125㏄クラスは原付のような30km/h制限がなく、街乗りをするのに必要十分な動力性能を持つため、日常の足として最適です。
そんな125ccクラスですが、普段の通勤通学を彩るためにおしゃれなスクーターを選ぼうとしたとき、国内メーカーのラインナップに物足りなさを覚える人も多いのではないでしょうか。
実際、50ccクラスにはビーノやジョルノといったクラシカルな雰囲気を持つおしゃれでかわいいスクーターがラインナップされているにも関わらず、125ccクラスとなると実用性やスポーツ性に特化したモデルばかりが目立ちます。
しかし、海外に目を向けると今でもレトロでおしゃれなスクーターが数多く販売されているんですよね。
そこで、今回は日本国内でも購入可能な輸入125㏄スクーターをメーカー別にまとめてみました。
個性的なモデルが多いので、もしかするとあなたの好みに”どんぴしゃ”な1台が見つかるかもしれませんよ♪
アイキャッチ画像引用元:ランブレッタ販売サイト【バイク王】
レトロでおしゃれな125cc輸入スクーター
低排気量の輸入バイクと言えば、やはり「ベスパ」などを代表するおしゃれなスクーターを思い浮かべる人も多いですよね!
今回は新車購入可能な125ccスクーターを販売している次の4社から、計5つのおしゃれなモデルをご紹介しちゃいます。
- Vespa│ベスパ
- Peugeot│プジョー
- Lambretta│ランブレッタ
- PGO│ピージーオー
※スペックは記事後半でまとめて比較します。
1.Vespa(ベスパ)│Primavera125 & LX125 i-GET
引用元:Vespa | TOP
輸入スクーターと聞いて真っ先に「ベスパ」を思い浮かべる人は多いでしょう。
ベスパはイタリアの名門ブランドで、日本でも度々ブームになるので知名度は高いですね。
1950年代から60年代にかけて起こった「モッズブーム」の際は、エンジンがむき出しでなくスーツが汚れないからという理由で好まれたとも言われています。
スクーターなら全部そのはずなんですが、それだけ当時は「スクーターといえばベスパ」だったってことですね。
当時は、と言うか世界では今でもそうなのかもしれません。
ベスパは外観のおしゃれさだけでなく、プレミアムスクーターと呼べるくらいしっかりとした作りで剛性感もあるため、長く大切に乗りたいというこだわり派な人にはもってこいの1台となるはずです。
実際、125ccなら維持費も安く、50ccと比べて実用性も高いので、長く所有するのにも適しています。
ベスパの125ccクラスにおける現行ラインナップは次のとおり。
- Primavera125
- LX125 i-GET
ベスパといえば自分でシフト操作が必要な数少ないスクーターという印象を持つ人も多いかもしれませんが、この2台は自動無段階減変速(CVT)を採用しており、つまり普通のスクーターと同じ操作で運転することが可能です。
Primavera125は50年以上に渡ってベスパのスモールボディレンジを担うモデルとして販売される伝統的な1台です。
「Vespa史上最も成功したモデル」とも言われていますね。
外観こそクラシックですが、最新技術による安全性と快適性の高さを両立しています。
Primavera125には2種類の限定モデルも。
1つ目の「Vespa Primavera 50th Anniversario」は、全2色で全国限定50台。
ライトグレーのシートがおしゃれ↓
引用元:Vespa | PRIMAVERA 50th Anniversario
もう一つは「Vespa Primavera Yacht Club」で、こちらは全国限定30台。
名前(ヨットクラブ)のとおり、海が似合うカラーリングで、サイドには専用グラフィックのストライプも施されています。
“ネクタイ”が色分けされているのも個性的ですね。
画像ではわかりにくいですが、シートのカラーはブルーです。
引用元:Vespa | PRIMAVERA Yacht Club
もう一つの現行モデル「LX125 i-GET」は、税込378,000円と125cc輸入モデルとしては手の出しやすい価格が魅力的な1台。
