AT車でスポーツ走行はできる?ATの変速テクニック 他

Lexus IS F AT車

最近バイク関連の記事ばかり書いていましたが、久しぶりに4輪のドライビングテクニックについて書いてみたいと思います。

とは言っても、すでにスポーティーな車に乗ってブイブイ言わせている人にとってはちょっと退屈な内容かもしれません。

タイトルの通り、今回お話しするのは”AT車の運転について”です。

 

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AT車でもスポーツ走行はできるの?

それこそ2000年頃まではシルビアや180SX、シビック、インテグラ、ランエボ、インプレッサなどの”スポーツ走行を楽しめるMT車”に割とお手軽に乗ることができましたが、今ではこれらの中古車も続々と廃車になったり、質の良いモノはどんどん海外へ流出したりと、だいぶ玉数が減っているようです。

やはりかつてと比べて質の良い中古車を入手しにくくなったのはかなり大きな違いのように感じます。

もちろん今でも新車でスポーツ走行が楽しめるMT車はありますが、ある程度の年齢になると金額や家庭との折り合いがつかず泣く泣くATのファミリーカーに乗り換えたという人も少なくないでしょう。

 

しかしAT車ではスポーツ走行ができないかと言うと、決してそんなことはありません。

それどころか、実はステーションワゴンやSUV、ミニバンにすらスポーツ走行を楽しむことができる車種はたくさんあります(さすがにノーマルの軽ハイトールワゴンなどは不向きですが・・・)。

現に管理人も初代オデッセイでスポーツ走行をした経験がありますし、ダウンヒルをかっ飛ばすMPV(2代目)に遭遇したこともあります。

他にも管理人が出会っただけでもスポーツ走行を楽しんでいたAT車は、

「アコードワゴン(CH9)」、「初代NSX」、「フォレスター(SF5)」、「レガシィツーリングワゴン(BP5)」、「エスティマ(2代目)」、「アリスト(2代目V300)」、「ヴィッツ(2代目)」、「デミオ(2代目)」、「マーチ(K11)」、「セレナ(2代目)」、「シルビア(S14前期Q’s)」、「フェアレディZ(Z33)」、「カマロ(4代目)」

などなど、枚挙にいとまがありません。(パッと思い出すのは古い車ばかりですが 笑)

これ以外にもスーパーカーなどはセミAT(クラッチレス)車が多いですよね。

 

AT車における意図的シフトチェンジ

AT車でもスポーツ走行はできますが、当然AT車の走らせ方はMT車のそれとは異なります。

MT車のスポーツ走行において「ヒール&トゥ(ヒールアンドトゥ)」という技術が必須であるように、AT車の場合もスムーズにシフトチェンジを行うことは大切なポイントとなります。

 

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しかし、ATとは「オートマチックトランスミッション」の略ですし、「AT車の場合は車が勝手にシフトチェンジしてくれるんじゃないの?」と思う人も多いでしょう。

もちろん、「D」レンジ固定でも十分に走ることはできますが、実はAT車でもMT車のように任意のタイミングでシフトチェンジをすることが可能なのです。

 

AT車のギア表記

AT シフトノブ

例えばかつて一般的だった4速AT車のシフト周辺を見ると、「P」、「R」、「N」、「D」と続いて、「2(S)」、「1(L,B)」と書かれているはずです。

この数字は、MT車で言うところの2速や1速に該当します。

ちなみに「S」はセカンドギア、「L」はローギアを、「B」は主にCVT搭載車において(エンジン)ブレーキ用レンジを表します(上の画像はCVT車)。

ギア選択を誤らないようにするためか、最近の車は画像のように複雑な形状をしていることが多くなりましたね。

更に一般的にはシフトノブに「OD(オーバードライブ)スイッチ」が存在します。

「OD」がONのときに4速まで入るということですが、気を付けたいのは「OD」をONにすれば必ず4速に入るわけではないということです。

Dレンジで「OD」をONにしたとき、ギアは1速~4速の中から車速やアクセル開度に合わせて適切なものが自動で選ばれます。

もう少し詳しく見てみましょう。

 

まず、「1(L)」のときはギアは1速固定となります。

続いて「2(S)」のとき、1速か2速からギアが選ばれます(2速固定と勘違いする人が多いですが、そうではありません)。

「D」で「OD」がOFFであれば1速~3速、「D」で「OD」がONであれば1速~4速からギアが選ばれます。

※中には「D」レンジを選択したままパドルシフト(ハンドルの後ろのレバー)などを用いて好きなギアを選択できる車種もありますが、車速や加速度によってコンピュータが勝手にシフトチェンジしてしまうケースも存在します。

