レトロな原付をチェックしよう!個性派輸入50ccスクーターのすすめ!

Lambretta 01 タイプ別バイク比較

今の時代、原付選びはかなり難しくなりました。

シンプルに選択肢が少ないんですよね。

正確にはラインナップ自体はそこそこあるのですが、どれも似たようなバイクばかりで徐々に個性的な原付は姿を消しつつあるのが実情です。

実際、今ではライバル企業同士のヤマハとホンダが提携し、エンジンや骨格を共通とする50ccスクーターが多く市場に出回っています。

もちろん見た目はまだまだ差別化がされているのですが、「個性的」、「おしゃれ」といった条件を設けてしまうと、選択肢は決して豊富とは言えません。

参考記事 – 【おしゃれでかわいい最新の50cc原付バイク、スクーターおすすめ5選!】

 

なぜライバル同士が手を組んだのか。

その理由はシンプルで、50ccクラスは国内では採算が合わないから。

昨今のバイク業界を取り巻く排ガス規制の波は当然50ccクラスにも押し寄せており、もともとリーズナブルな価格設定とお手軽感がウリの「原付」においてはこれが結構致命的な負担となっています。

というのも、お金をかけて取り組むのは「いかに排ガス規制をクリアするか」ということばかりで、メーカーには性能の進化や付加価値の開発に費やす余裕がないわけです(制限が多くその余地がないという面もあります)

ただでさえ規制クリアのために多額のコストをかけているのに、それ以上の開発コストをかければ車体価格は青天井。

そうなれば原付の「リーズナブルでお手軽」というウリがなくなってしまい、余計に売れなくなるという負のスパイラル。

要するに、50ccクラスは「良いものより安いものが求められているクラス」というわけです。

 

そうは言っても「価格より個性にこだわりたい!」という人だっていますよね。

そんな人に提案したいのが「輸入50ccスクーター」という選択肢。

今回は国内でも比較的容易に入手可能でおしゃれな3モデルを取り上げたいと思います。

いずれも国内メーカーのラインナップにはない個性を持っていますが、価格は国産50㏄スクーターと比べるとおよそ1.5~2倍近いという高値の花。

正直買うには抵抗があって当たり前ですが、だからこそ差別化のチャンス!

似たような原付ばかりの今だからこそ、こだわりの輸入50ccスクーターで日常に彩りを加えてみませんか?

アイキャッチ画像引用元:ランブレッタ販売サイト【バイク王】

 

レトロでおしゃれな50cc輸入スクーター3選!

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、今回は日本国内で新車購入可能なおしゃれな次の輸入50ccスクーター3モデルをご紹介。

  1. ベスパ Primavera 50
  2. ランブレッタ V50 Special
  3. プジョー Django50

 

1.Vespa(ベスパ)│Primavera50

Vespa Primavera 50 (パッショーネレッド) 01

引用元:Vespa | PRIMAVERA

まずはイタリアの名門ブランド「ベスパ」が販売する50ccスクーター、「Primavera50(プリマベーラ50)」

125cc、150ccのプリマベーラとほぼ同じサイズのボディで、原付スクーターとしては大柄な部類に属す1台です。

サイズが大きいだけでなく、クラスを超えた贅沢なサスペンションやブレーキ、12インチタイヤ&ホイールやLEDヘッドライト、LEDテールライトを装備し、高級感があります。

またベスパは高剛性のフレームを採用しており、長く大切に乗りたいという要望にもマッチ。

まさにイタリアンプレミアムスクーターと呼ぶにふさわしい仕上がりです。

 

価格は378,000円。

国産おしゃれスクーターの代表格「ヤマハ ビーノ デラックス」が209,520~円なので、およそ1.8倍の初期投資が必要です。

燃費は34.5km/l欧州向け公式HPより)

ビーノ デラックスが52.2km/lですから、結構な差がありますね。

ただし原付としてはタンク容量が8Lと大きく、計算上の航続可能距離は276kmに及びます。

ビーノ デラックスはタンク容量が4.5Lで計算上の航続可能距離は234.9km。

となるとプリマベーラ50の方が給油の頻度が低くて済みそう。

 

ついでなのでランニングコストを試算してみましょう。

プリマベーラ50の燃費(34.5km/l)で計算すると、例えば通勤通学が片道10kmなら1日当たりの燃料消費量は0.58L。

仮にレギュラーガソリンの価格が140円/lとすると、1日当たりの燃料代は約81.2円です。

対するビーノ デラックスは同条件で1日当たりの燃料消費量が0.38L、1日当たりの燃料代は約53.2円。

いずれも実際は公称値ほどは走らないでしょうが、この倍はいかないと仮定すると、1日当たりの燃料代の差額は約30円~60円といったところ。

年間200日乗った場合の差額は6,000円~12,000円程度でしょうか。

当然走行距離や使用頻度によって変化します。

通勤通学が往復10kmならこの半分。

これを大きいと見るか小さいと見るかですが、個人的には単に燃費を見比べたときよりアリな気がしてきましたね。

 