とはいえデザインはベスパそのものですから、「生涯というほど長く乗り続ける予定はないけど、カタチにはこだわりたい」という人に持ってこいです。
新型のi-GETエンジンによるエコ性能だけでなく、イモビライザー式盗難防止システムも標準装備されており、見た目以上に現代的な技術が盛り込まれています。
引用元:Vespa | LX
2.Lambretta(ランブレッタ)│V125 special
ランブレッタも先述のモッズブームの際にベスパと並んで高い人気を誇ったブランドです。
日本ではベスパ程の知名度はありませんが、「バイク王」やB+COMなどで有名な「SIGN HOUSE」が新車販売を行っていることもあり、名前だけは聞いたことがあるという人も多いかもしれません。
もちろん世界的に見ればベスパと双璧をなすイタリアンスクーターブランドですが、実はこのランブレッタ、紆余曲折があり1990年代には完全に姿を消してしまったという過去があります。
そのため、国内外を問わずモッズファッションに憧れる人にとってはブランド自体がとてもレアだったんですよね。
そんなランブレッタは2017年に突然復活します。
全体的なフォルム・系統はベスパと似ていますが、ランブレッタはエッジの効いたデザインが目立ちますね。
個人的にはかわいいベスパ、カッコいいランブレッタって感じ。
ベスパがそうであるように、ランブレッタもオリジナルのスチール製のモノコックフレームを採用しており、ランブレッタの剛性感はベスパを上回るという声も多いほどです。
ランブレッタの125ccクラスにおける現行モデルは「V125 special」のみですが、「Fix Fender」と「Flex Fender」と呼ばれる2種類に細分化可能。
Fix Fenderは前輪のフェンダーが大型でボディに固定されており、Flex Fenderは前輪のフェンダーが小型でハンドル操作に追従するという点が異なります。
それぞれのカラーラインナップは以下のとおり。
V125 special Fix Fender
引用元:Online Simulator | Lambretta | SYGNHOUSE
先述のとおり前輪フェンダーが大型でボディに固定されています。
統一感と迫力あるデザインで、2種類のカラーリングがラインナップされています。
こういう無骨なデザインって国産モデルにはなかなかありませんよね。
見るからにタフそうです。
V125 special Flex Fender
引用元:Online Simulator | Lambretta | SYGNHOUSE
こちらはハンドル操作に追従してタイヤと一緒に前輪フェンダーが動くタイプ。
こちらの方がカラーラインナップは豊富で、全7色。
並べて見るとFix Fenderよりコンパクトでスマートな印象を受けるかもしれませんね。
3.PGO(ピージーオー)│Jbubu125
引用元:PGO | おしゃれな125スクーター、Jbubu125duos(ジェイブブ125デュオス)
PGOは台湾を拠点とするスクーターブランド。
数多くのスクーターをラインナップしていますが、中でもJbubu125(ジェイブブ125)はイタリアンを彷彿とさせるクラシカルなデザインが特徴的なおしゃれなスクーターです。
そのJbubuにも「Jbubu125s(エス)」と「Jbubu125duos(デュオス)」の2種類が存在。
とはいえこの2種類は型式すらも共通で、主な違いはシート形状のみ。
sはスポーティ&スタイリッシュをコンセプトとしたシートが、duosはタンデムに最適なダブルシートが採用されています。
その他、外観の違いはほとんどありません↓
(上がJbubu125s、下がJbubu125duos)
引用元:PGO | おしゃれな125スクーター、Jbubu125s(ジェイブブ125s)
引用元:PGO | おしゃれな125スクーター、Jbubu125duos(ジェイブブ125デュオス)
このJbubu125は、カタログスペックにて最高出力 8.3kw[11.3ps]/8,500rpmという、今回紹介する125cc輸入ネオレトロスクーターの中では最も高いエンジン性能を誇ります。
