2018年を生きる貴重な国産FRオープンスポーツ、それが「マツダ ロードスター(NDロードスター)」です。
代々「人馬一体」をコンセプトとするロードスターは、どの年代の誰が乗っても純粋に走りを楽しめるであろう、時代時代で愛され続けてきた名車と言えます。
2015年にデビューした現行型は「ND系」と呼ばれ、NA、NB、NCと続くマツダ ロードスターの4代目に当たります。
そんなNDロードスターには、実はもっと近い兄弟が存在します。
それがイタリアのブランド“アバルト”が手掛ける「アバルト 124スパイダー」と呼ばれる車。
今回はこのNDロードスターと124スパイダーの違いを総比較してみたいと思います。
どちらを買おうか悩んでいる人、また新車で買えるFRスポーツを探している人は是非参考にしてみてください♪
アイキャッチ画像引用元:ABARTH 124 spider│アバルト 124 スパイダー│ABARTH JAPAN
「アバルト 124スパイダー(ABARTH 124 Spider)」とは?
引用元:ABARTH 124 spider ヘリテージルック│ABARTH(アバルト)
「アバルト 124スパイダー」とは、4代目のロードスター、「NDロードスター」をベースとしてイタリアのブランド「アバルト」が手掛けた兄弟車です。
正確には、NDロードスターをベースにイタリアのフィアットが兄弟車「フィアット 124スパイダー」を作り、これをアバルトブランドがチューンアップしたものが「アバルト 124スパイダー」。
しかし日本国内で正規販売されているのは「アバルト 124スパイダー」のみ。
しかも、実は全て広島にあるマツダの工場で生産されています。
エンジンのみ輸入。
そのため、日本国内では全て“国産車”という取り扱いになります。
「マツダ NDロードスター」と「アバルト 124スパイダー」の違い
ロードスターがベースと言っても、この「アバルト 124スパイダー」、外観だけが異なるだけではありません。
ではいったいどこがどう違うのか、その辺りを詳しく見ていきましょう。
エクステリア(外観)の比較
外観は全くの別物!
見比べればわかりますが、同じ箇所(同一のボディパネル)はひとつもありません。
フロントデザイン
マツダ NDロードスター
引用元:【MAZDA】ロードスター エクステリア・ボディカラー – 生命観あふれる魂動デザイン
アバルト 124スパイダー
引用元:ABARTH アバルト
フロントはNDロードスターの方が低く尖った印象を受けますが、対してアバルト 124スパイダーはヘッドライトやグリルが大型化して迫力が増しています。
見るからにNDロードスターの方が軽そう。
並べてみるとややロードスターの方が可愛げのある“顔”をしていますね。
リヤデザイン
マツダ NDロードスター
引用元:【MAZDA】ロードスター エクステリア・ボディカラー – 生命観あふれる魂動デザイン
アバルト 124スパイダー
引用元:ABARTH 124 spider│アバルト 124 スパイダー│ABARTH JAPAN
リヤデザインはNDロードスターの方はテールランプが中央に寄り、ボディラインも絞られ、コンパクトでスマートな印象。
一転してアバルト 124スパイダーはリアもマッシブな仕上がりですね。
どちらかと言うとNDロードスターの方が流線型が強く、デザインも欧州テイストを感じさせます。
124スパイダーのリアはどこかアメ車チック。
フロントデザインもそうですが、ここまで外観が異なるとパッと見でベースが同じとは思えませんよね。
アバルト 124スパイダーのカラーは4色↓
引用元:ABARTH 124 spider│アバルト 124 スパイダー│ABARTH JAPAN
この他に“ヘリテージルック”というオプションも存在します↓
引用元:ABARTH 124 spider ヘリテージルック│ABARTH(アバルト)
また2017年9月には「1イヤーアニバーサリー」という特別モデル(限定100台)も販売されています(翌年の2周年でも発売)↓
引用元:アバルト 124スパイダー 1イヤーアニバーサリー カタログ情報│【グーネット】
インテリア(内装)の比較
マツダ NDロードスター
引用元:【MAZDA】ロードスター インテリア – オープンエアの心地よい開放的な内装空間
アバルト 124スパイダー
引用元:ABARTH 124 spider│アバルト 124 スパイダー│ABARTH JAPAN
基本的にインテリアはほとんど共通です。
わずかな違いですが、アバルト 124スパイダーはレザー仕様のシートを標準としていること、ハンドルにレッドラインが入ること、また各部やナビの立上げ時に表示されるロゴはそれぞれのブランドのものであることなどが挙げられます。
レザーが使われている分、ややアバルト 124スパイダーの方が高級感があるようにも感じられるかもしれませんが、シートの材質には好みもありますし、スポーツ走行を楽しむ人の中には社外品に交換してしまう人もいるでしょうから、あまり大きな違いはないと考えて良いのではないでしょうか。
スペックと価格の比較
引用元:ABARTH 124 spider│アバルト 124 スパイダー│ABARTH JAPAN
メーカー及び車名 | 全長×全幅×全高(mm) | ホイールベース(mm) | トレッド 前/後(mm) | タイヤサイズ | 車両重量(kg) | エンジン | 排気量(cc) | 最高出力(kW[PS]/rpm) | 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 変速比(1速/…/6速/後退) | 最終減速比 | 燃料 | 燃費参考値(km/L) | 燃料タンク容量(L) | メーカー希望小売価格(円)(税込) |
