2018年11月22日、待望の新型「SR400」が発売されました。
「セロー250」や「トリッカー」などと同様、2017年9月をもって一旦生産終了となっていた「ヤマハ SR400」ですが、メーカーの宣言通り排ガス規制をクリアして復活しています。
新型の登場を心待ちにしていた方も多いと思いますが、やはり気になるのは「旧型と比べてどこが変わったのか」ですよね。
そこで、今回は「SR400」の特徴と新旧モデルのスペック、外観の変化などをまとめてみましたので、是非新型購入検討の際は参考にしてみてください。
アイキャッチ画像引用元:フォトライブラリー:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
歴史ある「ヤマハ SR400」の特徴と人気の理由
引用元:特徴紹介:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
ネイキッドバイクと言えば、「ホンダ CB400SF」か、この「ヤマハ SR400」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
前者は全国の自動車学校で教習車として採用されていることが多く納得できますが、「SR400」はなぜここまで有名なのでしょうか。
それはひとえに40年もの長きに渡り、そのコンセプトを貫いてきたからに違いありません。
当初は前後ドラムブレーキだったりキャブ車だったりと、現行モデルと異なる点も少なくありませんが、これまで外観の変化はほとんどありません。
またSR400といえば、いまだに“キック始動”にこだわっている点も有名ですよね。
2019年モデルとなる新型も、もちろんキック始動オンリーです。
引用元:フォトライブラリー:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
このひと手間はSR400に乗る際の儀式のようなもので、ライダーの気持ちを高ぶらせてくれるんですよね。
他にも、SR400が愛される理由の一つに「エンジンの鼓動感」が挙げられます。
400cc単気筒という、ビッグシングルならではの”ドコドコ”というリズムと振動は、「バイクはスペックが全てじゃない」ということを教えてくれます。
それでいて単気筒ならではの軽量さと低速トルクを活かして、ヒラヒラとコーナーを駆け抜けるような軽快な走りも楽しめるんですよね。
またカスタムパーツが豊富な点もSR400の魅力の一つ。
原型がわからないほどカスタムされているものも多いですね(というか原型がわからなかったらだいたいSR400)。
人気が高いため街中でもよく見かけるバイクですが、その気になれば(比較的容易に)いくらでも個性を演出することが可能な点も、他のバイクにはない魅力と言えます。
新型SR400(2019)が発売決定!旧型と比較!スペックは??
公式が発表している「フィーチャーマップ」がこちら↓
*印は「SR400 40th Anniversary Edition」の特徴
「SR400 40th Anniversary Edition」の詳細については後述。
気になる旧型(従来型)からの変更点をスペックに絞ってまとめるとこんな感じ↓
- 最高出力(19kW[26ps]/6,500rpm → 18kW[24ps]/6,500rpm)
- 最大トルク(29N・m[2.9kgf・m]/5,500rpm → 28N・m[2.9kgf・m]/3,000rpm)
- 車両重量(174kg → 175kg)
- 燃費(41.0km/L → 40.7km/L)※60km/h 2名乗車時
- 燃料タンク容量(12L → 12L)
- 価格(550,800円 → 572,400円)
今回の新型にもABSモデルの追加はない模様。
注目したいのは最大トルクを発生する回転数。
最大トルク自体はやや(誤差のレベルで)落ちていますが、その発生回転数はなんと2,500回転も低くなっています。
これまでは「低・中回転におけるトルク“感”がある」と言葉を濁されてきたSR400ですが、実際にビッグシングルの太いトルクによる鋭いスタートダッシュが可能となっているかもしれません。是非試乗したい。
その他のスペックは全体的に落ちてしまいました。
先行した新型セロー250や新型トリッカーが(ほんのわずかですが)最高出力も向上させてきていたので、淡い期待を持っていたのですが・・・。
しかし車重増をわずか1kgに抑えてきたあたりはさすが。
SR400が軽量バイクと呼ばれていたのも今は昔。
昨今のバイクと比べてしまうとシングルにも関わらず“比較的軽量”といった程度なので、これ以上の重量増はできれば避けたいですね。
先の最大トルク発生回転数がどう影響しているのか、実車にまたがるのが楽しみです。
価格は21,600円の値上がり。
もともと値上がりは予想されていたので、この辺りは人によって受け取り方が変わりそう。
新型セロー250(507,600円→564,840円)や新型トリッカー(427,600円→467,640円)よりも値上がり幅は小さいです。
引用元:特徴紹介:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
SR400のエンジンですが、新型になっても「空冷・4ストローク・SOHC・2バルブ・単気筒・フューエルインジェクション搭載」といった特徴は従来モデルと変わりません。
ただし、排ガス規制に対応するため、先行した新型セロー250や新型トリッカーと同様、「キャニスター」が装着されています(キャニスターとはガソリン蒸気を大気中に放出しないようにするパーツ)。
この他、“SRらしい心地よい排気音を目標に音響解析技術を用いてマフラー内部構造を最適化”しているとのこと。
変わらぬビッグシングルらしい排気音が期待できそうですが、やはり早く“生の音”を聞いてみたい!
