モータースポーツの入り口として誰でも気軽に楽しむことができる「レンタルカート」。
でも気軽に楽しめる=簡単というわけではないんですよね。
むしろめちゃくちゃ難しい。
「なんとなく友達に誘われて乗ったけど、大変なだけで楽しめずに終わった・・・」なんてことはザラに起こりえます。
だからこそ知ってほしい・・・。
このページでは、レンタルカート初心者に知っておいてもらいたい”コツ”のようなものを5つだけ紹介します。
この5つを頭に入れておくだけで、初心者期間を大幅に短縮することができるはず。
事前にチェックして、レンタルカートの真の楽しさを味わっちゃいましょう♪
初心者でもレンタルカートで速く走れる5つのコツ
一応、簡単に実践・意識できるところから説明していきますが、
「記事後半の内容が理解できると前半を読み返したときに新しい発見がある」
そんな内容になっているので、ぜひ何度も読んでイメトレしてみてください。
1.コースを覚える
まず走り出す前の準備として、これから走るコースの理解を深めておくことは非常に有効です。
次にどちらに曲がるのか、どの程度きついコーナーなのかがわからないと、思い切ってアクセルを踏めませんからね。
極端な話、同じサーキットをゲーム(シミュレーター)で走り込んでおけば、現実世界でも有利に働きます。
残念ながら国内のカート場が収載されているソフトはそれほど多くありませんが、昨今はYouTubeで検索すれば実際にそのカート場を走るオンボード映像(目線映像)が山ほど見つかるはず。
さっそく「(カート場名) レンタルカート」などで検索してみましょう。
まずはコースがどんな構成なのか、次にどちらに曲がるのかなどを覚え、道幅のどの位置を走ると良いか(ライン取り)もチェックしておきましょう(次のコーナーに備えたライン取りを意識すること)。
実際、経験の少ないサーキットを走る前に動画やゲーム(シミュレーター)でチェックするというのは、プロのドライバーでも実践しています。
そのくらい効果的で、特に初心者同士だとものすごいアドバンテージになるので、これだけでも同行者を大きく出し抜ける可能性があります。
まずはコースを覚える。すべてはここから始まると言っても過言ではありません。
2.クリッピングポイントを奥に取る
クリッピングポイントとは、「コーナーを曲がる際に車がコーナーの内側に最接近する位置」のこと。
サーキットを速く走るためには「ライン取り」という概念が欠かせません。
簡単に言えば、「道幅を目一杯使ってなるべく直線的に走った方が速く走れるよ」という考え方。
代表的なのは「アウトインアウト」といって、その名の通りコーナーにアウト(外)側からアプローチして、コーナー中央付近でイン(内)側に寄り、出口側のアウト(外)側に向かって加速していくライン取り。
このとき、コーナーの真ん中あたりでインにつくのではなく、やや奥の方でインにつくようにするのが、「クリッピングポイントを奥に取る」ということ。
メリットは主に2つ。
1つ目は、コーナー前半で車の向きを変えることになるので、脱出速度を高めやすいということ。
2つ目は、進入速度がバラついてもコーナーリング中に修正しやすいということ。
特に2つ目の効果は初心者にとってバカにできません。
実際、クリッピングポイントをやや奥に取るだけで、初めての車や初めてのコースでも走りやすくなります。
逆にクリッピングポイントが手前過ぎると、コーナーの後半で旋回することになるのでなかなか加速に移れず、脱出速度が下がってしまいます。
特に長い直線に続くコーナーや上り坂に続くコーナーでは効果的で、サーキットによっては脱出速度一つでラップタイムが大幅に縮まることも珍しくありません。
細かな理屈がわかっていなくても、まずは「やや奥でインにつく」というイメージだけでOKなので、ぜひ試してみてください。
3.目線を先に送る
多くのスポーツに共通して言えることですが、目線はすごく重要です。
人間は目線を送った先に自然と身体を向けようとする能力を持っています。
なので、狙ったラインをトレースするために目線を先に送るのは効果的なんです。
また、近くを見るより遠くを見た方が景色の流れがゆっくりになり、車の動きを予測したり対処したりすることが簡単になります。
このあたりは実際に比べてみると違いが一目瞭然だと思いますので、ぜひ試してみてください。
運転にいっぱいいっぱいだとつい近くを見てしまいがちになるので、意識的に遠くに視線を送ることが重要です。
4.思ったより曲がると心得よ
カートはあなたが思っている以上に曲がります。
詳しくは後述しますが、むしろ中途半端にゆっくり走るより、ある程度攻めて走った方が曲がりやすくなるほど。
