ホンダから新しい650ccフルカウルロードスポーツモデル「CBR650R」が2019年3月15日に発売されます。
新型「CBR650R」は従来の「CBR650F」をベースに開発されたニューモデルで、ホンダの最新ニュース(HondaWEBサイト更新情報)にも次のようにあります。
CBR650Rは、扱いやすい車体サイズに低回転域から高回転域まで伸びやかな回転フィーリングを堪能できる直列4気筒エンジンを搭載した従来モデルの「CBR650F」をベースに開発。ワインディングや高速走行などでの、よりスポーティーな走行における“操る楽しみ”に焦点を当て、「エキサイティングな走りの堪能 直4 Middle CBR R」を開発のキーワードに、車体・足回り、パワーユニットの各部を熟成させつつ、スタイリングを一新。名称を従来のCBR650FからCBR650Rへ変更しました。
この中で現行モデルでありながら従来モデルと表現されている「CBR650F」ですが、実は新型「CBR650R」の発売が発表された2019年1月21日時点ではまだラインナップに残っているんですよね。
となると気になるのは従来モデル「CBR650F」と新型「CBR650R」の違い。
今「CBR650F」を買うのはアリなのか、「CBR650R」は間違いなく進化したバイクなのか、今回はこの2車種の違いをわかりやすくまとめてみました。
是非バイク選びの参考にしてください。
アイキャッチ画像引用元:デザイン│CBR650F│Honda , デザイン│CBR650R│Honda
従来モデル「CBR650F」と新型「CBR650R」の違い・変更点
今回は次の5項目について比較を行いました。
- 見た目の違い
- スペックの違い
- 装備の違い
- ライディングポジションの違い
- 派生車種の違い
1.見た目の違い
引用元:デザイン│CBR650F│Honda , デザイン│CBR650R│Honda
左がCBR650F、右が新型のCBR650Rです。
CBR650Rはマスの集中化を意識したショートテールを採用。
この辺りは最近のトレンドですね。
しかし一番大きな違いはヘッドライトとその周辺の形状↓
引用元:デザイン│CBR650F│Honda , デザイン│CBR650R│Honda
CBR650Fは単眼のヘッドライトだったのに対し、CBR650Rはデュアルヘッドライトに変更となり、CBR1000RRやCBR400Rなどの現行CBRシリーズ共通のデザインを与えられました。
CBR650Fではシングルだったヘッドライト下の吸気ダクトも、CBR650Rではより吸気効率に優れるツインの専用ラムエアダクトを採用しています。
引用元:パワーユニット│走行性能│CBR650R│Honda
マフラーのデザインも変更。
もちろん見た目だけでなく、最高出力の向上と吹け上がりの改善にも貢献しています。
また、消音性能を維持しながら直4ならではのエキゾーストサウンドを楽しめるよう、マフラー後端の角度が工夫されています。
2.スペックの違い
メーカー | 車名 | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク | 車両重量 | 全長×全幅×全高 | 軸間距離 | シート高 | 定地燃費値(60km/h 2名乗車時) | 燃料タンク容量 | メーカー希望小売価格 | 外観 |
ホンダ | CBR650R | 648(㏄) | 70[95]/12,000(kW[PS]/rpm) | 64[6.5]/8,000(N・m[kgf・m]/rpm) | 207(kg) | 2,130×750×1,150(mm) | 1,450(mm) | 810(mm) | 31.5(km/L) | 15(L) | 1,036,800~(円) | |
ホンダ | CBR650F | 648(㏄) | 66[90]/11,000(kW[PS]/rpm) | 64[6.5]/8,000(N・m[kgf・m]/rpm) | 213(kg) | 2,110×755×1,145(mm) | 1,450(mm) | 810(mm) | 31.5(km/L) | 17(L) | 999,000~(円) |
それぞれのスペックは表のとおり。
最大トルクはそのままに、最高出力は発生回転数が1000rpm上がり、5PSアップの「95PS/12,000rpm」。
車両重量は213kgから207kgへと6kgの軽量化。
これだけを見てもCBR650Rがスポーティーに進化したバイクであることがわかります。
引用元:パワーユニット│走行性能│CBR650R│Honda
出力特性を見ると新型CBR650Rは数値以上に高回転型にシフトしていることがわかりますね。
低回転のトルクはやや下がっていますが、その分スムーズな特性を持つようです。
さらに、
7,000rpm付近からの直列4気筒ならではの吹け上がり感により、スポーツバイクならではの興奮と充実感を満喫できる出力特性としている。
とのこと。
加えてタンク容量が17Lから15Lに減ったことからも、ツアラー要素よりスポーツ要素を強く意識しているであろうことが伝わりますね。
ツーリング主体の場合は単純に残念な要素ではありますが・・・。
3.装備の違い
主だった変更点は「倒立フロントフォーク」や新デザインの「軽量アルミホイール」の採用、加えて剛性バランスの見直しとマスの集中化が図られているとのこと。
特に「倒立フロントフォーク」はバネ下重量の低減と軽快なハンドリングに効果があるとされ、スポーツバイクの定番装備と言っても過言ではありませんね。