燃費は41.0km/Lから40.7km/Lに下がりましたが、実際に走った際の燃費の変化は“誤差の範囲内”と考えて良さそうです。良かった。
SR400は新型になっても外観はほぼ変わらず。だけどニューカラーが美しい!
引用元:カラー&スタイリング:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
※スライドすると旧型と比較できます(左が旧型、右が新型)。
エンジン前方についているのが先述の“キャニスター”ですね。
マフラーは仕様変更しているとのことですが、パッと見は大きな変化はなし。
リアのウインカーの形状が少し変わってるかも?
デザインは完全にキープコンセプト、というか全く変わっていないと言っても過言ではないですね。
基本カラーは「ヤマハブラック(ブラック)」と「グレーイッシュブルーメタリック4(ブルー)」の2色展開。
加えて「ベリーダークオレンジメタリック1(ブラウン)」の「40th Anniversary Edition」も限定500台で発売されます。
詳しくは後述。
- ヤマハブラック(ブラック)
引用元:カラー&スタイリング:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
SRらしさ全開といった感じですね。
“ブラックとメッキの金属感を調和させて本質的な魅力を表現”したとのこと。
リア(カバーテール)も真っ黒になり、よりスマートになった印象を受けます。
- グレーイッシュブルーメタリック4(ブルー)
引用元:カラー&スタイリング:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
今回、個人的にはこの「グレーイッシュブルーメタリック4(ブルー)」がめちゃくちゃツボです。
“リラックス&カジュアルな印象をアピールした”とのこと。
もちろんカジュアルでモダンなカラーリングな雰囲気は感じるのですが、どこかクラシカルな印象も受けます。
近年のSR400にはなかった色なので、街中でも目立つこと間違いなしです。
男女問わずおしゃれに乗れそう。
個人的にはヤングマシンさんの予想CG↓がツボでしたが、まぁカスタムの参考にはなるかな・・・。
黒エンジンモデルが欲しい・・・。
この他、メーターはホワイトに刷新されています。
引用元:特徴紹介:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
メーター盤の色が違うだけなので、黒地が良ければ旧型のメーターと交換という手もあり。
SR400 40th Anniversary Editionも500台限定で発売!
引用元:SR400 40th Anniversary Edition – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
「40th Anniversary Edition」も発売されます。
こちらは691,200円で限定500台。
まずはそのカラーリングをチェック↓
- ベリーダークオレンジメタリック1(ブラウン)
引用元:SR400 40th Anniversary Edition – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
かなりオールディーで渋いですね!
先の画像のように、ギターのサンバーストカラーそのまんまといった感じで高級感があります。
エンブレムも専用仕様。
シートはサイド部分が皮革調でちょっとリッチな雰囲気を演出しています。
引用元:SR400 40th Anniversary Edition – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
SR400と比較できるライバルは現行モデルにはいない?