マツダ NDロードスター S | 3,915×1,735×1,235 | 2,310 | 1,495 / 1,505 | 195/50R16 | 990~ | 1.5L直列4気筒 | 1,496 | 97[132]/7,000 | 152[15.5]/4,500 | 5.087/2.991/2.035/1.594/1.286/1.000/4.696 | 2.866 | 無鉛プレミアムガソリン | 16.8 | 40 | 2,554,200~ |
マツダ NDロードスター RS | 3,915×1,735×1,235 | 2,310 | 1,495 / 1,505 | 195/50R16 | 1,020~ | 1.5L直列4気筒 | 1,496 | 97[132]/7,000 | 152[15.5]/4,500 | 5.087/2.991/2.035/1.594/1.286/1.000/4.696 | 2.866 | 無鉛プレミアムガソリン | 16.8 | 40 | 3,256,200~ |
アバルト 124スパイダー | 4,060×1,740×1,240 | 2,310 | 1,495 / 1,505 | 205 / 45R17 | 1,130~ | 1.4L直列4気筒+ターボ | 1,368 | 125[170]/5,500 | 250[25.5]/2,500 | 4.363/2.348/1.647/1.262/1.000/0.844/3.863 | 3.454 | 無鉛プレミアムガソリン | 13.8 | 45 | 3,986,000~ |
※いずれもMTの場合
まず注目したいのはエンジンの違い。
NDロードスターが1.5L自然吸気エンジンなのに対し、アバルト 124スパイダーは1.4L+ターボを搭載しています。
これによりアバルト 124スパイダーは最高出力、最大トルクともに向上しており、合わせて足回りをリセッティング、また僅かに幅広のタイヤを履かせています。
総じて全体的なスポーツ性能もアバルト 124スパイダーの方が上と言っていいでしょう。
車重は100kg以上もアバルト 124スパイダーの方が重いものの、そこは最大トルクの差(10kgf!)によってカバーされています。
しかもアバルト 124スパイダーはターボを搭載したことで2,500回転という低い回転数で最大トルクを発揮できるため、街乗りでは重量差を感じることなくかなり快適に走れるはずです。
ただし車体が重く、ターボを採用していることから、アバルト 124スパイダーの方が燃費は悪め。
カタログ値で最大航続可能距離を計算すると、NDロードスターの672kmに対してアバルト 124スパイダーは621km(いずれもMTの場合)。
アバルト 124スパイダーの方が燃料タンクが大きいにも関わらず航続可能距離で及ばないとなると、結構大きな差と言えそうです。
ボディサイズは前後方向にはアバルト 124スパイダーの方が長いものの、それ以外は見た目ほど差がありません。
パッと見はNDロードスターの方が圧倒的にコンパクトに見えますが、まぁベースが同じなので当然といえば当然ですね。
車幅感覚等はほとんど変わりませんが、フロントが短い分、日常での取り回しはややNDロードスターに軍配が上がりそうですね。
価格はRSグレードと比べても729,800円もアバルト 124スパイダーの方が高額です。
小さくない差額ですが、ここまで来るとベースが同じとはいえもはや別ものですし、アバルト 124スパイダーにはその差額分だけの価値があると思います。
欲を言えば内装にもう少しプレミアム感が欲しかったところではありますが・・・。
まとめ│アバルト 124スパイダーが欲しい!
最後にアバルト 124スパイダーの特徴を簡単にまとめてみます。
- 貴重なFRオープンスポーツ(2シーター)
- マツダの工場で組み立てられ“国産車”という取り扱い
- エクステリアはマッシブで高級感と迫力がある
- インテリアはロードスターとほぼ同じ(レザー仕様)
- 1.4Lターボ搭載でエンジン性能(最大トルク)はNA2.5L相当
- ロードスターと比べると100kg以上重く、ターボ搭載により燃費は劣る
- ロードスターRSと比べて73万円ほど高額
- 希少性はロードスターより圧倒的に上
こんなところでしょうか(ちょっとホメ過ぎ?)。
冒頭でも触れましたが、今や新車で買えるFRスポーツは数えるほどしかないんですよね。
FRスポーツのうち、MT設定のある普通車サイズの国産車だと、それこそ「トヨタ 86」と「スバル BRZ」、「日産 フェアレディZ」を除けば、「マツダ NDロードスター(RF含む)」と、この「アバルト 124スパイダー」しかありません。
確かにアバルト 124スパイダーは安い車ではありませんが、「人と違う車に乗りたい」という人にとっては“十二分に検討する価値のある車”と言えるのではないでしょうか。
独特のデザインで価格以上の存在感と高級感がありますし。
それに1.4Lエンジンながらターボを搭載しているので、ステージによってはNAの86/BRZの対抗馬にもなりそうですね。
うーん、欲しい!
買いましょう!
乗って楽しい車ですし目立ちます。
サソリの毒に殺られます(
生産中止の噂もあるので更に稀少性は上がりそう。
買うなら今です!