FF車で速く走るために気を付けたい4つのポイントとは!?

ホンダ シビックハッチバック 02 ドライビングテクニック

今回紹介するのは自動車の駆動方式の一つ、FFレイアウトを採用した車におけるスポーツ走行のポイントです。

FF車はドリフトのような派手な走行には向きませんが、ポイントを押さえれば十分にスポーツ走行を楽しむことができます。

どのようにすればFF車で速く走れるのか、何を意識すればFF車で気持ちよくコーナーを抜けられるのか、ぜひ参考にしてみてください。

アイキャッチ画像引用元:デザイン・カラー│スタイリング│シビック ハッチバック│Honda

 

FF車の運転で気を付けたい4つのポイント

FFはフロントに積んだエンジンでフロントのタイヤを回す駆動方式です。

このFFレイアウトは多くの市販車に採用され、今では最も一般的な駆動方式と言ってもいいでしょう。

しかし、実はスポーツ走行におけるFF車はかなりのクセを持っており、スピードを求めてFF車の性能を限界近くまで引き出そうとする場合は、相当の慣れとテクニックが必要と言えます。

というわけで、今回はFF車でスポーツ走行をする上で気を付けたいポイントを4つに絞り、順番にご紹介したいと思います。

 

なおFF車の特徴についてはこちらもご覧ください。

 

1.スローインファストアウトを意識する

加速と操舵が前輪に集中するFF車は、アクセルオンでアンダーステアが生じやすいという欠点を持つため、スポーツ走行においては“曲がりにくい車”と言えます。

また急ブレーキをしながら旋回を始めた場合も前輪に負荷が集中し、簡単に前輪のグリップが限界を超え、結果としてコースアウトしてしまいます。

そのため、とにかくオーバースピードでコーナーに進入することだけは絶対に避けたいところです。

要するにスローインファストアウトを徹底する必要があるということですね。

 

具体的には、慣れるまでは早めかつ長めのブレーキを意識しましょう。

直線の内にガツンとブレーキをかけ、そこから徐々にブレーキを弱め、スピードを調整しながらコーナーに進入します。

タイムアップのためにはこの動作をより短期間で行えば良いのですが、それはこの次のステップです。

まずは安全な方向から一つ一つ確実に実践し、限界を見極めていきましょう。

 

2.クリッピングポイントを奥に置く

アンダーステアが生じやすいFFにおいては、とにかく曲がり切れないという事態が最も怖いですよね。

そのため、コーナー後半に余裕を残しておくことが大切です。

ではどうすればコーナー後半に余裕を残せるでしょうか。

ここで重要になるのが「クリッピングポイント」です。

具体的にはクリッピングポイントを奥に置くことを意識すると、コーナー全体で余裕が生まれ、速くかつ安定して走ることが可能になります。

逆にクリッピングポイントを手前に置いてしまうとなかなかコーナーの出口が見えず、この間はアクセルを踏むことができません。

踏めばアンダーステアが生じてまた緩めるの繰り返しになってしまいますからね。

できることならアクセルを踏むタイミングを見極め、一度踏んだら次のコーナーまで踏んだままにする。

この方が圧倒的に高効率です。

そのためにも、後半で加速しやすいライン取りが重要となるわけですね。

 

クリッピングポイントについてはこちらで詳しくお話ししています。

 

3.トラクションを意識して加速する

トラクションとはタイヤが地面を蹴る力のこと。

前輪駆動のFF車であれば、前傾姿勢のときは駆動輪が地面に押し付けられるためトラクションがかかり、後傾姿勢のときは逆にトラクションが抜けている状態と言えます。

つまり、FF車は加速時のリア荷重によってトラクションが抜けるため、急加速に不利な駆動方式ということです。

特に滑りやすい坂道や、タイヤのグリップをフルに使うコーナー出口付近などでは、一気にアクセルを開くとタイヤが空転してしまう恐れがあります。

そうならないためにも、加速の際は後傾姿勢になり過ぎないように注意しながらアクセルを踏むことが大切です。

 

・・・といっても難しいですよね。

これを改善するために、セッティングを変えるのも一つの方法です。

例えば、FF車は足回りをガチガチにすると驚くほど速く走れる車に化けたりします。

シビックやミニなど、FFでスポーツ要素の強い車はもともと足回りが硬めなことが多いですね。

 

4.アンダーステアを抑制する

FF車最大の敵でもあるアンダーステアを抑制するには、コーナーの入り口と出口、2か所について考える必要があります。

 

まず、コーナー進入時に注意したいのはブレーキ。

FF車はフロント荷重が抜けると曲がりにくくなるため、コーナーなかほどまでブレーキを残しておいた方が曲がりやすくなります。

この場合のブレーキはフロント荷重を残すためのブレーキですので、大きな制動力は必要ありません。

わかりやすく言えば、最初にガツンとブレーキをかけ、そこからコーナー中ほどにかけて徐々に踏力を弱めるイメージです。

 

コーナー脱出時に注意したいのはアクセルオンのタイミング。

アクセルのタイミングを間違えると、次のような流れでアンダーステアが発生し、曲がれなくなってしまいます(トラクションのかけかたにも注意)

アクセルオン→フロント荷重が抜ける→前輪のグリップが低下→旋回性の低下(アンダーステア│曲がれない)

怖いのは、一度フロント荷重が抜けるとなかなかアンダーステアを解消できないということ。

こうなるとアクセルを踏めないまま車速が落ち、かつラインを外すことになるか、最悪コーナリング中にブレーキを踏む羽目にもなりかねません。

このため、アクセルを踏むのは車がしっかりと向きを変えてコーナーの出口が見えるまで我慢するようにしましょう。

 

タックインとは

実はタックインという現象をうまく使うことができれば、コーナーによっては驚くほど速いコーナリングが可能となります。

 

こう言うと先ほどのスローインファストアウトと矛盾を感じる方もいるかもしれませんが、やはり無茶な速度でコーナーに進入するのはNGです。

前輪がロックすればタックインしませんし、仮にできてもすぐさまスリップという危険性もあります。

あくまで基本に忠実な運転を心掛ける必要があります。

 

また、向きを変えるためにアクセルを抜くため、必ずしもタイムアップにつながるとは限らず、何より挙動が不安定でタイヤへの負担も大きくなる可能性がある点にも注意が必要です。

そもそも最新の車では電子制御が介入する可能性もあるため、過信は禁物ですね。

 

まとめ│FF車で速く走るには基本を重視すべき

上記の通り、スローインファストアウト、クリッピングポイント、トラクション、アンダーステア対策(ブレーキの残し方とアクセルのタイミング)を意識して運転してみましょう。

どれも駆動方式を問わず重要な要素ばかりですが、FF車においてはこれらの基本をマスターしておくことが何より大切になります。

もしかすると、FF車はFR車よりも直感的な操作で速く走るのは難しいかもしれません。

しかし逆に、”知識を持っている人ほど有利”とも言えます。

よく考えて走ることを心がけてみましょう。

 

FF車にはFR車とはまた違った楽しさがありますから、未経験の方は是非一度FF車でスポーツ走行をしてみてください。

もしあなたが食わず嫌いで「FFはコンパクトカーやミニバンのための駆動方式」と思っていたとすれば、きっと考え方が変わりますよ♪