引用元:ドラッグスター250 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
ワイルドな見た目で多くのライダーが一度は憧れるであろうバイク、それが「アメリカン」。
かつては車検の要らない250ccにおいてもラインナップが充実していましたが、昨今の排ガス規制の影響で新車ラインナップはほとんどなくなってしまいました。
ですが、このクラスのバイクは中古車市場も大きく、探せばまだまだ良玉を見つけることが可能です。
今回はかつて国内メーカーが力を注いでいた250㏄アメリカンを掘り返し、それぞれの特徴を比較してみたいと思います。
250㏄アメリカンについて【2020年】
「アメリカン」は“ローロングなスタイリング”と“アップライトなライディングポジション”が特徴的なバイクです。
別名「クルーザー」とも呼ばれます(むしろ海外ではクルーザーの方が一般的)。
大型であれば本家本元のアメリカンクルーザーブランド「ハーレーダビッドソン」を真っ先に思い浮かべる人も多いでしょう。
ですが、ハーレーは最小排気量モデルの「ストリート750」でも749ccあります。
中型バイクのアメリカンは国内メーカーの独壇場。
中型も250㏄クラスと400㏄クラスの大きく二つに分けられますが、250㏄アメリカンは400㏄のモデルと比べると車体が小さくタイヤも細いので、大排気量車と並ぶとあまり迫力が感じられないという欠点を持ちます。
しかし、今回紹介するモデルはローロングなアメリカンらしいスタイルを持つものが多く、単体で見ればその迫力は十分。
サイドビューなんて詳しくない人が見れば違いが判らないなんてこともあるかも・・・?
ボディが細いため見た目以上に取り回しが良く、小柄な人でも安心して乗ることができます。
250㏄は車検がないので、より気軽に所有できるというメリットも。
比較的安価な中古車を選択して、400㏄や大型への足掛かりとするのも良いですね。
アメリカン以外のおすすめ250㏄バイクはこちら↓
新旧250㏄アメリカンを総比較!
引用元:ドラッグスター250 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
250ccアメリカンは、2017年の生産終了ラッシュで「ヤマハ ドラッグスター250」が姿を消して以降、新車で買えるのが「ホンダ レブル250」のみとなってしまいました。
そのレブル250も、後述の通り“アメリカン”といった色は強くないのが実情です。
そこで今回は、現行の「レブル250」に生産終了モデル4種を加え、計5車種のおすすめアメリカンを紹介、比較してみたいと思います。
スペックは下表の通り。
メーカー及び車名 | 最高出力(kW[PS]/rpm) | 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 車両重量(kg) | 全長×全幅×全高(mm) | ホイールベース(mm) | シート高(mm) | 定地燃費値km/L(60km/h時) | 燃費(km/L)いずれもWMTCモード値 クラス1 1名乗車時 | 燃料タンク容量(L) | 新車価格(円) | 生産終了時期 | 外観 |
ホンダ レブル250 | 19[26]/9,500 | 22[2.2]/7,750 | 168【ABS:170】 | 2,190×820×1,090 | 1,490 | 690 | 46.5 | 34.1 | 11 | 537,840【ABS:588,600】 | 現行モデル | |
ヤマハ ドラッグスター250(JBK-VG05J) | 15[20]/8,000 | 19[1.9]/6,000 | 160 | 2,320×935×1,070 | 1,530 | 670 | 51.0 | - | 11 | 594,000 | 2017年9月 | |
ヤマハ ドラッグスター250(BA-VG02J) | 17[23]/8,000 | 22[2.2]/6,000 | 159 | 2,320×915×1,075 | 1,530 | 670 | 51.0 | - | 11 | 526,050 | 2008年5月にMC | |
ホンダ Vツインマグナ | 20[27]/10,000 | 23[2.3]/7,500 | 183 | 2,315×845×1,055 | 1,620 | 690 | 34.0 | - | 11 | 598,500 | 2007年9月 | |
スズキ イントルーダーLC250 | 18[24]/8,000 | 23[2.3]/6,000 | 157 | 2,240×880×1,110 | 1,520 | 685 | 48.0 | - | 12 | 523,950 | 2006年 | |
カワサキ エリミネーター250V | 26[35]/12,500 | 24[2.4]/9,500 | 186 | 2,355×775×1,075 | 1,620 | 690 | 33.0 | - | 13 | 586,950 | 2007年9月 |
- 新車販売時価格は年式によって異なりますので、参考程度にご確認ください。
- 「ヤマハ ドラッグスター250」は2008年に最大出力等が大きく変わるモデルチェンジがありましたので、2つに分けて表示しています。
それでは各車の特徴を掘り下げて見てみましょう。
ホンダ レブル250
現在唯一新車として販売されている250㏄クルーザーがこの「ホンダ レブル250」。
管理人が「VTR SE」を購入する直前に発売のうわさが流れ始め、対抗馬として急浮上したバイクです(笑
結局待ちきれずにVTRを買いましたが、レブル250という選択肢もありだったなと今でも思います。
“アメリカン”と言うには少しインパクトが弱い気もしますが、そこがレブルの良いところ。
シンプルかつスリムなデザインによって、現代の街並みにも違和感なく溶け込むモダンなバイクに仕上がっています。
唯一「小さいアメリカン」といった印象を持たれない250㏄クルーザーと言えるかもしれません。
アメリカンと言うよりは「レブルはレブル」って感じですね。
そのくらい独創的な、オリジナリティあふれるクルーザーです。
「レブル250」は500ccの「レブル500」とエンジン以外のほとんどを共通としていますが、軽量なため250㏄でも十分にスポーティーな走行性能を発揮します。
今回取り上げる他のアメリカンに対し、比較的高出力でコンパクトな車体を持つうえホイールベースも短く、より軽快に街中を走ることが得意と言えそうです。
ヤマハ ドラッグスター250
「レブル250」の登場までの約10年間、250㏄アメリカンはこの「ヤマハ ドラッグスター250」ただ一車種しか存在しませんでした。
そのため知名度は抜群で、中古車の玉数もカスタムパーツも豊富です。
DS兄弟の末弟で、250㏄でありながら迫力あるローロングなスタイルが魅力的な1台。
デザイン性が高く、各年式おしゃれなカラーリングが施されていることが多いのも特徴の一つ。
特に最終モデルの2017年式の3カラーはどれもめちゃくちゃかっこいい!