国産スクーターと比較しても、これに勝るのは「ホンダ PCX」、「ヤマハ NMAX」、「ヤマハ トリシティ125」といった大柄な車種ばかり(いずれも9.0kw[12ps]/7,500rpm)。
それでいて車重は107kgと軽量なため、ベスパやランブレッタとは異なり、レトロな外観でありながら現代的な乗り味が楽しめる1台と言えそうですね。
4.Peugeot(プジョー)│DJANGO
引用元:DJANGO – プジョー・モトシクル|Peugeot Motocycles
プジョーのスクーターは120年にも及ぶの歴史を持ち、現存する世界最古のモーターサイクルブランドと言われています。
そんなプジョーモトシクルが125ccクラスにラインナップしているのが次の3モデル。
- DJANGO|ジャンゴ
- CITYSTAR|シティスター
- SPEEDFIGHT|スピードファイト
この中でもDJANGOは先のベスパやランブレッタにも引けを取らない、「ネオレトロスクーター」を代表する1台です。
にもかかわらず、ABS、LEDテールライト、12Vの充電ソケットなど現代的な装備も充実しており、実用性もバッチリ。
豊富なバリエーションもDJANGO125の特徴の一つ。
例えばSPORTはホワイトのセンターストライプとレーシングゼッケン、さらにはブラックアウトされたシート&足回りによってスポーティさが強調されたモデルで、EVASION(エバージョン)はツートンカラーを採用することで、よりクラシカルな雰囲気が強調されています。
カラーリングを含めると選択肢は10を超えるため、一覧にまとめてみました↓
DJANGO125(2019) | ディープピンク | |
DJANGO125(2019) | マッドグレー | |
DJANGO125 ABS(2019) | 120th Limited Edition | |
DJANGO125 SPORT(2019) | ディープオーシャンブルー | |
DJANGO125 SPORT(2019) | サテンチェリーレッド | |
DJANGO125 EVASION(2019) | キャロットオレンジ | |
DJANGO125 EVASION(2019) | ディープオーシャンブルー | |
DJANGO125 ALLURE ABS(2019) | チョコレート | |
DJANGO125 ALLURE ABS DX(2019) | チョコレート | |
DJANGO125 EVASION ABS+(2018) | ビタミンオレンジ | |
DJANGO125 EVASION ABS+(2018) | ドラゴンレッド | |
DJANGO125 EVASION ABS+(2018) | ディープオーシャンブルー | |
DJANGO125 S ABS(2018) | マットブラック | |
DJANGO125 HERITAGE(2018) | インクブラック | |
DJANGO125 HERITAGE(2018) | Bordeaux Edition |
引用元:DJANGO – プジョー・モトシクル|Peugeot Motocycles
お好みの1台はありましたか?
DJANGOは今回比較した中では最も大柄でロー&ロングな迫力あるボディを持ちます。
レトロに見えて近未来的にも見える、個性満載のデザインは街中でも注目を集めること間違いありませんし、何よりいつまでも所有欲を満たしてくれそうですよね。
おまけ│輸入ネオレトロスクーターと競合する国産125ccモデルは?
正直、「ネオレトロスクーター」と呼べる125ccスクーターは国内にはありません。
50ccクラスであればビーノやジョルノあたりはデザイン的にも良い勝負しそうなんですけどね。
しかし、国産の125ccクラスにもこれらと競合しそうなモデルは存在します。
それは、皆さんご存知の「ホンダ スーパーカブ」。
スクーターという枠には収まりませんが、そのスタイルはレトロそのもの。
特に「スーパーカブC125」は初代「スーパーカブ C100」を意識したネオレトロと呼ぶにふさわしいデザインと設計が施されています。
引用元:Honda | 「第35回 大阪モーターサイクルショー2019」「第46回 東京モーターサイクルショー」出展概要
輸入車に負けないくらいカッコいい!