 

AT車における意図的シフトダウン

それでは具体的にAT車のシフトチェンジの方法を見ていきます。

まずはシフトダウンの方法ですが、多くの人はすでにその方法をご存知でしょう。

先述のギア表記と実際のギア選択の仕組みから、スポーツモード(MTモード)のないAT車は「ギヤを固定することはできない」ものの、「低いギアに制限することは可能」だということがわかります。

例えば先ほどと同じ4速ATの車に乗っているとき、「D」を選択して「OD」がONの状態で高速道路を走っていれば、急加速でもしない限りギアは4速が選択されているはずです。

この時「OD」をOFFにすればギアは3速に変わりますし、「2」にシフトノブを動かせば2速に変わります。

 

基本的にはこの操作でシフトダウンは可能ですが、MT車では「ヒール&トゥ」によって”回転数を合わせる”ことでスムーズなシフトダウンができましたね。

実はこのMT車における「ヒール&トゥ」と同じことがAT車でも可能です。

注意深く観察すると、AT車でもシフトダウンの際に一瞬駆動力が抜け、その後変速ショックがくるのがわかると思います。

この「一瞬駆動力が抜けた瞬間」にアクセルを煽ってやれば、即座に回転数を合わせることが可能で、その分ショックが少なかったり、場合によっては変速にかかる時間を短縮することができます。

 

ただし、AT車のシフトダウンに合わせてアクセルを煽るのは急加速のリスクを伴うため、公道はもちろん、コーナー進入時などの急ブレーキの際はブレーキに専念することをおすすめします。

急ブレーキをかければコンピュータが自動的に急減速と判断してシフトダウンを行ってくれるので、フルブレーキ時に自分でシフトダウンするメリットはあまりありません。

ただし、何度か同じコーナーをクリアするうちに、更にワンテンポ早く加速したいと感じることがあれば、そのとき初めて”加速のためのシフトダウン”を実践してみましょう。

 

加速のためにシフトダウンしたいときは、「OD」をオフにしたり「2」を選択するのも良いですが、「D」を選択したままアクセルを踏み込んでもOKです。

コンピュータがドライバーの加速の意思を読み取り、適切なギアへシフトダウンしてくれます(キックダウン)。

 

AT車における意図的シフトアップ

今度は逆に自分の意志でシフトアップさせてみましょう。

AT車に搭載されたコンピュータは、「ドライバーにこれ以上加速しようとする意志がないな」と判断した時点でシフトアップを行い、より回転数を抑えた走行へ移ろうとします。

ですから、具体的な方法としては加速中に一瞬アクセルを緩めてやれば良いのです。

この操作はエコドライブにもつながりますし、街乗りの速度域でも簡単に実感できるので是非一度試してみてください。

 

スポーツ走行において意図的にシフトアップをしたい場面と言うのはあまり多くはありませんが、例えば車種によってはアクセルを踏み込み続けるとレッドゾーン(レブリミット)に突入し、シフトアップより先にリミッターが働いてその分ロスが生じることがあります。

こういったことを防ぐ際も使えるテクニックです。

 

スポーツモード(MTモード)の活用方法

最近のATはどんどんと多段化が進んでいて、今や7速ATなんて当たり前になってしまいましたね。

そしてハンドルの裏にレバーが設けられた「パドルシフト」搭載の車もよく見かけるようになりました。

なんせ今やN-BOXなどの軽ハイトールワゴンにすら搭載されていますからね(笑

また、任意のギアを選択してそのギアを維持したまま走行することができるスポーツモード(MTモード)を搭載したAT車も多いですよね。

 

さて、N-BOXはCVTなので、パドルシフトによる変速の際も後述の通りなかなかのレスポンスを見せてくれるのですが、多くのAT車は変速の際に一瞬駆動力が抜け、次のギアに入るまでのタイムラグが生じます。

このタイムラグの間は当然トラクションも抜けますしエンジンブレーキも効きませんので、激しく挙動が乱れる可能性があります。

例えばコーナーの立ち上がりでキックダウンが起こったり、コーナーをパーシャルスロットルで抜けようとしたらシフトアップしてしまったり・・・。

 

スポーツモード(MTモード)を利用する利点と言えば、こういった「ドライバーの意図しないシフトチェンジを防止できること」、これが全てと言っても良いでしょう。

また、「自分の意志でギアを選べる」ということは「自分の思い描いた通りの動きを実現しやすくなる」ということでもあり、スポーツ走行においてはそれだけで大きなメリットとなりますし、多くの場合は結果的に速く走ることが可能です。