2.Lambretta(ランブレッタ)│V50 special

Lambretta V50 special Fix Fender マットグレー

引用元:ランブレッタ販売サイト【バイク王】

ベスパと並んでかつてモッズブームをけん引したのが、このランブレッタ。

日本ではあまり知られていませんが、もともとはベスパと双璧をなすスクーターブランドとして世界的な人気を誇ったブランドです。

バイク王」や「SIGN HOUSE」がこの50ccモデルを取り扱っており、国内で新車購入することが可能。

 

こちらも上位モデル(125cc,150cc)と同じ車格、ボディ構造を持っています。

ベスパがそうであるように、ランブレッタもオリジナルのスチール製のモノコックフレームを採用しており、その剛性感はベスパを上回るという声も多いですね。

 

「V50 special」は「Fix Fender」と「Flex Fender」と呼ばれる2種類から選択可能。

Fix Fenderは前輪のフェンダーが大型でボディに固定されており、Flex Fenderは前輪のフェンダーが小型でハンドル操作に追従するという点が異なります。

それぞれのカラーラインナップは以下のとおり。

 

V50 special Fix Fender

Lambretta V50 special Fix Fender カラー

引用元:Online Simulator | Lambretta | SYGNHOUSE

先述のとおり前輪フェンダーが大型でボディに固定されています。

統一感と迫力あるデザインで、2種類のカラーリングがラインナップされています。

こういう無骨なデザインって国産モデルにはなかなかありませんよね。

見るからにタフそうです。

 

V50 special Flex Fender

Lambretta V50 special Flex Fender カラー

引用元:Online Simulator | Lambretta | SYGNHOUSE

こちらはハンドル操作に追従してタイヤと一緒に前輪フェンダーが動くタイプ。

こちらの方がカラーラインナップは豊富で、全7色。

並べて見るとFix Fenderよりコンパクトでスマートな印象を受けるかもしれませんね。

いずれも価格は380,000円(ツートンカラーは420,000円)

ベスパより2,000円高額ですが、総額を考えたら誤差のようなものですね。

 

3.Peugeot(プジョー)│DJANGO50

Peugeot django50 マッドグレー

引用元:DJANGO – プジョー・モトシクル|Peugeot Motocycles

プジョーのDJANGO50(ジャンゴ50)は、先のベスパやランブレッタにも引けを取らない「ネオレトロスクーター」を代表する1台です。

その個性的なデザインも目を引きますが、圧巻なのがそのボディサイズ。

1,925mm×710mm×1,190mmと2mに届きそうな全長を有しており、どう見ても50ccには見えません。

125ccクラスと比較してもかなり大きな方なので当然ですね。

迫力あるロー&ロングなボディはいつまでも所有欲を満たしてくれそう。

 

サイズだけでなく、ABS等のブレーキ周りの仕様の違いを除けば125cc、150ccモデルとほぼ共通の装備を持ちます。

50ccも余裕のあるタンデムシートを持ちますが、当然国内では二人乗りは禁止されているので要注意。

 

Peugeot django50 カラー

引用元:DJANGO – プジョー・モトシクル|Peugeot Motocycles

50ccのバリエーションはDJANGO(上段左)とDJANGO EVASION(上段中央、右)、DJANGO SPORT(下段)の3種類。

EVASION(エバージョン)はツートンカラーを採用することで、よりクラシカルな雰囲気が強調されたモデル、
SPORTはホワイトのセンターストライプとレーシングゼッケン、さらにはブラックアウトされたシート&足回りによってスポーティさが強調されたモデルです。

SPORTのブラックのホイールがかっこいい!

 

価格は312,120円から(EVASIONとSPORTは322,920円)

先の2台と比べるとやや安いものの、ビーノ デラックスの約1.5倍。

とはいえ、実はこのくらいの価格まで落ち着くと国産モデルでももっと適した比較対象が現れます。

例えば「ホンダ クロスカブ50」は291,600円で、差額はわずか20,520円です。

 

50cc国産&輸入レトロスクーターのスペックを比較

上記の3車種とデザイン的に勝負ができそうなのはヤマハ ビーノとホンダ ジョルノあたりでしょう。

この2車種は国内市場において「かわいい系おしゃれスクーター」として長年人気のあるモデルです。

 

スクーターではありませんが、スーパーカブ50ストリートもレトロチックな外観ですね。

ただしこちらは2019年2月26日〜2019年6月30日の受注期間限定モデル。

先述の通り、価格的には291,600円のクロスカブも競合車種と言えます。

 