引用元:ドラッグスター250 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
個人的には2001年モデルのホワイトとパープルを基調とした“シルキーホワイト”が好きでした。
実はその昔マグザムを購入する際に候補に挙げていたことがあります。
今回紹介する5車種の中ではスペック上は最も非力ですが、その分“ピーキーさ”はなく、初心者でも安心して乗ることができます。
軽くてシートも低いので取り回しも楽々。
カスタムパーツが豊富なので、「250㏄アメリカンを自分好みにカスタムしたい」という人にとっても最適な選択肢になるかもしれませんね。
ホンダ Vツインマグナ
250㏄でありながら王道のアメリカンを狙ったようなバイクで、低速の鼓動感やトルクを味わいたければVツインマグナを選んでおけば間違いないと言っても過言ではありません。
排気音にも定評があり、乗っていてその気にさせてくれるバイクです。
外観ですが、エンジンが大きく見えるため車体全体の迫力もなかなかのものです。
リヤタイヤも太く、パッと見は1クラス上のバイク。
学生時代の友人が乗っていましたが、実車を見て感じるその威圧感はとても250㏄とは思えないほどでした。
スペック上は最高出力、最大トルクともにまあまあの数値ですが、実際は車重が重いこともあり、それほど加速は良くありません。
良くも悪くも、アメリカンらしい走りを求められるバイクと言えます。
スズキ イントルーダーLC250
「スズキ イントルーダーLC250」は軽量な250㏄アメリカン。
他のモデルと比べるとややマイナーかもしれませんが、軽快で加速が良く、その高い走行性能が人気を集めたバイクです。
250㏄アメリカンにしては珍しく、ロングストロークの空冷エンジンを採用しているのも特徴的。
ネット上のレビューを見ていくと、街中でキビキビと走れるのはもちろん、「峠も攻められる」という意見がちらほらあることにも驚きます。
これは他の250㏄アメリカンではあまり見られないことです。
先の「Vツインマグナ」とは異なり、良くも悪くもアメリカン“らしくない”走りが特徴的な一台と言えるかもしれませんね。
街中でほとんど見かけることがないので、人と被るのがイヤという人にもおすすめできます。
というか、今や中古車自体もかなりレア。
カスタムパーツは少ないですが、もともとメッキパーツが豊富なその外観に惚れる人が多いようです。
もし今もメッキパーツがキラキラと輝いているなら、その車両が過去のオーナーに大切にされてきた証拠。
気になる方は是非一度実車を見ることをおすすめします。
カワサキ エリミネーター250V
ちょっと特殊なエンジン特性を持つのがこの「エリミネーター250V」。
最高出力を見てもらえばわかる通り、エンジンの仕様がアメリカンではありません。
それほど、かなりの高回転型にセッティングされており、最新の250㏄スポーツと同等の高スペックを叩きだしています。
これまた学生時代の友人が乗っていましたが、その走りはまるでロードスポーツそのもの。
そこそこ車重があるにもかかわらず、軽快かつパワフルに走っていた印象がかなり強く、恐らくそんじょそこらの400㏄アメリカンよりも速いです。
「アメリカンのスタイルが好みだけど、スポーティーな走りやパワーも欲しい・・・」といった欲張りな人にとっては、エリミネーター250Vは格好の選択肢となるのではないでしょうか。
ただし、いくら速くてもアメリカン。
コーナーで車体を倒すと思っているよりも早くステップが地面に当たりますし、ブレーキの効きもスポーツモデルには及びませんので、攻めすぎには注意が必要です。
まとめ│現行のレブル250か年式高めのDS250がおすすめではあるが・・・
今回紹介した5車種のうち、「Vツインマグナ」、「イントルーダーLC250」、「エリミネーター250V」の3車種は生産終了から10年以上が経過しており、状態の良い車両を見つけるのが難しい反面、かなり安価に入手することが可能です。
反対に「レブル250」はもちろん、「ドラッグスター250」もまだまだ良質な在庫を探すことが容易と言えますが、高年式のものはそれなりのお値段がしますね。
個人的には2020年に選ぶなら新車で買える「レブル250」か年式の高い「ドラッグスター250」がおすすめではありますが、例えば最初にしっかりと整備をしたうえで、「学生の間だけ乗って社会人になったら買い替える予定」のように期間を絞って乗り出すなら、それ以外の車種でも大きなトラブルに見舞われず幸せになれるかもしれませんね。
それぞれの特徴から考えられる選び方はこんなところでしょうか↓
- 軽量スポーティーな新型クルーザーに乗りたいなら「レブル250」
- 豊富なカラーから自分に合った一台を見つけたいなら「ドラッグスター250」
- 豊富なカスタムパーツで自分好みにカスタムしたいなら「ドラッグスター250」
- 250㏄でも本格的な“アメリカン”を味わいたいなら「Vツインマグナ」
- 軽快な走りを求め、人と違うものに乗りたいなら「イントルーダーLC250」
- スポーツバイク並みの動力性能のアメリカンに乗りたいなら「エリミネーター250V」
年々程度の良い中古車を探すのも大変になりますが、是非参考にしてみてください。