 

しかし、いくらスポーツモード(MTモード)で意図的にシフトチェンジをしても、シフトチェンジそのものは機械任せです。

ドライバーが直接操作しない分、変速にかかるタイムラグは「意図しないタイムラグ」(思っていた以上に変速に時間がかかるように感じたり・・・)となり得るため、多少の危険を伴います。

逆に言えば、この変速にかかるタイムラグを身体に染み込ませることができれば、よりMT車に近い感覚でドライブすることが可能となります。

スポーツモードを有効活用するためにはこの変速のタイムラグを感覚として覚えることがほぼ必須と言えるかもしれません。

 

CVTの場合

CVTとは無段変速装置のことです。

CVT搭載車であれば常に「エンジンの一番おいしいところ」を使って走ってくれますので、よほどのことがない限りドライバーがシフト操作をする必要はないでしょう。

しかし「エンジンの一番おいしいところ」を使い続ける代償として、CVTで長時間限界走行を続ければ当然エンジンの負担は大きくなりますし、ターボ車であればオーバーヒートの可能性も高くなります。

かつてCVTを搭載したF1カーが圧倒的な速さを見せたテストもありましたが、現在もCVTがビッグパワー車にあまり採用されないのは、(特にベルト式の)CVTが耐久性や伝達能力、伝達効率の面で従来のMTやATに劣るためです。

(※CVTは一般的なATやMTと比べるとこのようなデメリットにより伝達ロスが大きいものの、常にエンジン回転数を最適に維持できること、また変速時にトルクが途切れないことから、車としての全体的なパフォーマンスは高くなります)

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ちなみに、CVTは変速時に駆動力をカットする必要がないため一般的なAT車よりもスポーツモード(パドルシフト)の反応が良く(変速時のタイムラグがなく)、実はかなりMT車に近い感覚で操作することが可能です。

そういった意味では、「日産 ジューク NISOMO RS」なんて結構面白い車かもしれませんね。

ただ一般的なCVTの場合、やや出だしの加速はもっさりとすることが多いですし、ほっといてもリニアに変速してくれるため、結局下手にスポーツモードを使わない方が速いということもあり得ます・・・。

そうなると回転数がほぼ一定(トルクがほぼ一定)なため、エンジンの吹け上がりや音、”加速感”が得られないというところに不満を感じることもあるかもしれません。

 

スポーツ走行におけるAT車のメリット

AT車でスポーツ走行をした際に得られる最大の恩恵は、やはりMT車よりも「アクセル」、「ブレーキ」、「ステアリング」に集中できることでしょう。

MT車であればコーナー進入時のフルブレーキと同時にヒール&トゥを駆使してシフトダウンし、それとほぼ同時にステアリングを切って次の加速に備える必要があります。

この時ブレーキの踏力を一定に保つのは訓練しないとなかなか難しいですよね。

しかしAT車であれば右足はブレーキ操作に、両手はステアリング操作に集中することができます。

これによってMT車に乗っているときよりも正確なライン取りができるのであれば、AT車に乗った方が速く走れる可能性もあります(特にヒール&トゥに慣れていない場合)。

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実際、加減速のタイミングやライン取りに優れた人はMT車に乗ろうがAT車に乗ろうが速いです。

 

ただし、例えば5速MTと4速ATがラインナップされた車種の場合、当然ATの方がギア数が少ない分、各ギア比が異なります。

特に古い車は変速自体もあまりスピーディーではなく、これらが「AT車は遅い」と言われるゆえんです。

しかし近年のATは目覚ましく進化しており、これらのデメリットはほぼないと言って良いと思います(逆に単純な加速はAT車の方が速いほど)。

 

あとは、「パドルシフトならF1気分が味わえる」っていうのも個人的には大きいです(笑

 

まとめ

ちょっと話がちらかってしまいましたが、一言にまとめれば「AT車でもスポーツ走行を楽しむことはできる」ということです。

個人的には、スムーズなシフトチェンジよりもまずはライン取り、それからブレーキングやそれらに伴う荷重移動など、より速さに直結する要素は他にあると考えています。

そしてそれらの要素を楽しむのにMT車である必要はありません。

まぁ速く走るだけがスポーツ走行ではないんですけどね。

 

若い頃は「ATのシルビアやZなんて!」と思っていましたが、今ならそういった車で楽しむのもアリだなと感じますね(笑

AT車でサーキットを走る人も多いですし、堂々とスポーツ走行を楽しんじゃいましょう♪

 

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