初心者のうちは「無理だと思っていたコーナーが実はアクセル全開でいけた」ということが少なくないはずです(アクセル全開=速いとは限らないけど)。
もしかすると強い横Gを感じて「横転するのでは?」と思うかもしれませんが、レンタルカートで単独で横転というのは管理人は聞いたことがありません。
カートは重心が低く、レンタルのカートは重量もありますからね。
速い人はわざと外側に体重をかける人もいるくらいなので、過度に怖がらなくても大丈夫。
早い段階でここに気付けるとモータースポーツらしさを存分に楽しめるはずです。
5.前荷重と外側のタイヤを意識する
最後は少し難しくなりますが、カートで走ること自体に慣れてきたらぜひ意識してもらいたいポイント。
まず前提として、カートは市販車とは異なり、左右の後輪が1本の軸で直結されています。
この状態では内側のタイヤも外側のタイヤも同じだけ回転して前に進もうとするので、うまく曲がってくれません(市販車はデファレンシャルギアによって外側の方が回るようになっている)。
ではどうすればスムーズに曲がるかというと、内側の後輪を地面から離してあげればOK。
その手段として重要になるのが、前荷重をかけるということです。
うまくカートの前側に荷重をかけると、内側の後輪が浮く「インリフト」という現象が起き、高いスピードを維持したまま向きを変えることが可能となります。
そのメカニズムを簡単に書くと、
- アクセルオフやブレーキで前荷重を作る
- ハンドルを切ると構造的に内側前輪が沈み外側前輪が浮こうとする(キャスター角の分)
- 浮こうとする外側前輪が前荷重で地面に押さえ付けられる
- シーソーのように対角の内側後輪が浮く(インリフト)
- 外側後輪が地面を蹴って旋回する
・・・といった感じ。
インリフトが起こると外側と内側のタイヤで前に進もうとする力に差が生じ、これによりハンドルを切る量が少なくてもガンガン曲がってくれます(外側のタイヤだけが回転して巻き込むようなイメージ)。
むしろハンドルは切りすぎてはダメ(スピンしたり抵抗でスピードが落ちたりするため)。
15分走って腕がパンパン、というのはカート初心者にとってあるあるですが、それはまだハンドルを切りすぎ、ハンドルに頼りすぎなせいかもしれません。
このインリフトこそがカートが普通の車と大きく違うところで、管理人のように市販車のスポーツ走行でちょっと得意になっちゃった人がつまずくところだったりもします(笑
さて、先ほど「中途半端にゆっくり走るより、ある程度攻めて走った方が曲がりやすくなる」と言いましたが、その理由がこの前荷重です。
例えばブレーキのタイミングが早すぎて、コーナーに到達する前に減速が終わってしまうと、コーナー進入時には前荷重が抜けてしまっていて、うまく旋回することができなくなってしまいます。
もし、「十分に減速してからコーナーに進入しているのに全然曲がってくれない」と感じたら、“前荷重をかけながら曲がること”、”外側のタイヤを使って曲がること”を意識してみてください。
ただし、強いブレーキを残しながらハンドルを切るとスピンする可能性があるので要注意。
前荷重をかけるのに「急な動き」は必要ありません。
ジワーっというブレーキでも前荷重を作ることはできますし、アクセルを抜く(エンジンブレーキ)だけでも前荷重を作ることはできるので、ぜひ試してみてください。
あとはアクセルを踏むと荷重が後ろに戻ってしまうので、車体がコーナーの出口を向くまでアクセルは我慢(慣れてきたらスライドさせながら踏んでもOK)。
うまくいけばハンドルを切り足さなくても(場合によってはハンドルをセンターまで戻しても)グイグイ曲がってくれます。
※曲がりすぎてしまう場合は逆方向にハンドルを切るとスピンを回避できることがあります(カウンターステア)。
まとめ│レンタルカート初心者はイメトレで伸びる!
最後の方は少し難しい話になってしまいましたが、今回紹介した5つはどれも、意識するかしないかで大きな差が出るポイントだと思います。
実際のカート場のオンボード映像をチェックしながら、ぜひイメトレに励んでみてください。
また、「次点として急な動作を避ける」ということも挙げられます。
急ブレーキ、急ハンドル、急アクセルはどれもスピンのリスクを高めてしまう行為。
そして、いざスピンすれば走行時間が少なくなり、恐怖心も生まれ、うまくいかないことでモチベーションも下がってしまいます。
いずれ更なるタイムアップを目指したとき、どんどんブレーキを遅く、強くすることにはなりますが、最初はとにかく急な動作をしない方がカートの動きを理解しやすいはず。
ぜひ参考にしてみてください。
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