引用元:フォトライブラリー:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
幸か不幸か、2019年現在はSR400に明確な対抗馬は存在しません。
かつては同じ400ccにも「ホンダ CB400SS」や「カワサキ W400」といったクラシックバイクがラインナップがされていましたが、これらが生産終了を迎えてから実に10年ほどの月日が経過しています。
これら3台の比較記事はこちら↓
また、SR400は車体がコンパクトで軽いため、同じ普通自動二輪車免許で乗れる250ccと比較されることも多いですね。
その代表車種といえば「カワサキ エストレヤ」でしたが、こちらも2017年に生産終了となり、具体的な復活の情報はありません。
2017年に生産終了したモデルの中には、他にも「ホンダ CB223S」や「スズキ ST250 Eタイプ」といったクラシカルなバイクがあったほか、「ホンダ VTR Spetial Edition」(実質のVTR Final Edition)もカラーリングにクラシカルな雰囲気があって話題を集めました(比べると形状はだいぶスポーティーですが)。
また、さすがに動力性能に大きな差がありますが、クラシカルな雰囲気を持ったおしゃれバイクの筆頭として、これまた新型の「ホンダ モンキー125」を挙げる人もいるかもしれませんね。
排気量アップにより街中をストレスなく走れるようになったことで、実際の使い方がSR400と競合するというパターンはあるかもしれません。
一応これらとスペックを比較するとこんな感じ↓
メーカー及び車名 | 最高出力(kW[PS]/rpm) | 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 車両重量(kg) | 全長×全幅×全高(mm) | ホイールベース(mm) | シート高(mm) | 定地燃費値km/L(60km/h時) | 燃料タンク容量(L) | 新車価格(円) |
ヤマハ SR400(2019) | 18[24]/6,500 | 28[2.9]/3,000 | 175 | 2,085×750×1,100 | 1,410 | 790 | 40.7 | 12 | 572,400~ |
カワサキ エストレヤ | 13[18]/7,500 | 18[1.8]/5,500 | 161 | 2,075×755×1,055 | 1,410 | 735 | 39.0 | 13 | 536,760~ |
スズキ ST250 Eタイプ | 14[19]/7,500 | 21[2.1]/5,500 | 146 | 2,070×750×1,075 | 1,375 | 770 | 48.0 | 12 | 484,920~ |
ホンダ CB223S | 12[16]/7,000 | 18[1.8]/5,500 | 135 | 2,100×780×1,110 | 1,395 | 780 | 41.0 | 11 | 430,920~ |
ホンダ VTR | 22[30]/10,500 | 22[2.2]/8,500 | 163 | 2,080×725×1,055 | 1,405 | 755 | 40.0 | 12 | 598,320~ |
ホンダ モンキー125 | 6.9[9.4]/7,000 | 11[1.1]/5,250 | 105【107】 | 1,710×755×1,030 | 1,155 | 775 | 71.0 | 5.6 | 399,600~ 【432,000】 |
※【有】、【無】はABSの有無を表します。
お次は外観。
ヤマハ SR400(2019) | |
カワサキ エストレヤ | |
スズキ ST250 Eタイプ | |
ホンダ CB223S | |
ホンダ VTR | |
ホンダ モンキー125 |
とまぁ、テンプレに従って比較はしてみましたが、このうち現行モデルは125ccの「モンキー125」のみ。
先述のとおり新型SR400に明確な対抗馬は存在しないのが現状です。
SR400はカスタムパーツの豊富さも魅力の一つですから、SR400同士で比べても個性を演出することは比較的容易。
自分好みのバイクにいじりやすいという意味では、他のバイクより「可能性を秘めたバイク」と言えそうですね。
あとがき│新型SR400は当然のようにキープコンセプト!
引用元:フォトライブラリー:SR400 – バイク・スクーター│ヤマハ発動機株式会社
ついにSR400が戻ってきましたね。
それも大方の予想通りキープコンセプトで、これまでと変わらぬ姿で復活してくれました。
最高馬力は19kW[26ps]/6,500rpmから18kW[24ps]/6,500rpmへとわずかにパワーダウンしてしまいましたが、それより最大トルクの発生回転数が5,500rpmから3,000rpmへと落ちていることがポジティブな要素として期待できそう。
低速域での加速が強化されていれば、スペック以上に街中での乗り味が進化している可能性もあります。
新型どうこうは置いておいて、復活したSR400(2019モデル)はカラーリングがとにかくカッコいい!
特に「グレーイッシュブルーメタリック4(ブルー)」と似たような色はしばらく出ないような気がするので、カラーリングが気に入れば2019モデルは買いだと思います。
うーん、欲しい・・・!