というわけで、最後にスペックを比較。

メーカー及び車名最高出力最大トルク車両重量全長×全幅×全高軸間距離シート高燃料タンク容量参考価格外観
VESPA Primavera 502.4[3.2]/7,500(kW[PS]/rpm)3[-]/7,500(N・m[kgf・m]/rpm)-(kg)1,870×735×-(mm)1,330(mm)790(mm)8.0(L)378,000~(円)
Vespa Primavera 50 (パッショーネレッド) 01 240
Lambretta V50 special2.6[-]/7,500(kW[PS]/rpm)3.6[-]/6,500(N・m[kgf・m]/rpm)-(kg)1,890×735×1,115(mm)1,340(mm)770(mm)6(L)380,000~(円)
Lambretta V50 special Fix Fender オレンジ 240
Peugeot DJANGO502.7[3.7]/8,000(kW[PS]/rpm)3.5[0.4]/6,200(N・m[kgf・m]/rpm)110(kg)1,925×710×1,190(mm)1,350(mm)770(mm)8.5(L)312,120~(円)
Peugeot django50 240
ヤマハ ビーノ デラックス3.3[4.5]/8,000(kW[PS]/rpm)4.1[0.42]/6,000(N・m[kgf・m]/rpm)81(kg)1,650×670×1,015(mm)1,180(mm)720(mm)4.5(L)199,800~(円)
ヤマハ ビーノ デラックス
ホンダ ジョルノ3.3[4.5]/8,000(kW[PS]/rpm)4.1[0.42]/6,000(N・m[kgf・m]/rpm)81(kg)1,650×670×1,035(mm)1,180(mm)720(mm)4.5(L)194,400~(円)
ホンダ ジョルノ
ホンダ スーパーカブ50 ストリート2.7[3.7]/7,500(kW[PS]/rpm)3.8[0.39]/5,500(N・m[kgf・m]/rpm)96(kg)1,860×695×1,040(mm)1,210(mm)735(mm)4.3(L)243,000~(円)
スーパーカブ50・ストリート ポニーブルー 240
ホンダ クロスカブ502.7[3.7]/7,500(kW[PS]/rpm)3.8[0.39]/5,500(N・m[kgf・m]/rpm)100(kg)1,840×720×1,050(mm)1,225(mm)740(mm)4.3(L)291,600~(円)
ホンダ クロスカブ50

 

エンジン性能は総じて国産モデルの方が優れますね。

しかも国産モデルはいずれも軽量なので、運動性能は国産モデルの圧勝と考えて良いでしょう。

ランブレッタ V50なんかは車重があり過ぎるためか、最高速度は45km/hとのこと。

もしかするとベスパもプジョーも同じくらいかもしれません。

ちょっと物足りなく感じるかもしれませんが、とはいえ国内では45km/hも出れば50cとしては十分でしょう。

そもそものんびり優雅に走るのが似合うジャンルですので、エンジンスペックで決めるのはあまりおすすめできません。

スペックを求めるのであればやはり国産モデルを選ぶか、いっそ思い切って「小型限定普通自動二輪車免許」を取得してしまうのも手です。

詳しくはこちら↓

 

最高速40km/hでも問題ないという人にはこんな選択肢も↓

 

ボディサイズの大きさは輸入モデルの圧勝です。

いずれも50ccに見えない車格は大きな武器。

特にジャンゴ50の1,925mmという全長は異様と言っても良いレベル。

これはひとクラス上の125ccの「ホンダ PCX」と同じ数値です。

もちろんサイズだけでなく高級感も輸入モデルの方が上ですね。

 

シート高はいずれも国産モデルより高めですが、足つきに困るほどの高さではありません。

むしろ目線が高くてゆとりのある走りが楽しめるかも。

管理人がかつて乗っていた原付「スズキ ZZ(ジーツー)」も760mmと高めでしたが、とても運転しやすかったことが今でも印象に残っています。

というのも、実は二輪はシートが高い方がバランスが取りやすく、スペック以上にスポーティーな乗り味が楽しめる場合もあります。

 

まとめ│輸入スクーターにはクラスを超えた高級感と個性がある!

今回紹介した輸入スクーター3モデル、大きな特徴の一つに、どれも125ccや150ccといった上位モデルと同等の車格を持つということが挙げられます。

ゆえにコストは高いものの、ひとクラス、ふたクラス上の高級感が味わえるのが最大の魅力。

 

正直走りの性能はあまり期待できません。

が、高い目線と大柄なボディによってゆとりのある走りを楽しむにはバッチリです。

もちろん、スペックが高くなくても原付として十分に他の交通に合わせて走る程度の走りは十分に可能ですので、通勤通学が主な用途であれば不満は感じないのではないでしょうか。

もしスペックもある輸入スクーターに乗りたいのであれば、先述の通り思い切って「小型限定普通自動二輪車免許」を取得してしまうのもアリ。

 

冒頭にもお伝えした通り、輸入50ccスクーターは一般人には高値の花。

だからこそ、人とは異なる選択をして日常に彩りを加えてみませんか?