2006年に駐車監視員制度が導入されて以降、二輪車の放置駐車が多数取り締まられるようになりました。
これに関連して、警察庁を管轄する国家公安委員会の委員長が「二輪車の駐車場整備が追いついていない」という認識を示したことが話題となっています。
バイクの駐車場問題に新たな光?駐車規制緩和とは?
まず現状として、バイクの駐車スペースは実際に走っているバイクに対して圧倒的に不足しています。
このために今回公安委員長から語られた今後の方針は主に次の2つ。
- 駐車場を増やすための対策を取る必要がある
- 二輪車取締りについて新たな指導方針を設ける
現状を含めて詳しく見てみましょう。
二輪車の駐車に関する現状と問題点
まず駐車スペースそのものが足りないということは先に述べた通り。
東京都においてはなんと登録されている2輪車に対する駐車スペース(収容台数)の割合はわずか1.4%(!)しかありません。
これについては2017年12月に小池百合子東京都知事もコメントしており、「二輪車駐車スペースの確保と使い勝手の向上に向けた整備の促進を加速度的に進めたい」との見解を示しています。
参考記事(外部):バイク駐車場整備「加速度的に進めていく」 —小池百合子東京都知事│レスポンス(Response.jp)
特に2006年に「駐車監視員制度」が導入されて以降、二輪車の違法駐車の摘発は増え、その二輪車の駐車スペース問題は度々クローズアップされてきました。
要するに、違法駐車に対する風当たりが強くなったときに、もともと駐車スペースが少なかった二輪車は行き場を失ってしまったのです。
これが二輪車離れを加速させたという意見もあります。
しかし、実際に二輪車駐車場を作っても、その利便性の低さからあまり使われないということもあるそう。闇が深い。
新たな二輪車駐車規制緩和とは?
こうした現状を受け、「そもそも二輪車に対してそんなに厳しく違法駐車を摘発する必要はあるのか」という意見も出てきました。
そこで今回の公安委員長の発言。
「二輪車の駐車取締りに関して、悪質、危険、迷惑性の高い違反に重点を置いて取り締まるということは第一義だが、そのほか現実的に考えられるところは柔軟な対応ができるかということも含めて、指導できればと思っている」
-中略-
「迷惑にならないところがあれば、駐車規制そのものを緩和していく。臨機応変に対応していく考え方を、バイクに乗られる方、関係自治体、警察と話を進めていくということに努めていく」
実はこれまでも一部の駐車禁止区間においては「二輪車を除く」という条件があるケースもありました。
しかし、駐車スペースの問題が改善されない中、二輪関係団体からの要望もあり、更なる緩和に向けて動いていくということですね。
今後の課題
駐車規制を緩和するまではバイク乗りにとっては嬉しいのですが、その線引きがどうなるのかが一つの焦点になると思います。
先の公安委員長の発言の中に「臨機応変に対応していく」というものがありましたよね。
「臨機応変に考えて新しいルールを作る」ということならありがたいですが、その場その場で「臨機応変に取り締まるか取り締まらないかを決める」ということであればたまったものではありません。
やはりどこからどこまでOKでNGなのか、具体的な基準の明示が欲しいところ。
これに関連して更に怖いのが、「地方ごとの条例によって基準が変わる」というパターン。
いや、条例としてルールが明確されているならまだマシですが、「警察署による方針の違い」などはあってほしくないですよね。
それから、バイクは駐車中にいたずらされたり車体・パーツを盗難されたりといったリスクが自動車と比べて格段に高い乗り物と言えます。
そういった意味でもセキュリティが万全な駐車場の確保がベスト。
管理人なんかはいたずらされるのがイヤなので、路駐OKって言われてもテキトーなところに長時間は停められないなぁ・・・。
あとがき
とりあえず、都内を中心にバイクの駐車スペースの確保と駐車規制の緩和の動きが活発になりつつあるようです。
まだ具体的にどうなるかは決まっていないようなので、今後の動向にも注目していきます。
250ccクラスを中心に若者に人気のバイクも増えてきましたし、国内にはせっかくホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキと大きな二輪車メーカーがそろっているのですから、これを期に少しでも二輪業界が盛り上がるよう、特に国、自治体、警察には一丸となって頑張ってもらいたいですね!