リアには作動性と路面追従性等に優れる「ピロボール式サスペンション」を採用。
引用元:パワーユニット│走行性能│CBR650R│Honda
外観の項でも触れましたが、ヘッドライト下の吸気ダクトは高速域での吸気充填効率に優れるツインの専用ラムエアダクトへと変更。
これは高速域での鋭いエンジン回転上昇フィーリングにも貢献します。
引用元:主要装備│CBR650F│Honda , 主要装備│CBR650R│Honda
メーターは2眼メーターから薄型フルフラットの多機能液晶メーターへと変更。
この辺りは好みもあるかもしれませんが、瞬間燃費、平均燃費、平均車速、経過時間などなど、フル液晶だけあって表示できる情報は多彩です。
「アシストスリッパークラッチ」及び「Honda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)」を新採用したこともトピックの一つ。
これによって得られる主な恩恵は次の通り
- クラッチレバー操作荷重の軽減
- シフトダウンに伴う急激なエンジンブレーキによる後輪ホッピングの軽減
- リアタイヤの駆動力制御による後輪スリップの軽減
総じてライダーの負担を軽減すると同時に、より快適で安全、かつスムーズで扱いやすい乗り味を実現しています。
こういった負担軽減や万が一に備える装備は、初心者ライダーでなくてもありがたいものですよね。
4.ライディングポジションの違い
ご覧の通り新型「CBR650R」はハンドル位置が下がり、これによってライディングポジションもやや前傾姿勢に。
加減速やコーナリングに適したアグレッシブなライディングポジションは、ワインディングを楽しむのにより適しています。
逆に街乗りや長距離ツーリング等には不向きな方向性ですが、とはいえ驚くほどの変化ではないので、CBR650Fと比べてライディングポジションに起因するデメリットを実感することはほとんどないと思われます。
5.派生車種の違い
引用元:デザイン│CB650F│Honda , デザイン│CB650R│Honda
従来型のCBR650Fの派生車種は「CB650F」(画像左)。
CB650FはいかにもCBR650Fからカウルを取り払った“ストリートファイター”といった見た目のバイクですね。
対して新型CBR650Rの派生車種「CB650R」は、一転して昨今流行のネオレトロを意識した外観を手に入れました。
従来のCBR650FとCB650Fはライト形状も割と似ていて「カウルを脱いだ」という表現がぴったりだったのですが、CB650Rにストリートファイターらしさはあまりないですね。
CBR650Rが現行CBRシリーズに準じた外観を手に入れたのと同様、CB650Rも現行CBシリーズの外観を手に入れた形ですね。
中身はCBR650F→CBR650Rの変更にならい、全体的にスポーティーに進化。
ネオレトロな雰囲気を持ちながら、高回転まで回る四気筒エンジンに「倒立フロントフォーク」をはじめとするスポーツ走行を意識した装備が充実しており、まさに「スポーツネイキッド」と呼ぶにふさわしい1台に仕上がっています。
もちろんフルカウルスポーツモデルのCBR650Rと比べればアップライトなライディングポジションとなりますが、従来モデルのCB650Fよりはハンドル位置が下がっています。
CBR650Rが1,036,800円なのに対し、CB650Rの価格は961,200円で100万円を切ります。
この差は結構大きいと感じる人も多いのでは。
CB650Rと同クラスのライバルの比較はこちら↓
まとめ│CBR650Rは従来モデルCBR650Fよりスポーティー!だけどSSにはない扱いやすさがある!
外観、スペック、装備、ライディングポジション、どれを見ても新型「CBR650R」は従来の「CBR650F」よりスポーティーに進化していることがわかります。
スポーツモデルといえば、世界的に見れば600ccクラスはSS(スーパースポーツ)の人気が高くラインナップも充実していますが、日本国内に限っては2019年現在国内メーカーですら600ccSSを展開していません。
そんな今、650ccという扱いやすい排気量で手軽にスポーツ走行を楽しめ、かつSSと比べれば格段に街乗りやツーリングにも向いているという付加価値を持つこの「CBR650R」、今の日本にとてもマッチしている1台と言えるのではないでしょうか。
逆輸入車等で600ccクラスのSSを検討する人もいるかもしれませんが、SSはサーキットで1/100、1/1000秒というタイムを刻むような用途にマッチするジャンル。
そういった使い方を考えていなければ、間違いなくCBR650Rという選択をした方が幸せになれます。
もちろんCBR650Rもサーキットがマッチしないわけではありませんが、CBR650F/Rは「SSと比べてスペックが劣っている」というような評価をされるようなバイクではありません。
変にSSと比べすぎないで堂々と乗っちゃいましょう!
ちなみに、従来モデルのCBR650Fはまだ公式HP上ではラインナップに載り続けているので、もしかするとこの先ももう少しラインナップに残るかもしれません。
価格差と装備の違いを考えると圧倒的に新型CBR650Rの方がお得感がありますが、デザインが気に入れば新車でCBR650Fを手に入れる最後のチャンスとも考えられます。
気になる人はお早めに!
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