125cc輸入スクーターのスペックを比較
最後にスペックを比較。
おまけでスーパーカブC125も併記しています。
メーカー及び車名 | 最高出力 | 最大トルク | 車両重量 | 全長×全幅×全高 | 軸間距離 | シート高 | 燃料タンク容量 | 参考価格 | 外観 |
VESPA Primavera 125 | 7.9[10.7]/7,770(kW[PS]/rpm) | 10.2[1.04]/6,000(N・m[kgf・m]/rpm) | 130(kg) | 1,852×680×-(mm) | 1,334(mm) | 790(mm) | 7(L) | 459,000~(円) | |
Vespa LX 125 i-GET | 7.6[10.2]/7,600(kW[PS]/rpm) | 10.2[1.04]/6,000(N・m[kgf・m]/rpm) | 114(kg) | 1,770×705×-(mm) | 1,280(mm) | 785(mm) | 7(L) | 378,000~(円) | |
Lambretta V125 special | 7.5[10.1]/8,500(kW[PS]/rpm) | 9.2[0.94]/7,000(N・m[kgf・m]/rpm) | -(kg) | 1,890×735×1,115(mm) | 1,340(mm) | 770(mm) | 6(L) | 400,000~(円) | |
PGO Jbubu125s | 8.3[11.3]/8,500(kW[PS]/rpm) | 10.5[1.07]/6,500(N・m[kgf・m]/rpm) | 107(kg) | 1,720×710×1,060(mm) | -(mm) | -(mm) | 5.5(L) | 365,040~(円) | |
PGO Jbubu125duos | 8.3[11.3]/8,500(kW[PS]/rpm) | 10.5[1.07]/6,500(N・m[kgf・m]/rpm) | 107(kg) | 1,720×710×1,060(mm) | -(mm) | -(mm) | 5.5(L) | 359,640~(円) | |
Peugeot DJANGO | 7.5[10.2]/8,500(kW[PS]/rpm) | 8.9[0.9]/7,000(N・m[kgf・m]/rpm) | 129(kg) | 1,925×710×1,190(mm) | 1,350(mm) | 770(mm) | 8.5(L) | 375,840~(円) | |
ホンダ スーパーカブC125 | 7.1[9.7]/7,500(kW[PS]/rpm) | 10[1.0]/5,000(N・m[kgf・m]/rpm) | 110(kg) | 1,915×720×1,000(mm) | 1,245(mm) | 780(mm) | 3.7(L) | 399,600~(円) |
国産125ccモデルのスペックはこちらにまとめています↓
ご覧のとおり、最高出力や最大トルクに大きな差はありません。
そもそものんびり優雅に走るのが似合うジャンルですので、エンジンスペックで決めるのはあまりおすすめできませんね。
そもそも一般的にスクータータイプは出足が良いため、街乗りで不満を感じることはほとんどないはずです。
ベスパ Primavera125の車重が大きいのは伝統的なスチール製モノコックボディーを採用しているため。
剛性感には優れますが、やはり比べると重いスクーターであることがわかります。
同じくオリジナルのスチール製モノコックボディを採用しているランブレッタも、やはり同等の重さを持つと思われます。
ボディサイズは、やはりDJANGOの全長が突出していることが印象的です。
DJANGOが重いのは、単純にこのボディサイズのせいですね。
とはいえ全長1,925mmは「ホンダ PCX」と同じ数値ですので、日常の使い勝手はそう悪くないはず。
気になるシート高はどれも似たり寄ったり。
国産スクーターのシート高が750~780mm程度ですので、比べても特別高いということはなさそうです。
ちなみにいずれのブランドも燃費に関わる数値はスペック表にはありませんでした。
とはいえ、車重のあるVespa Primavera125でさえ、平均速度50km/hでリッター64km近くも走れるとのことですから、極端に悪いということはなさそうです。
まとめ│レトロでおしゃれな125ccスクーターは輸入モデルにあり!
先述のとおり、国産125ccスクーターにはネオレトロと呼べるようなデザインのモデルは存在しません。
国内にもカッコ良いと感じられるモデルは多いのですが、レトロ感やおしゃれさでいうと海外モデルの独壇場って感じですね。
今回紹介した4大ブランドのスクーターはデザインと性能をうまく両立させていて、まさにネオレトロと呼ぶにふさわしいモデルばかり。
日常の使い勝手に優れる125ccクラス。
おしゃれな輸入スクーターを愛車にすれば、毎日の通勤通学が華やかになっちゃうかも?