に迷ったり・・・
これらが原因で踏んでしまった「本来であれば必要なかったブレーキ」は「運転が下手な人のブレーキ」です。
特に高速道路でブレーキを踏む行為は渋滞を誘発するという側面もあり、今すぐにでも見直してほしい行為の一つです。
こういったブレーキを踏まないためにも、第一に車間距離を十分に確保することが大切です。
先ほども少し触れましたが、ブレーキを極力踏まない走行はエコドライブにもつながります。
8.前走車をあおる、幅寄せする等の嫌がらせをする
これらは論外ですが、「運転が下手」と考えて良いと思います。
それ以上に適性がないとも言えますが・・・。
あおったり幅寄せすることでどんなメリットがあるのでしょうか。
最近では神奈川県で生じた妨害運転の末に一家4人が死傷する痛ましい事故(もはや事件)も報道され話題になりました。
これほど報道がされてもあおり運転をする人をまだまだ見かけます。
完全に適性がないと言って良いですよね、もう。
先ほども少し触れましたが、自分が意識していなくてもあおり運転と捉えられてトラブルに発展するケースは実際にあります。
どこに危険な車が潜んでいるかわかりませんので、とにかく車間距離を取ることは常に意識したいところですね。
あとがき
お題を決めたときからわかっていたことですが、今回はややネガティブな内容になってしまいました。
せっかくならもっと楽しく明るい気持ちで運転したいですよね。
しかし、そのためには一人一人がこれらをしっかりと意識する必要があることも事実です。
下手な運転を続けていると、周りに”迷惑”や”危険”をかけるリスクが高まります。
是非これを期に思い当たる節がないか、運転する際に意識してみてください。
もちろん、これらの運転を見かけたからといってイライラしていてはそれも危険ですから気を付けてくださいね(笑